ネクストストップ、スペイン!本格的な欧州ラウンド開幕

比較的に涼しい天候が予報されているが、他に類を見ないフェスタがヘレスの丘で開催

第4戦スペインGPは、今週末の4月26日から28日にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで開催。27日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、28日に決勝レースが催行される。

ドゥカティ

コンストラクター部門で首位に位置するドゥカティは、昨年9月の第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPから続いていた連続優勝の記録が11戦で途切れたが、2021年9月の第13戦アラゴンGPから48戦連続の表彰台を獲得。当地では2021年から3年連続して優勝。

ホルヘ・マルティン

昨年9月の第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPから11戦連続してティソ・スプリントで表彰台を獲得した後、決勝レースで今季初めてトップ3を逃したが、ポイントリーダーとして後続とのポイント差を拡大。昨年は3番グリッドから連続4位。

エネア・バスティアニーニはティソ・スプリントで3戦連続の6位だったが、決勝レースでは2戦連続の表彰台を獲得して総合2位に浮上。昨年負傷欠場したトラックで21ポイント差を詰めに行き、30ポイント差の総合5位に後退したフランチェスコ・バグナイアは1年前に5番グリッドから2位と1位、2年連続の優勝を挙げたヘレスで、これ以上引き離されないために、アタックモードで仕掛ける。

マルク・マルケス

ティソ・スプリントで2戦連続の2位、決勝レースで2戦連続の転倒リタイアを喫したが、セッション毎にドゥカティ機に適応し、課題を克服し、パフォーマンスが向上。決勝レース後のオフィシャルテストを含めて、重要な4日間となる。

KTM

開幕戦でブラッド・ビンダー、2戦目と3戦目でペドロ・アコスタが表彰台を獲得。2017年に参戦を開始してから、ベストスタートを切ったKTMは、1年前にティソ・スプリントと決勝レースでダブルポディウムを達成したヘレスに戻る。

デビュー戦からセンセーションな走りを見せるペドロ・アコスタと共に注目が集まるのは、ワイルドカードのダニ・ペドロサ。テストサーキットに指名する当地で2度のプライベートテストを実施。昨年9月の第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPに続き今年初参戦、ワイルドカードとして4戦目、キャリア通算299戦目を迎える。

アプリリア

ティソ・スプリントで第3戦ポルトガルGPに続き連続優勝、決勝レースで2021年3月の開幕戦カタールGP以来72戦ぶりに優勝を挙げ、アプリリア所属63戦目で初優勝を飾ったことから、『MotoGP™』で史上初、プレミアクラスで史上5人目となる3メーカーのバイクで勝利を収めたマーベリック・ビニャーレスがスペインに凱旋。

2年前に3位、1年前に5位に進出したアレイシ・エスパルガロ、パフォーマンスが右肩上がりに向上してきたミゲール・オリベイララウール・フェルナンデェスと共に上位進出を狙い、テストライダーのロレンソォ・サバドーリが今年最初のワイルドカード参戦。

ヤマハ

コンストラクター部門で総合4位、チーム部門で総合8位に位置するモンスターエナジー・ヤマハは、コンセッションの優遇措置を利用して、第2戦ポルトガルGPにプライベートテストを実行していたが、トラックコンディションに恵まれず、テストを見送ることになったが、今週、第7戦イタリアGPの開催地ムジェロ・サーキットで2日間のプライベートテストを計画。

4年前の2020年にプレミアクラス初優勝を挙げたトラックに戻るファビオ・クアルタラロとチームメイトのアレックス・リンスは、決勝レース後のオフィシャルテストを含む、計画的なプログラムに取り組む。

ホンダ

過去10度の開催で8勝を挙げたサーキット・オブ・ジ・アメリカズで予選の最高位は、公式予選1の9番手、ティソ・スプリントは22.9秒差の17位、決勝レースは33.5秒差の16位。ショートレース、ロングレースともに3人が転倒リタイアを喫し、完走したのは予選最下位のルカ・マリーニだけ。

厳しい週末を過ごした後、レプソル・ホンダ・チームは、第6戦カタルーニャGPの開催地バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで4月19日から2日間のプライベートテストを実施。今年に入ってから既に当地で数度のプライベートテストを実施したテストライダーのステファン・ブラドルをワイルドカードとして招集し、公式予選2の11位、ティソ・スプリントの13位、決勝レースの9位が昨年の最高位だったヘレスでどのようなパフォーマンスを見せ、リザルトを獲得するか注目が集まる。

オフィシャルテスト

決勝レース後の4月29日に当地でシーズンが始まってから最初のオフィシャルテストが開催され、今年は第7戦イタリアGP後、第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP後にもオフィシャルテストが予定され、特に『A』ランクのドゥカティ、『C』ランクのKTMアプリリアのバイクを走らせるレギュラーライダーたちにとっては貴重なテストの機会となる。

天気予報

金曜日から日曜日まで最高気温20度の晴れ。オフィシャルテスト日の月曜日も雨の心配はなく、ドライコンディションが予報されている。

Moto2™

序盤3戦が終了した時点で、昨季総合2位トニー・アルボリーノは20位、12位、11位。総合15位と大きく出遅れ、総合3位フェルミン・アルデグエは開幕戦こそ16位だったが、2戦目4位、3戦目に3位を獲得して総合7位まで挽回。

フェルミン・アルデグエは、2月28日から3月1日まで当地で開催されたオフィシャルテストで非公式ながら昨年樹立されたオールタイムラップレコードを0.333秒更新して総合1番手に進出。

そのオフィシャルテストの最終日にレースシミュレーションを実行し、1分40秒台の最速ペースを刻んでいたのはアロン・カネト小椋藍マヌエル・ゴンザレストニー・アルボリーノチェレスティーノ・ヴィエッティらは1分41秒台で周回を重ねていた。

中量級初優勝を挙げた総合1位セルジオ・ガルシアと2戦連続の2位を獲得した総合2位ジョー・ロバーツを筆頭としたタイトル争いで、開幕戦勝者の総合3位アロンソ・ロペス、総合4位アロン・カネト、総合5位小椋藍らがポイント差を詰め、逆転できるかに注目が集まる。

第2戦ポルトガルGP後に腕上がり症状を解消するために両前腕を手術した佐々木歩夢は復帰予定。開催前日にメディカルチェックを受ける。

Moto3™

開幕から3戦連続のトップ2入りを果たしたダニエル・オルガドに対し、前戦で全てのセッションでトップタイムをマークした後、独走優勝を挙げたダビド・アロンソが2ポイント差で追う。

序盤3戦が終了した段階で、2人が総合3位以下を大きく引き離し始めたが、急性虫垂炎で緊急手術を受けたホセ・アントニオ・ルエダと負傷でプレシーズンのプライベートテストとオフィシャルテストをキャンセルしたにも関わらず3戦目で初表彰台を獲得した新人アンヘル・ピケラスに注目。

ホセ・アントニオ・ルエダは2022年、アンヘル・ピケラスは2023年にジュニアGP™世界選手権とレッドブル・ルーキーズ・カップをダブル制覇したチャンピオン。ホセ・アントニオ・ルエダは当地で開催されたオフィシャルテストで非公式ながら昨年樹立されたオールタイムラップレコードを1.712秒更新する総合1番手に進出していた。