チーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルは、第12戦テルエルGPでクラス最多となる2戦連続6度目の表彰台を獲得。残り3戦、75ポイントのタイトル争いにおいて、総合2位とのアドバンテージを6ポイント差から14ポイント差に拡大した。
今季既に8人が優勝を挙げ、ライバルたちから9人目の勝者に指名される23歳のスペイン人ライダーは、タイトル獲得に向けて初優勝を追求。
チャンピオンシップ71年の歴史において、1勝も挙げずにタイトルを獲得したのは、1989年『80ccクラス』のチャンピオン、マヌエル・エレーロスと1999年『125ccクラス』のチャンピオン、エミリオ・アルサモーラ。
エレーロスは、全6戦中2位4回、4位1回、5位1回。最後の『80ccクラス』王者に輝けば、アルサモーラは、全16戦中2位5回、3位5回、4位2回、6位2回。第16戦オーストラリアGPでは優勝争い中に転倒した後15位で完走。第17戦南アフリカGPで唯一の転倒リタイアを喫したが、マルコ・メランドリとのタイトル争いを1ポイント差で競り勝った。
最高峰クラスでは、チャンピオンシップ初年度となった1949年(6戦)のレスリー・グラハム、1952年(全8戦)のウンベルト・マセッティ、2006年(全17戦)のニッキー・ヘイデンが年間2勝でタイトルを獲得。
スズキの歴史では、バーリー・シーンが1976年に5勝、1977年に6勝を挙げてチャンピオンに輝き、マルコ・ルッキネリは1981年に5勝、フランコ・ウンチーニは1982年に5勝、ケビン・シュワンツは、1993年に4勝、ケニー・ロバーツ・ジュニアは2000年に4勝を挙げ、チャンピオンに輝いていた。
今季は11戦が終了して8人が優勝。ファビオ・クアルタラロは3勝、フランコ・モルビデッリは2勝を挙げれば、タイトル獲得者よりもライバルの方が優勝数で上回ったのは、過去に7回。
1950年:ウンベルト・マセッティ2勝/ジェフ・デューク3勝(総合2位)
1984年:エディ・ローソン4勝/フレディ・スペンサー5勝(総合4位)
1989年:エディ・ローソン4勝/ケビン・シュワンツ6勝(総合4位)
1992年:ウェイン・レイニー3勝/ミック・ドゥーハン5勝(総合2位)
2006年:ニッキー・ヘイデン2勝/バレンティーノ・ロッシ5勝(総合2位)
2012年:ホルヘ・ロレンソ6勝/ダニ・ペドロサ7勝(総合2位)
2013年:マルク・マルケス5勝/ホルヘ・ロレンソ7勝(総合2位)
ジョアン・ミルは、2連戦が開催されるサーキット・リカルド・トルモで軽量級の1年目と2年目に連続2位。2年前の中量級は1ラップ目に転倒リタイア。昨年の最高峰クラス1年目は7番グリッドから7位。
最終戦ポルトガルGPの舞台として、チャンピオンシップに初めて指名されたポルティマオ・サーキットでは、『Moto3™ジュニア世界選手権』の参戦で2015年にレース体験があり、ポールポジションから2位のアロン・カネト、3位のニコロ・ブレガに10秒差のアドバンテージを広げて優勝を挙げていた。
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