トラックハウス・レーシングから来季2025年プレミアクラスに参戦することが発表された小椋藍は、ドルナスポーツが『Road to MotoGP™』のプログラムとして、アジア地域とオセアニア地域におけるヤングライダーの発掘及び育成を目的に2014年に設立した大会『アジア・タレント・カップ』への参戦を目指して、同年10月にセパン・インターナショナル・サーキットで開催された選考会に眞崎一樹、山中琉聖らと一緒に合格し、開催2年目の2015年から参戦。1年目総合7位。
2年目はソムキアット・チャントラ、アンディ・ファリド・イズディハールと最終戦のシーズンラストレースまでタイトル争いを繰り広げ、総合2位に進出。
2016年は『レッドブル・ルーキーズ・カップ』に参戦して1年目総合11位、2年目総合5位。2017年からはホンダとドルナスポーツの支援を受け、アジア・タレント・チームに所属し『Moto3™ジュニア世界選手権』に参戦して1年目総合8位、2年目総合5位。
2018年はワイルドカードとして4戦に参戦すると、デビュー戦となった第4戦スペインGPでポイント圏内の15位完走。
2019年からホンダ・チーム・アジアに所属してレギュラー参戦を開始。第14戦アラゴンGPで2位初表彰台を獲得して総合10位。2年目は開幕戦カタールGPで3位表彰台発進を決めると全15戦中7度の表彰台を獲得。最終戦ポルトガルGPまでアルベルト・アレナス、トニー・アルボリーノとタイトル争いを展開して総合3位に進出。
レギュラー参戦3年目の2021年は、チーム内昇格という形でイデミツ・ホンダ・チーム・アジアから中量級に参戦。第11戦オーストリアGPで2位表彰台を獲得して総合8位。2年目は中量級23戦目、キャリア60戦目となった第6戦スペインGPで初優勝を挙げ、第13戦オーストリアGPと第16戦日本GPの優勝を含め7度の表彰台を獲得。最終戦バレンシアGPまでアウグスト・フェルナンデェスとタイトル争いを繰り広げて総合2位に進出。
3年目はプレシーズンのテスト直前にトレーニングアクシデントが原因で左手首を脱臼骨折したことから出遅れ、3度の表彰台獲得にとどまって総合10位に後退。
4年目の2023年は、ポンス・レーシングを受け継いで中量級に新規参戦するMTヘルメット-MSIから参戦。第6戦カタルーニャGPと第8戦TTアッセンで優勝。
8月15日にトラックハウス・レーシングとの間で2025年からの2年契約を締結したことから、フル参戦7年目にプレミアクラス昇格が決定。アプリリア機を駆けることになり、『アジア・タレント・カップ』出身者としては初めてプレミアクラスに参戦することになる。
第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで3勝目を挙げ、ポイントリーダーに飛び出すと、10月26日、第18戦タイGPの決勝レースで今季2度目のポールポジションから2位。クラス最多となる8度目の表彰台を獲得したことから、2戦を残してタイトルを獲得。
日本人ライダーとしては『Moto2™』で初めて。中量級では1993年の原田哲也、2001年の加藤大治郎、2009年の青山博一以来15年ぶり4人目。オールクラスでは1977年の片山敬済(350cc)、1994年と1998年の坂田和人(125cc)、1995年と1996年の青木治親(125cc)に続き7人目の快挙となり、『アジア・タレント・カップ』出身者として初めてチャンピオンに輝いた。