MotoGP™クラスプレビュー

総合1位のマルケスに最多3勝を誇るロッシとロレンソ、プライベートテストで準備を整えたイアンノーネとドビツィオーソ、初優勝の勢いに乗るビニャーレスとクラッチローらが挑戦。

第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPは、ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで9日に開幕、11日に決勝レース(日本時間21時00分)が行われ、第7戦カタルーニャGPからポイントリーダーの座を維持するマルク・マルケスが、地元イタリア勢たちを中心としてライバルたちの挑戦を受ける。

1972年に多くのイタリア人ライダーを輩出するアドリア海沿岸のミサノ・アドリアーティコに建設されたサンタモニカ・インターナショナル・サーキットは、1980年から1993年まで、イタリアGP、ネイションズGP、サンマリノGPを計10回開催。2006年に安全面の向上を目指したトラックの改修工事をはじめ、設備、スタンドの大規模な工事を実施し、周回方向を反時計回りから時計周りに変更。同時に名称をミサノ・ワールド・サーキットに改名。

2007年、ウェイン・レイニーが転倒した1993年以来14年振りに開催日程に復帰すると、2011年9月1日には、サンマリノ政府観光スポーツ省とドルナスポーツとの間で、2012年から5年間、ミサノ・ワールド・サーキットでの開催に関して合意し、2016年までの開催が決定。2012年には、地元リミニ出身のレジェンドライダー、マルコ・シモンチェリの功績を称えて、名称をミサノ・ワールド・サーキット‐マルコ・シモンチェリに改名。9年連続19回目の開催となった昨年は、初めて観戦券が完売となり、3日間で15万人を超える観衆を記録した。

前戦イギリスGPで4位に進出したマルケスは、125ccクラスのタイトル獲得に成功した2010年から3連勝を挙げた後、最高峰クラス1年目の2013年は2位、2014年は2番手走行中に転倒して15位、昨年は絶妙なタイミングで2度目のバイク交換を決断したことが功を奏して独走優勝。2年振りに総合1位で乗り込む今年は、今季4勝目、10度目の表彰台獲得でアドバンテージ拡大を目指す。

地元の英雄、総合2位のバレンティーノ・ロッシは、2戦連続6度目の表彰台を獲得した勢いに乗って、昨年こそトップを走行中に実行したバイク交換のタイミングが遅れて5位に後退したが、2008年、2009年、2014年に優勝。ファンのサポートを受け、50ポイント差を詰めに行く。

第6戦イタリアGPで逆転優勝した後、第10戦オーストリアGPの3位表彰台を除き、厳しいレースが続いて、総合3位に後退したホルヘ・ロレンソは、昨年2度目のバイク交換直後に転倒を喫したが、当地が復帰した2007年に優勝(250ccクラス)、最高峰クラス1年目の2008年から2011年、2012年、2013年の優勝を含めて7年連続して表彰台を獲得。得意とするトラックで、厳しい流れを断ち切り、総合1位との64ポイント差、総合2位との14ポイント差を詰めたいところ。

最高峰クラス30戦目で初優勝を挙げたマーベリック・ビニャーレスは、総合4位に浮上。昨年14位だった当地で上位進出を目指し、21ポイント差に迫った総合3位に挑戦。

総合5位に後退したダニ・ペドロサだったが、「最もまともなレース」で掴んだポジティブな流れに乗って、2010年の優勝を含む5度の表彰台を獲得した右回りトラックで、5ポイント差の総合4位に挑戦。

総合6位のアンドレア・イアンノーネと総合7位のアンドレア・ドビツィオーソは、前戦で右前腕の痛みが発生したが、今週末は先月23日にプライベートテストを実施して、非公式ながらサーキットレコードラップを更新したホームトラックで、ワイルドカードとして参戦するテストライダー、ミケーレ・ピロのサポートを受け、ドゥカティに2007年以来9年振りとなる優勝を目指す。

インディペンデントチームライダー勢では、連続表彰台獲得でカテゴリーのトップとなる総合8位に浮上したカル・クラッチローを筆頭に、地元出身のダニロ・ペトルッチ、当地で2日間のプライベートテストを実施したアルバロ・バウティスタとステファン・ブラドルに注目。

昨年タイヤ交換をせずに、最高峰クラスでの最高位となる2位を獲得した総合16位のブラドリー・スミスは欠場。負傷代役には、前戦に引き続き、アレックス・ロースが起用される。

当サイトは、マルケス、ロッシ、ロレンソ、ビニャーレス、ドビツィオーソ、クラッチローが出席する8日のプレスカンファレンスを日本時間の24時05分から生中継で配信する。