ジョナス・フォルガー。昨年10月の第15戦日本GP直前に体調不良が原因で帰国。精密検査を重ねた結果、ジルベール症候群(遺伝性の肝疾患で疲労感、集中力不足、食欲不振などの症状)に罹患(りかん)していたことが判明し、最高峰クラス2年目となる今季の参戦を辞退していたが、昨年9月の第14戦アラゴンGP以来、9か月ぶりにサーキットを訪問。
カレックス・エンジニアリングの招待を受け、6月20日から2日間、モーターランド・アラゴンで開催された中量級のテストに初参加。7月4日から2日間、ブルノ・サーキットで実施されたテストにも参加して、開発作業に協力した。
「アラゴンとブルノでテストをすることができた。カレックスのスタッフたちと一緒にトライアンフを試した。シャーシと電子制御の変更を確認し、発進したばかりのプロジェクトだけど、大きな前進を果たしていると言える。ホンダのエンジンを搭載したアレックス・マルケスと一緒に走ることができ、走行ラインは大きく異なることも確認した。トライアンフは、パワーがあり、電子制御を調整できることから、コーナーの進入、コーナリングスピード、コーナーの立ち上がりがMotoGPマシンに近い。これはMoto2クラスからMotoGPクラスに昇格する上で、これまでとはギャップが少なくなるだろう。」
今週末はザクセンリンクで第9戦ドイツGPが開催。昨年は最高峰クラスで自己最高位となる2位を獲得していた。
「表彰台獲得がとても嬉しかった。まるで優勝のようだった。それまでは、いつもホームレースで苦戦していたけど、ザクセンリンクで初めて表彰台を獲得。キャリアのベストレース。最高の瞬間だった。」
「週末は沢山の問題に見舞われ、多くのことができなかったけど、それが幸いしたかもしれない。考える時間がなく、オープンマインドで突っ走った。信じられないレースとなり、マルクとバトルをしていることが信じられなかった。あのポジションで一度もマルク、ダニと走ったことがなかったし、ホルヘを抜いたことがなかったから、不思議な感じだったけど、本当にナイスだった。」
「ヨハンが僕のデータを利用する?是非、使ってほしい。僕は彼のレースを見て、応援している。当時はフロントに信頼感があったから、11コーナーで大きく稼ぐことができた。彼は大変速いライダーだから、信頼感を取り戻せば、表彰台を獲得できるはずだ。」
注目される将来に関しては、「まだ2度のテストを実施しただけ。走り込みが必要だけど、レースに復帰すると言うのは、まだ早すぎる。レースに参加するか、テストライダーになるのか、まだ分からないけど、バイクに乗り続けることは確かだ。今はシーズンに参戦するだけの強さが戻って来たという実感がある」と、復帰の可能性を示唆した。