第15戦アメリカズGPは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで10月1日に初日、3日に決勝レースを開催。残り4戦100ポイントのタイトル争いで、48ポイント差のアドバンテージを持つポイントリーダーのファビオ・クアルタラロがプレミアクラス1年目だった2年前の2019年に9番グリッドから26秒差の7位だった当地で次戦エミリア・ロマーニャ&リビエラ・ディ・リミニGPでのタイトル獲得を視野にアドバンテージの拡大を目指す。
ペッコ・バグナイア&ドゥカティの挑戦
第13戦アラゴンGPと第14戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで2戦連続のポール・トゥ・ウインを達成した総合2位のフランチェスコ・バグナイアは、ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催された2日間のオフィシャルテストで総合1番手に進出。中量級のタイトルを獲得した3年前に優勝、プレミアクラス1年目の2年前に30秒差の9位だった当地に向けて万全の準備を整えた。
オフィシャルテスト2日目をキャンセルして、腕上がり症状を解決するために右前腕を手術した総合4位のヨハン・ザルコは、初日に回復具合を確認。3戦連続してトップ5を維持した総合5位のジャック・ミラーは、2年前に3位表彰台を獲得したトラックで第7戦カタルーニャGP以来8戦ぶりの表彰台、第5戦フランスGP以来10戦ぶりの優勝を狙う。
参戦1年目に優勝を挙げた総合11位のホルヘ・マルティンと地元で表彰台を獲得した総合15位のエネア・バスティアニーニは新人王争いを展開すれば、デビュー戦から全戦で完走する総合20位のルカ・マリーニはオフィシャルテストで、一歩前進を果たす総合8番手に進出。3人の新人に注目が集まる。
絶対的な強さを誇るマルク・マルケスの挑戦
左回りの第8戦ドイツGPと第13戦アラゴンGPで優勝と2位を獲得した後、右周りトラックでの今季最高位4位に進出した総合9位のマルク・マルケスは、右コーナー9、左コーナー11のサーキット・オブ・ジ・アメリカズで、2019年こそトップ走行中に転倒リタイアを喫したが、初開催の2013年から2018年まで6年連続優勝。フィジカル的に要求が厳しいトラックでどこまで攻められるか注目が集まる。
総合12位の中上貴晶は、オフィシャルテストを通じて現行型を徹底的に見直して総合5番手に進出。終盤4戦に向けて確かな手応えを掴めば、総合14位のポル・エスパルガロと総合16位のアレックス・マルケスはHRCのテストプログラムに従って、ニューマシンの検証や仕様違いのシャーシを比較して総合3番手と15番手に進出していた。
今季初優勝を狙うスズキの両雄
史上最多に並ぶ年間9人目の優勝者に期待が高まる総合3位のジョアン・ミルと総合13位のアレックス・リンスは、2日間のオフィシャルテストを利用して2022年型エンジン、ニューシャーシ、ライドハイトディバイスを中心としたテストプログラムに取り組み、次戦に向けた準備にも着手。特にリンスは軽量級2年目の2013年、中量級2年目の2016年、最高峰クラス3年目の2019年に優勝を挙げた当地で昨年10月の第11戦アラゴンGP以来となる今季初優勝を目指す。
KTM、過去の最高位は2年前の8位
オースティンでは、参戦を開始した2017年から1分22秒差の16位、37秒差の13位、29秒差の8位が最高位。後半戦に入ってから5戦連続の1桁台だった総合6位のブラッド・ビンダーは『RC16』での初走行となり、後半戦で2ポイントしか稼げなかった総合10位のミゲール・オリベイラは、オフィシャルテストをきっかけに、上昇気流を掴みたいところ。
モルビデリ&ドビツィオーソが一歩前進を目指す
負傷からの復帰戦でファクトリーチームからデビューしたフランコ・モルビデリは、オフィシャルテストを利用して『Aスペック』から『ファクトリースペック』への本格的な乗り換え作業に専念。サバティカルからの復帰戦を果たしたアンドレア・ドビツィオーソは、ヤマハ機の理解度を高める機会となり、最後尾から脱出して総合20番手まで浮上。2人が前戦からの前進を図る。
残り4戦となったバレンティーノ・ロッシは、予定を変更して2日間のテストを実施。2年前に2位、3度目の表彰台を獲得したトラックで第11戦オーストリアGP以来今季2度目のシングルフィニッシュを狙う。
アプリリア、目指すは初の1桁台
従弟デアン・ベルタ・ビニャーレスがレースアクシデントが原因で事故死したことから、マーベリック・ビニャーレスにとっては辛い週末を迎えるが、オフィシャルテストでは149ラップを周回。残り4戦に向けて、アプリリア機の理解度を深める2日間となれば、総合7位のアレイシ・エスパルガロは総合2番手に進出。当地でのベストリザルト10位越えを目指す。
シーズン15戦目の『MotoGP™クラス』決勝レースは、10月3日現地時間14時00分、日本時間04時00分スタート。『motogp.com』ではフリー走行1から全セッションの生中継とオンデマンドで配信。
タイムスケジュール
9月30日(木)
12時00分(02時00分):プレスカンファレンス
10月1日(金)
09時55分(23時55分): フリー走行1(45分間)
14時10分(04時10分): フリー走行2(45分間)
10月2日(土)
09時55分(23時55分): フリー走行3(45分間)
13時30分(03時30分): フリー走行4(30分間)
14時10分(04時10分): 公式予選1(15分間)
14時35分(04時35分): 公式予選2(15分間)
17時00分(07時00分):公式予選プレスカンファレンス
10月3日(日)
09時40分(23時40分): ウォームアップ走行(20分間)
14時00分(04時00分): 決勝レース(20ラップ)
過去の決勝レースリザルト
2019年-ドライコンディション
優勝:アレックス・リンス(スズキ)
2位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+0.462秒差
3位:ジャック・ミラー(ドゥカティ)+8.454秒差
2018年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)+3.560秒差
3位:アンドレア・イアンノーネ(スズキ)+6.704秒差
2017年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+3.069秒差
3位:ダニ・ペドロサ(ホンダ)+5.112秒差
2016年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)+6.107秒差
3位:アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)+10.947秒差
2015年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+2.354秒差
3位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+3.120秒差
2014年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:ダニ・ペドロサ(ホンダ)+4.124秒差
3位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+20.976秒差
2013年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:ダニ・ペドロサ(ホンダ)+1.534秒差
3位:ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)+3.381秒差