『#TheRematch』~ホルヘ・マルティンのアドバンテージ

ポイントリーダーが現王者に対して、どのようにアドバンテージを築き上げたのかを検証

ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで繰り広げられた手に汗握る壮絶な対決を経て、2001年以来となるサテライトチームからのチャンピオンを目指すポイントリーダーのホルヘ・マルティンと史上9人目となる3連覇を狙う総合2位フランチェスコ・バグナイアが来週末に急きょ最終戦の舞台に指名されたバルセロナ-カタルーニャ・サーキットに乗り込み、凄絶で熾烈を極めたタイトル争いの決着に挑む。

両雄による最終戦決戦は2年連続。まるで1つの時代を築くように、2人のチャンピオン候補は昨シーズンに引き続き、ライバルたちを圧倒し、チャンピオンシップを支配したが、今年は昨年の反省から精神面を鍛え、弱点である安定感、一貫性を向上させたホルヘ・マルティンがタイトル争いをリードした。

#TheRematch: defining moments from the title fight so far
#TheRematch: defining moments from the title fight so far

2023年と2024年の違い

『#VamosJorge』

下馬評通り、昨年導入されたティソ・スプリントでライバルたちを圧倒する爆発力で19レース中(悪天候のためオーストラリアGPは中止)9勝を含む14度の表彰台を獲得。全てのショートレースでポイント圏内に進出し最多となる168ポイントを稼げば、今年は転倒した第7戦イタリアGPと第15戦インドネシアGPでポイントを取りこぼしたが、7勝を含む15度の表彰台を獲得して164ポイントを加算。

昨シーズンの決勝レースは、全20レースで4勝を含む8度の表彰台を獲得。4戦で0ポイントだったことが影響して、終始ポイントリーダーを追いかける展開となったが、今シーズンは3勝を含む15度の表彰台を獲得。

特筆すべきは、2位の獲得数10回。たとえ勝てなくても、ダメージを最小限に抑える能力が抜きん出て、取りこぼしは、転倒を喫した第4戦スペインGPと第9戦ドイツGP、そして、トップ走行中に誰よりも早くバイク交換を決断して、1ポイントしか加算できなかった第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの3レースだったが、1年前の260ポイントを大きく上回る321ポイントに到達。シーズンを通じて高い一貫性が際立った。

『#ForzaPecco』

2連覇に成功した昨シーズンのティソ・スプリントは、4勝を含む13度の表彰台を獲得。ウェットコンディションの中で快適さが見つからずポイント圏外だった第9戦イギリスGPを除く18戦でポイントを獲得したが、ライバルから28ポイント差。今年はショートレースを課題に挙げ、6勝を挙げたが、4度の転倒を含む5戦でポイントを稼げず、1年前と比較して24ポイント不足、ライバルと比較して48ポイント不足。

決勝レースは、初めてタイトルを奪取した2022年の7勝を含む10度の表彰台を上回る7勝を含む15度の表彰台を獲得。安定感が増したことで、ライバルの260ポイントを圧倒する327ポイントを稼ぎ、ティソ・スプリントのポイント不足を補い、タイトル連覇に成功。

今シーズンはウェットコンディションでの初優勝を含め、年間の自己最多勝、そしてプレミアクラス史上6人目となる10勝を含む15度の表彰台を獲得したが、第4戦スペインGPと第12戦アラゴンGPの接触転倒、第14戦エミリア・ロマーニャGPの転倒。3戦を落としたが、昨季は4戦だったことから、1年前の327ポイントを上回る345ポイントを稼いだ。

J.Martin 2023 Tissot Sprints 2023 GP Races 2024 Tissot Sprints 2024 GP Races
Wins 9 4 7 3
Podiums (incl. wins) 14 8 15 15
DNFs 0 4 2 2
Points 168 260 164 321
Total Points 2023 428   Total Points 2024 485

 

F.Bagnaia 2023 Tissot Sprints 2023 GP Races 2024 Tissot Sprints 2024 GP Races
Wins 4 7 6 10
Podiums (incl. wins) 13 7 9 15
DNFs 1 3 5 3
Points 140 327 116 345
Total Points 2023 467   Total Points 2024 461

 

ファイナルバトル

1年前は21ポイント差。総合2位ホルヘ・マルティンがティソ・スプリントで優勝を挙げ、総合1位フランチェスコ・バグナイアが4位だったことから14ポイント差に接近したが、決勝レースは、バグナイアがポールポジションからレースの主導権を握った一方で、マルティンが5ラップ目に他車と接触して転倒リタイア。

今季は、ファイナルをサーキット・リカルド・トルモからバルセロナ-カタルーニャ・サーキットに変更。バグナイアがマルティンを追いかける立場となり、今年5月の第6戦カタルーニャGPでは、マルティンが7番グリッドから4位と2位を獲得した26ポイントを加算。バグナイアは2番グリッドからトップ走行中に転倒した後、決勝レースで優勝を挙げて25ポイントを稼いでいた。

5月は気温26度、路面温度は47度。快適なドライコンディションだったが、来週末は6ヶ月前よりも気温が10度ほど低くなることが予報されている。

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