国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は16日、当連盟、モーターサイクルスポーツ製造者協会(MSMA)、国際ロードレーシングチーム連盟(IRTA)、ドルナスポーツの代表者たちによるグランプリコミッションで、2020年と2021年の技術規則に関して協議を行い、次のように変更を施行することを発表した。
新型コロナウイルスの感染拡大によるパンデミックにより、我々のスポーツに対する影響を緩和させるため、『MotoGP™』は対策を講じるために懸命な作業を継続。
先日、参戦メーカーと運営組織の代表者たちの間で電子会議が実施され、開催日程の改訂から2020年及び2021年シーズンの技術規則の変更案まで、複数の議題に対して意見を共有し議論を交わした。
3クラスに参戦する全てのチーム及び多くのメーカーは反対票を投じず、承認された後、技術規則の変更に関する提案がグランプリコミッションに提出され、承認された。
これらの変更は、スポーツのエンターテイメントとしての価値と競争の整合性を維持する目的で、公平性と平等性を維持しながら、新型コロナウイルスの危機に起因するグローバルなコストを削減するように図られている。
・ 『MotoGP™クラス』のエンジン及びエアロボディの仕様を2021年シーズンの最初のイベントまで凍結。その後、現行のアップグレード規制が2021年シーズンの残りの機会に適用される。
・ 『Moto2™クラス』と『Moto3™クラス』のバイクの仕様は、2020年及び2021年の期間、凍結される。
国際モーターサイクリズム連盟、国際ロードレーシングチーム連盟、ドルナスポーツはチャンピオンシップへの継続的な支援をする全ての参戦メーカーに感謝する。
技術規則
『MotoGP™クラス』
現状、譲渡の資格がない全てのメーカーは、シーズンを通じて使用するエンジン仕様の承認を受ける必要があり、メーカーはインディペンデントチームのライダーたち向けに異なる仕様を承認することが許可される。
これまでは、譲渡の資格があるメーカーに対しては、この制限がなく、年内に仕様を変更することが可能。さらに、全てのメーカーは、ライダー毎にシーズン毎に、2タイプのエアロボディデザインが許可され、カタールで1つ目のアップグレードと共にシーズンを始める。
グランプリコミッションは、次の変更を承認し即時施行する。
2020年シーズン:
2020年シーズン中は、承認されたパーツのアップグレードはありません。これは譲渡、非譲渡に関わらず、全てのメーカーに適用される。
2021年シーズン:
譲渡及び非譲渡のメーカーは、2020年3月に承認されたパーツを使用して、2021年シーズンを開始しなければいけない。その後、通常のアップグレード規則は、2021年の残りの期間に適用される。これは現行の規則に従い、非譲渡メーカーのエンジン進化はなく、全メーカーのライダー毎にエアロボディアップデート1回を意味する。
2021年の最初のイベントでは、ライダーはメーカーが2020年に承認を受けたエンジン、またはエアロボディの仕様を選択することができます。
『Moto2™クラス』
主催者は、全てのライダーに対して、同じトライアンフ765ccエンジンを供給する。 これまで、技術部品の割り当てに関する唯一の制限は、メーカー毎にエアロボディのアップグレードが1回だけ許可されていた。
グランプリコミッションは、次の変更を承認し即時施行する。
エアロボディ:
2020年のカタールGPでシャーシメーカーによって承認された現行の2020年型エアロボディは、2021年シーズンの終了まで凍結する。アップグレードは許可されない。
フレームとスイングアーム:
各シャーシメーカーは、承認を得るために現行または以前に使用したフレーム及びスイングアームを提出することができる。これらのデザインは、2021年まで締結され、他の仕様は許可されない。
各チームは、シャーシメーカーの承認リストからライダー毎に最大で2タイプのフレートとスイングアームを宣言する必要がある。交代または後任ライダーは、交代前のライダーが宣言したパーツのみ使用しなければいけない。
『Moto3™クラス』
現行では、メーカーは、全てのライダーに同じフルバイクを供給しなければいけない。これまで、ライダーはシーズン毎に2タイプのギア比を選択することが許可された。
グランプリコミッションは、次の変更を承認し即時施行する。
2020年のカタールGPで各メーカーが宣言したバイクの仕様は、2020年と2021年のシーズンに向けて凍結される。これは、リストアップされるパフォーマンスパーツ、シャーシ、スイングアーム、エンジン、エアロボディ、ギアボックス、スロットルボディは、アップグレードが許可されないことを意味する。
グランプリコミッションは、2020年と2021年の可能性がある改訂された開催日程に関して、ライダーが使用できるエンジン基数を承認。改定される技術規則で公開される。
#FIM Grand Prix Commission approves #MotoGP Technical Regulation changes for 2020 and 2021.
— FIM (@FIM_live) April 16, 2020
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『Moto2™クラス』と『Moto3™クラス』のライドハイトデバイス禁止
レースのスタート時にライダーを助けるライドハイトデバイスは、『MotoGP™クラス』の現行規則で許可されている。ただし、このデバイスの開発費が高額となることから、このテクノロジーは、費用対効果の高い『Moto2™クラス』と『Moto3™クラス』の精神に適合しないことから、即時に禁止される。
走行中にバイクの車高を修正または調整するデバイスの使用は禁止される。