『MotoGP™クラス』プレビュー~混戦から抜け出すのは誰か?

総合1位クアルタラロに0ポイント差のリンス、3ポイント差のエスパルガロ兄、8ポイント差のバスティアニーニ、18ポイント差のザルコが挑む

第6戦スペインGPは今週末、ヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで4月29日に初日、30日に公式予選、5月1日に決勝レースを開催。現地時間14時00分、日本時間21時00分に決勝レースがスタートする。

史上最少僅差の8ポイント
ヨーロッパラウンドの緒戦となった第5戦ポルトガルGPでトップ6にヤマハ、ドゥカティ、アプリリア、スズキ、KTM、ホンダの6メーカーが進出。昨年8月の第12戦イギリスGP以来、『MotoGP™クラス』で史上2度目の快挙となり、序盤5戦が終了した時点で、トップ5のギャップが現在のポイントシステムが導入された1993年以降、史上最少僅差の8ポイントに接近。

22年型での初優勝を狙う
昨年の第13戦アラゴンGPから11戦連続、今季の開幕戦から5戦連続の表彰台を獲得し、コンストラクター部門の総合1位を維持するドゥカティだが、デスモセディチGP22では未勝利。昨年はジャック・ミラーが当地でGP21での初優勝を挙げると、シーズン最多となる7勝を達成。前戦ポルトガルGPで2戦連続の表彰台を獲得する機会を逃した総合9位ミラーを筆頭に、今季2度目の表彰台を獲得して総合8位から5位に浮上したヨハン・ザルコ、11月のオフィシャルテストで総合1番手に進出した総合10位フランチェスコ・バグナイア、総合13位ホルヘ・マルティンがGP22での初優勝、2年連続の1-2位フィニッシュを狙う。

今季初転倒リタイアでポイントリーダーから総合4位に後退したエネア・バスティアニーニは、昨年11月に当地で初めてGP21を駆けると、直ぐに好感触を掴んで総合5番手に進出すると、初試乗で好感触を得たファビオ・ディ・ジャンアントニオは、新人勢の最高位となる19番手。昨年の中量級では、ディ・ジャンアントニオが優勝、マルコ・ベツェッキが2位を獲得していた。

仕切り直しを図るKTM
序盤2戦で好発進を決めた後、3戦連続して表彰台争いから遠のいたが、当地はテストサーキットとしてプライベートテストを実施することから、総合7位ブラッド・ビンダーと総合8位ミゲール・オリベイラは参考となるデータを基に、当地での最高位(2020年6位)を上回ることが第一の目標となるだろう。

今季2度目のポイント圏内に進出した総合22位レミー・ガードナーと転倒による体調不良が原因で欠場したラウール・フェルナンデェスは、走行経験がある当地で半年間の成長を確認したいところ。

ファビオ・クアルタラロが連勝を狙う
アグレッシブな走りで今季初優勝を挙げ、総合5位から1位に浮上したファビオ・クアルタラロは、昨年トップ走行中に腕上がり症状に苦しみ、終盤に失速して13位だったが、2年前には2戦連続のポール・トゥ・ウィンを達成。次戦のホームグランプリをポイントリーダーとして迎えるために、連続優勝を狙う。

1年前に表彰台を獲得した総合15位フランコ・モルビデリと2年前に表彰台を獲得した総合20位アンドレア・ドビツィオーソにとって、来週月曜のオフィシャルテストを含めて、重要な4日間となり、熟知するトラックで課題のリアグリップを追求。

ポイントリーダーに挑むアレックス・リンス
チーム部門で総合1位を維持するチーム・スズキ・エクスター。23番グリッドから4位まで挽回したアレックス・リンスは総合2位を維持しただけでなく、総合1位とポイント差で並ぶことから、今週末はポイントリーダーに初めて浮上するチャンス。

今季初の転倒リタイアを喫して総合4位から6位に後退したジョアン・ミルだが、今季初表彰台を狙えるポテンシャルを披露。スズキの両雄が2000年(ケニー・ロバーツ・ジュニア)以来となる当地優勝を目指す。

アプリリア、2勝目となるか
チーム部門で過去最高位となる総合2位に浮上したアプリリア・レーシングは、昨年の6位が過去最高位。当地に対して絶対の自信があると強調した総合3位アレイシ・エスパルガロは、2度目の優勝を狙い、まだ50%のポテンシャルしか発揮できていないと分析した総合14位マーベリック・ビニャーレスは、過去3度の表彰台を獲得したトラックでステップアップを図る。

過去10年間で最多6勝を誇るホンダ
コンストラクター部門で総合6位のホンダ、チーム部門で総合8位のレプソル・ホンダ・チームと総合9位のLCR・ホンダにとって、今後のシーズンの展開を左右する上で非常に重要となる4日間を迎え、前戦で6位争いを繰り広げた総合11位マルク・マルケス、総合12位ポル・エスパルガロ、総合17位アレックス・マルケスが上位進出を目指す。

転倒が原因で総合16位から18位に後退した中上貴晶だが、2年前に10位と4位、1年前に4位、11月のオフィシャルテストで総合2番手に進出した得意とするトラックで、今季最初の1桁台進出だけでなく、追求しているプレミアクラス初表彰台に挑む。

ワイルドカード
今季5戦の参戦を計画するアプリリアのテストライダー、ロレンソォ・サバドーリは前戦ポルトガルGPに続き、2戦連続の参戦。ホンダのテストライダー、ステファン・ブラドルは代役を務めた第3戦アルゼンチンGPに続き、2度目の参戦。毎月、プライベートテストを実施する当地で開発作業を継続する。

週末の天気
今週末は降水確率0%。土曜と日曜には気温が27度まで上昇するドライコンディションが予報されている。

過去のリザルト
2021年5月
優勝: ジャック・ミラー(ドゥカティ)
2位: フランチェスコ・バグナイア(ドゥカティ)
3位: フランコ・モルビデリ(ヤマハ)
2020年7月
優勝: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
3位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2020年7月(アンダルシアGP)
優勝: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2019年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: アレックス・リンス(スズキ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2018年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ヨハン・ザルコ(ヤマハ)
3位: アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)
2017年5月
優勝: ダニ・ペドロサ(ホンダ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)

ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから決勝レース後のプレスカンファレンスまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。

過去のリザルト
2021年5月
優勝: ジャック・ミラー(ドゥカティ)
2位: フランチェスコ・バグナイア(ドゥカティ)
3位: フランコ・モルビデリ(ヤマハ)
2020年7月
優勝: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
3位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2020年7月(アンダルシアGP)
優勝: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2019年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: アレックス・リンス(スズキ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2018年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ヨハン・ザルコ(ヤマハ)
3位: アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)
2017年5月
優勝: ダニ・ペドロサ(ホンダ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)

タイムスケジュール
4月28日(木)
17時00分(24時00分): プレスカンファレンス
4月29日(金)
09時55分(16時55分):フリー走行1(45分間)
14時10分(21時10分):フリー走行2(45分間)
4月30日(土)
09時55分(16時55分):フリー走行1(45分間)
13時30分(20時30分):フリー走行4(30分間)
14時10分(21時10分):公式予選1(15分間)
14時35分(21時35分):公式予選2(15分間)
5月1日(日)
09時40分(16時40分): ウォームアップ走行(20分間)
14時00分(21時00分): 決勝レース(25ラップ)

 

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