レプソル・ホンダ・チームは10日、前王者マルク・マルケスがシーズン3戦目のポルトガルGPで復帰することを発表。開催前日のメディカルチェックで『FIT(フィット)』と診断されれば、週末最初のセッションとなるフリー走行1で、昨年7月の第3戦アンダルシアGPの公式予選1以来、265日ぶりにホンダのプロトタイプマシン『RC213V』を駆けることになる。
4年連続6度目、キャリア通算8度目のチャンピオンとして、シーズンの緒戦となった第2戦スペインGPに挑むと、決勝レースで3番手を走行していた22ラップ目の3コーナーでハイサイドからシーズン2度目の転倒。グラベルで横転中にフロントタイヤが右上腕に激突したことから右上腕骨を骨折。
2008年2月20日、ヘレス・サーキットで開催されたオフィシャルテストで3コーナーで転倒した。右前腕の尺骨と橈骨したことから開幕戦カタールGPと第2戦スペインGPの欠場を強いられ、第3戦ポルトガルGPがデビュー戦となっていた。
転倒から2日後の7月21日、サーキットからバルセロナ市内の大学病院に移動し、チタン製のプレートと12本のボルトで骨折箇所を固定する手術を受けると、4日後に第3戦アンダルシアGPの参戦を目指してヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトに戻り、メディカルチェックで出走許可を得て6日後の2日目、フリー走行3から走行を開始したが、公式予選1の1ラップ目にパワーダウンが原因で走行をキャンセルし、チーム、医師団と相談して欠場を決断。
手術から13日後の8月3日、自宅で窓を開けようとした際に右上腕にストレスがかかり、プレートが折れたことから、バルセロナ市内の大学病院で新しいプレートに交換する手術を受け、体外衝撃波治療を中心としたリハビリ治療に専念。最終戦ポルトガルGPまで欠場。
転倒から137日後の12月3日、治癒が遅く、骨癒合プロセスが停止していたことからスペインの首都マドリード市内の病院で3度目となる手術、偽関節の手術を受け、プレートの除去と皮質骨膜遊離皮弁(ひしつこつまくゆうりひべん)を備えた腸骨稜骨移植片(ちょうこつりょうこついしょくへん)を追加した新しいプレートを配置。
手術から2日後、手術後の臨床状況が良好ながら、手術中に採取した培養物から感染症を確認。特定の抗生物質による治療を開始。
10日後の12月13日に退院の許可が下り、自宅で抗生物質治療を継続。42日後の1月14日に精密検査を受けると、満足のいく臨床的および放射線学的進化を確認。
抗生物質治療と臨床状況に適合した機能回復プログラムを継続中の2月12日に2度目の精密検査を受けたところ、骨の強化が進み、好ましい臨床状況を確認したことから、右腕の機能回復に向けて漸進的なリハビリを開始。
3月8日、チームが公開した動画で「医師から許可が下れば、『MotoGP™バイク』に乗る前に腕の状態を確認するためにバイクを走らせたい。一刻も早く戻るつもりだけど、強さと能力が十分だと感じたときに限る。最初の計画は小さなサーキットで小さなバイクに乗ること。そこで良い感じがあれば、次に大きなサーキットでのトレーニングに戻るために『CBR 1000』のような大きいバイクに乗って、時速300㎞/hを感じ、少しずつライフスタイルを戻すつもり」と説明。
3月11日、3度目の精密検査を受け、右上腕骨の骨硬化が臨床的及び放射線学的に満足のいく進行を確認。医師団から競争力の高いレースに向けて徐々に戻ることを視野に、体力と機動性の回復プログラムを強化できると診断を受ける。
転倒から236日後、3度目の手術から99日後の3月12日、自宅のスペイン・セルベラから約50km離れたミニサーキット、アルカラス・サーキットでミニバイクを試乗。「昨日、前回の検診で医師から許可を得た後、8ヶ月ぶりにミニバイクだけど、ようやく、このフィーリングを感じた」とメッセージを配信。13日には自宅近郊でマウンテンバイクを利用したトレーニングを再開。
週末を利用して、カタール政府から提供された新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるためにカタールの首都ドーハに移動。3月15日、バルセロナ・エル・プラット国際空港に到着した際には「緒戦の参戦を除外しないけど、参戦の保証もしない。回復は常に浮き沈みがあるから」と発言。
3月16日、第7戦カタルーニャGPの開催地、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットにプロトタイプマシン『RC213V』の一般公道仕様『RC213V-S』を持ち込み、カタールで開催されたオフィシャルテストから戻って来たクルーたちのサポートを受けて走行。3月19日、第3戦ポルトガルGPの開催地、ポルティマオ・サーキットことアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェを訪れ、『RC213V-S』で再度走行。
3月22日、4度目の精密検査を受け、開幕戦カタールGPと第2戦ドーハGPに欠場することを発表。
4月10日、5度目の精密検査を受け、医師団から大変満足いく臨床的進展が確認され、骨の硬化プロセスに明らかな進展が見れれたことを確認。スポーツ活動に存在する合理的なリスクを想定して、レースに復帰することができると診断されたことから翌週末の第3戦ポルトガルGPに復帰することを発表。
4月16日、第2戦スペインGP決勝レースの転倒から271日後、最初の手術から269日後、第3戦アンダルシアGP公式予選1から265日後、3度目の手術から134日後となる第3戦ポルトガルGPフリー走行1からプレシーズンのテストとして位置づけ、右上腕の状態を確認しながら走行を開始する。
第2戦スペインGP『MotoGP™クラス』-クラッシュ
第3戦アンダルシアGP~未公開フッテージ
マルク・マルケスがバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで走行
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