KTM、最高峰クラス挑戦への準備

昨年10月にシェイクダウンを成功させたレッドブル・リンクで、合同テストに初参加。来年のデビューシーズンに向けて開発が順調に進んでいることを証明。

オーストリアのファクトリー、KTMは、19日と20日、19年振りにチャンピオンシップの開催日程に復帰した第10戦オーストリアGPの開催地、レッドブル・リンクで実施された最高峰クラスの合同テストに参加。最高峰クラス初参戦のプロジェクトを開始してから、初めて複数のチームとトラックを共有し、現時点における開発状況を確認した。

モトクロス世界選手権で好成績を収めてきたKTMが初めて参戦を開始したのは、2003年の125ccクラス。参戦30戦目、2004年10月の第14戦マレーシアGPでケーシー・ストーナーが初優勝をもたらすと、2015年7月の第9戦ドイツGPまでに、軽量級で通算58勝を挙げ、2005年、2012年、2013年、2014年にはコンストラクター部門のタイトル獲得に成功すれば、中量級では、デビュー戦となった2005年7月の第9戦イギリスGPでアンソニー・ウエストが2位を獲得。活動を停止する2008年末までに青山博一が4勝、ミカ・カリオが5勝を挙げた。

最高峰クラスにおいては、2005年にレジェンドライダー、ケニー・ロバーツが率いるチーム・ロバーツとコラボを結成し、プロトンの2005年型モデルに積載する4ストロークV型4気筒の990ccエンジンを1年間供給。

2014年9月、モータースポーツディレクター、ピット・バイラーは、ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催された第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで、当サイトのインタビューに応え、2017年から最高峰クラスに参戦するプロジェクトを説明すると、2015年10月下旬から6月下旬までに合計9回のプライベートテストを実行。

2015年10月29日、2014年までアプリリアの開発を担当したテストライダーのアレックス・ホフマンがプロトタイプマシン、RC16をホームトラック、レッドブル・リンクでシェイクダウン。3日間のテストを成功させた後、11月下旬、10月にテストライダーとして契約を結んだミカ・カリオが合流。バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで本格的なプライベートテストを開始。

2月中旬、ホフマンとカリオがヘレス・サーキットで今年最初のテストを実施。3月中旬と4月下旬には、スズキのテストライダーを担当した経験があるランディ・ド・プニエを招集。バレンシアとブルノ・サーキットを実施すれば、5月上旬と6月上旬には、最高峰クラスに5年間参戦したカレル・アブラハムが合流。ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリとブルノ・サーキットでテストを実施した。

7月下旬の合同テストを視野に入れ、6月中旬にド・プニエを再招集して、ヘレス・サーキットでテストを実施。開発スピードをさらに高めるため、中量級で最多参戦の実績を誇るトーマス・ルティを招集。第8戦TTアッセン後に、ムジェロ・サーキットでプライベートテストを実施し、今回の合同テストでは、カリオ、ルティ、ホフマンの3人体制で参加。トラック上で他車と比較する絶好の機会となった。

Tom Luthi KTM RC16 Pit Lane Mugello 2016

KTMは、8月の第10戦オーストリアGPでRC16を公開。ワイルドカードを予定する11月の最終戦バレンシアGPに向けて、複数のプライベートテストが計画されている。