アプリリアがコンセッションの対象外になるには?

21年イギリスで1ポイント、22年アルゼンチンで3ポイント獲得。あと2ポイントを加算すれば優遇措置が剥奪され、他メーカーと同等条件

アプリリアは、2015年に復帰してから126戦目となった第3戦アルゼンチンGPで2017年から起用するアレイシ・エスパルガロが初優勝を挙げたことから、コンセッションにおいて、3コンセッションポイントを獲得。合計4コンセッションポイントに到達した。

共通の電子制御(ソフトウェア)搭載やタイヤサプライヤーの変更など、大幅な変化が訪れた2016年に導入された新たな競技規則及び技術規則の『CONCESSION(コンセッション)』により、資格を有するメーカーには幾つかの優遇措置が与えられる。

対象となるのは、2013年以降新たに参入し、2013年シーズン以降にドライコンディションで勝利を挙げていないメーカー。

資格を有するメーカーは、シーズンにつきライダーあたりエンジン9基の使用が認められ、エンジンホモロゲーション規定から例外となり、チームは、いつどのサーキットにおいても、テスト用のタイヤ供給内で、契約ライダー及びテストライダーがテストを実施することが可能。さらに、6度のワイルドカードが許可され、実戦における開発の機会が与えられる。

対象外のメーカーは、エンジン基数が年間7基に制限され、シーズンの緒戦にエンジンが封印されることから、シーズン中に開発した新しいエンジン、仕様が異なるエンジンを投入することは不可能。

プライベートテストは、レギュラーライダーを招集できず、シーズン前に指定した3つのサーキットでのみ実施することが可能。ワイルドカードは3回。

コンセッションの授与と剥奪は、ドライならびウェットコンディションのレースにおける、メーカーのコンセッションポイントの獲得数に基づく。当該メーカーのバイクを使用する全ライダーが対象となり、2015年シーズンの緒戦から累積されていく。

コンセッションポイント
優勝:3コンセッションポイント 2位:2コンセッションポイント
3位:1コンセッションポイント

2010年の第16戦オーストラリアGP以降優勝から遠ざかっていたドゥカティは、2015年に序盤3戦で7コンセッションポイントを獲得。ホンダ、ヤマハに続き、対象外となった。

2015年に復帰したスズキは、アレイシ・エスパルガロ&マーベリック・ビニャーレスの体制2年目となった2016年に第5戦フランスGP3位、第12戦イギリスGP優勝、第15戦日本GP3位、第16戦オーストラリアGP3位を獲得。総合4位に進出したビニャーレスが6コンセッションポイントを稼いだことから優遇措置が剥奪された。

2017年から参戦するKTMは、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けた参戦4年目の2020年に第4戦チェコGPと第6戦スティリアGPでブラッド・ビンダーとミゲール・オリベイラが優勝を挙げ、残り9戦を待たずに対象外となった。

6コンセッションポイントに到達すると、無制限日数のテストをする権利は即座の無効となり、エンジン9基の使用とエンジンホモロゲーションの例外措置は翌シーズンから無効。

2015年に復帰したアプリリアは、昨年8月の第12戦イギリスGPで2000年7月の第9戦イギリスGP以来20年ぶりに3位を獲得していたことから、累積で4コンセッションポイントとなり、あと2コンセッションポイントを獲得すれば、優遇措置が剥奪され、ホンダ、ヤマハ、ドゥカティ、スズキ、KTMと同じ条件で参戦することになる。

今週末に開催される第4戦アメリカズGPの舞台、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでの最高位は2018年の10位。初優勝を挙げたアレイシ・エスパルガロと加入後のベストリザルトとなる7位に進出したマーベリック・ビニャーレスの走りに注目が集まる。

Aprilia Racing, Gran Premio Michelin® de la República Argentina

 

最先端の多視点観戦、マルチスクリーンを提供する『VideoPass(ビデオパス)』では、時差で生中継を見逃しても、オンデマンドを利用すれば、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能。週末の第4戦アメリカズを完全網羅の生中継配信!
オフィシャルニュースレター
定期的にメールで配信される動画を含めたコンテンツの受信を希望する場合、オフィシャルウェブにユーザー登録