ドゥカティ・レノボ・チームのマルク・マルケスは、第17戦日本GPで2019年以来6年ぶり7度目、キャリア通算9度目のタイトル獲得に成功。BK8・グレシーニ・レーシングのアレックス・マルケスは、第20戦マレーシアGPで自己最高位となる総合2位を確定。
チャンピオンシップが1949年に始まった77年の歴史上、兄弟が初めて同じクラスでチャンピオンと総合2位を獲得する快挙を達成した。
ダブルタイトル
スペイン・カタルーニャ州出身の兄弟は2014年に『Moto3™』と『MotoGP™』のタイトルを獲得。チャンピオンシップ史上初となるダブルタイトルを達成すると、5年後の2019年には『Moto2™』と『MotoGP™』のタイトルを揃って獲得。歴史を画する業績を成し遂げた。
兄弟ライダーたちの旋風
2024年7月の第9戦ドイツGP、マルク・マルケスとアレックス・マルケスは2位と3位でフィニッシュしてダブルポディウムを達成。1962年10月の最終戦アルゼンチンGPで2位と3位を獲得した地元出身のフアン・サラティーノとエドゥアルド・サラティーノ、1997年7月の第8戦イモラGPで2位と3位に進出した青木宣篤と青木拓磨以来、史上3組目の兄弟同時表彰台を成し遂げると、2025年3月の開幕戦タイGPでは、マルク・マルケスが優勝、アレックス・マルケスが2位に入り、史上初となるワンツーフィニッシュの金字塔を打ち立てた。
青木宣篤と青木拓磨は1997年同時に『500cc』参戦。総合3位と5位を獲得すれば、1995年と1996年に『125cc』タイトルを連覇した三男の青木治親は『250cc』に軽量級王者として参戦。
近年、兄弟がプレミアクラスに同時参戦したのは、アレイシ・エスパルガロとポル・エスパルガロのエスパルガロ兄弟とブラッド・ビンダーとダーリン・ビンダーのビンダー兄弟。
エスパルガロ兄弟は2014年から2023年まで10年連続して一緒にグリッドに並べば、ビンダー兄弟は2022年の1年間クラスを共有。ポル・エスパルガロは2013年に中量級、ブラッド・ビンダーは2016年に軽量級でタイトルを獲得すれば、1984年に『250cc』を制したクリスチャン・サロンと弟のドミニク・サロンは1989年の1シーズンだけ『500cc』に揃って参戦。
2009年に最後の『250cc』チャンピオンに輝いた青山博一と青山周平は2006年から2年間『250cc』に揃って参戦。
今季はラウール・フェルナンデェスとアドリアン・フェルナンデェスのフェルナンデェス兄弟が『MotoGP™』と『Moto3™』に参戦。2017年にイデミツ・アジア・タレント・カップを制したデニス・オンジュと2018年にレッドブル・ルーキーズ・カップを制したジャン・オンジュは育成カテゴリーから昇格した後、同時に参戦した経験はないが、共に軽量級で優勝を挙げ、今季は中量級とスーパースポーツ世界選手権に参戦。スーパーバイク世界選手権では、アレックス・ロウズとサム・ロウズの双子の兄弟が2024年から一緒に参戦。
異父兄弟だが、プレミアクラスで7度、キャリア通算9度のタイトルを誇るレジェンド、バレンティーノ・ロッシとキャリア通算6勝をルカ・マリーニは2021年の1シーズンだけだったが最高峰クラスに同時参戦していた。