『MotoGP™クラス』プレビュー~インドネシアの歴史を刻むのは誰か?

開催の準備が進む新設サーキットに24人のプレミアクラスライダーたちが歴史を刻む

開催74年目のスタートを切ったチャンピオンシップの2戦目、第2戦インドネシアGPは今週末、観光地で有名なバリ島の東隣に位置するロンボク島に建設された新設サーキット、プルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで3月18日に初日、19日に公式予選、20日に決勝レースを開催。

オフィシャルテスト
開幕戦で3位表彰台を獲得したポル・エスパルガロは、9年目のプレミアクラスで初めての1番時計を記録。ファビオ・クアルタラロ、ルカ・マリーニ、アレイシ・エスパルガロ、フランコ・モルビデリがトップ5に進出。

オフィシャルテスト
開幕戦で3位表彰台を獲得したポル・エスパルガロは、9年目のプレミアクラスで初めての1番時計を記録。ファビオ・クアルタラロ、ルカ・マリーニ、アレイシ・エスパルガロ、フランコ・モルビデリがトップ5に進出。

3日目には、18人がレースシミュレーション、またはロングランを実行。ルカ・マリーニとマルコ・ベツェッキは連続25ラップ、中上貴晶は連続21ラップ、マーベリック・ビニャーレスとミゲール・オリベイラは連続20ラップを周回し、データを収集。

中上貴晶、ファビオ・クアルタラロ、アレックス・マルケス、エネア・バスティアニーニ、アレックス・リンス、マルク・マルケスは1分32秒台のペースを刻んでいた。

再舗装工事
サーキットの所有者であるインドネシア観光開発公社は、セーフティコミッションの意見を参考にトラックホモロゲーションを監督する国際モーターサイクリズム連盟と協議しながら、オフィシャルテスト終了直後から、17コーナー手前から5コーナー後までの路面を再舗装。開催前に視察が予定されている。

開幕戦で明暗が分かれたドゥカティ勢
成熟された21年型を駆けるエネア・バスティアニーニは、プレミアムクラス19戦目で初優勝を挙げ、新人マルコ・ベツェッキは転倒する前まで新人勢の最高位となる13番手を走行。

一方で、22型の最高位は8位のヨハン・ザルコ。レースシミュレーションとなるフリー走行4では1番手に進出したが、公式予選2に進めず、5列目13番グリッドからのスタートが影響すれば、ジャック・ミラーは電子制御の問題でリタイア。フランチェスコ・バグナイアは転倒。バグナイア機に激突したポールポジションのホルヘ・マルティンは、スペイン・バルセロナ市内の大学病院で右手の精密検査を受け、骨折がないことを確認。

オフィシャルテストから緒戦の初日までテスト作業に専従していたバグナイアとミラーは、収集したデータを参考にフリー走行1から決勝レースに向けた準備に集中する。

再起の兆しを見せたホンダ勢
ラジカル的な変化を遂げたホンダの2022年型。レースをリードしたポル・エスパルガロは3位表彰台、1列目からスタートしたマルク・マルケスは5位、16番グリッドの中上貴晶は10位まで挽回。エスパルガロ弟、中上、アレックス・マルケスは、当地で開催されたオフィシャルテスト最終日にロングランを実行すれば、マルケス兄は初開催のサーキットで強さを誇示。上位進出に期待が高まる。

リアクションが求められるヤマハ勢
オープニングレースでは表彰台争いに加われなかったが、ヤマハファクトリーの両雄、ファビオ・クアルタラロとフランコ・モルビデリにとって、オフィシャルテストを実施した当地で22年型の戦闘力を確認する絶好の機会。実戦での開発に期待がかかるアンドレア・ドビツィオーソは、ヤマハ機への順応にある程度の時間を必要とするが、オフィシャルテストを実施したトラックに戻ることは、適応プロセスを短縮させることに役立つかもしれない。

仕切り直しを図るスズキ
開幕戦のフリー走行で、安定して上位に進出。トップスピードにおいては、ドゥカティ勢を抑えて1番手に進出したが、予選と決勝レースでは期待通りの結果を残せずに6位と7位。今年型が昨年型よりも戦闘力があること証明したジョアン・ミルとアレックス・リンスは、インドネシアで優勝、表彰台を狙いに行く。

ベストスタートを切ったKTM
過去、開幕戦での最高位は2019年の12位。カタールでの最高位は昨年2戦目の8位だったが、ブラッド・ビンダーは7番グリッドからプレミアクラスでのベストスタートを切り、3番手に位置すると、昨年の『MotoGP™ FANTASY(MotoGP™ファンタジー)』で総合3番手に進出し、ファンからサンデーライダーと称されたパフォーマンスを再現するように、最後までペースを落とさずに2位を獲得。今週末は、フロントを失って転倒リタイアを喫したミゲール・オリベイラと共に予選を改善し、再び上位進出を狙う。

次に初優勝を挙げるのは?
開幕戦ではバスティアニーニがプレミアクラスで初優勝。5人の新人を除く19人のレギュラーライダーの中で優勝を挙げていないのは、アレイシ・エスパルガロ(198戦)、ポル・エスパルガロ(136戦)、ヨハン・ザルコ(85戦)、中上貴晶(67戦)、アレックス・マルケス(33戦)、ルカ・マリーニ(19戦)の6人。

キャリア282戦でまだ1度も勝利経験がないエスパルガロ兄が初優勝を挙げれば、同時にアプリリアのプレミアクラス初優勝となり、もしマーベリック・ビニャーレスが優勝を挙げれば、史上初となる3メーカーでの優勝となる。

初開催地で優勝経験があるのは?
過去、初開催のサーキットで素早い適応力を誇示し、圧倒的な強さを見せたのは、マルク・マルケス。2013年のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(左回り)、2014年のテルマス・デ・リオ・オンド(右回り)、2018年のチャーン・インターナショナル・サーキット(右回り)で優勝。優勝を逃したのは、欠場した2020年のアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ(右回り)。2010年のモーターランド・アラゴンではポールポジションを獲得したが、スタート直後の1コーナーで転倒していた。

その2010年に優勝を挙げたのは、ポル・エスパルガロ(125ccクラス)。2013年のサーキット・オブ・ジ・アメリカズではアレックス・リンス(Moto3™クラス)、2018年のチャーン・インターナショナル・サーキットではフランチェスコ・バグナイア(Moto2™クラス)とファビオ・ディ・ジャンアントニオ(Moto3™クラス)、2020年のアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェでは、KTM勢のミゲール・オリベイラ(MotoGP™クラス)、レミー・ガードナー(Moto2™クラス)、ラウール・フェルナンデェス(Moto3™クラス)が優勝を挙げた。

天候
週末は3日間とも昼過ぎから降水確率が高く、最高気温は32度、最低気温は22度。昨年11月にスーパーバイク世界選手権が開催された際には、激しいスコールが原因で土曜に予定されていた決勝レース1が翌日に開催され、日曜に予定されていたスーパーポールはキャンセルされていた。

ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから決勝レース後のプレスカンファレンスまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、見逃し配信のオンデマンドを提供。

第2戦インドネシアGPタイムスケジュール
3月17日(木)
17時00分(18時00分):プレスカンファレンス
3月18日(金)
10時50分(11時50分):フリー走行1(45分間)
15時05分(16時05分):フリー走行2(45分間)
3月19日(土)
10時50分(11時50分):フリー走行3(45分間)
14時25分(15時25分):フリー走行4(30分間)
15時05分(16時05分):公式予選1(15分間)
15時30分(16時30分):公式予選2(15分間)
17時00分(18時00分):プレスカンファレンス
3月20日(日)
10時40分(11時40分):ウォームアップ走行(20分間)
15時00分(16時00分):決勝レース(27ラップ)
16時10分(17時10分):アフター・ザ・フラッグ
16時45分(17時45分):プレスカンファレンス

 

最先端の多視点観戦、マルチスクリーンを提供する『VideoPass(ビデオパス)』では、第2戦インドネシアGPの3クラス全セッションを完全網羅の生中継で配信