「バレンシアに来るのは大きなリスクだったけど...」

度重なる怪我で僅か8戦しか参戦できなかった後、アプリリア所属2年目のシーズンに向けて、ゼッケンナンバー『89』と共に一歩を踏み出す

アプリリア・レーシングホルヘ・マルティンは、第17戦日本GPのティソ・スプリントで転倒した際に右鎖骨を骨折したことから4戦に欠場した後、今季8戦目となる最終戦バレンシアGPで復帰。

13ラップのティソ・スプリントは11番手走行中の4ラップ目にコースアウトを喫して最後尾の22番手まで後退。最後まで走り切って22位で完走すれば、27ラップのグランプリレースは6列目17番グリッドから第17戦日本GPのティソ・スプリントで他車の転倒を引き起こした行為から、科せられたダブルロングラップペナルティを2ラップ目と3ラップ目に消化した後、まだ体調が万全でないことから15ラップ目にリタイアを決断。

2日後のオフィシャルテストは13時39分から走行を開始。マルコ・ベッツェッキラウール・フェルナンデェスがシーズン終盤に使用したシャーシやエアロダイナミクスのテストプログラムに取り組みながら、11度のランで52ラップを周回。トップタイムから0.621秒差の16番手で年内のイベントを終了した。

Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community
Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community

「正直に言うと、テストが終わるのが待ちきれなかった。『ああ、あと1セット。何かあったらどうしよう。家に帰って休みたい』とずっと思っていた。とにかく、短いながらも非常に濃厚な1日となった。スタートは遅かったけど、テストすべきことが山のようにあった。」

「間違いなく、ポジティブな1日となり、テストができたことだけでも、とても良かったと思う。より多くの周回を走ることができ、より深く理解することができた。僕にとってアプリリアと一緒に走ることは、いつも良いこと。自信を与えてくれるけど、例えばフェアリングなどを交換すると、理解しづらいところがあるから、このバイクに乗ったばかりの初心者のような気分になることが時々ある。まだ体調は万全ではないから、終盤は少し疲れたけど、来年に向けて良い情報を入手することができた。」

Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test
Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test

ニューパーツのテスト

「僕にとって最も大きな改善点はシャーシ。本当に良かった。時間がなかったから、最初から使い始めて、コーナーがより自然になったと感じた。自分のスタイルにより合っていたのは良い。それから、フェアリングに関しては、確かに理解するのが難しい。余力のある範囲で走っていて、限界まで攻めていないからなのか、それとも何を改善しているのかを完全に理解していないからなのか、理由は解らないけど、マレーシアで何を試すのかを確認するために情報を収集する必要があった。25年型のバイクと一緒に、とても良い感触でシーズンを終えたから、それをさらに向上させるのは本当に難しい。フェアリングのような大きな変更を加えることは、非常に重要な決断だと思う。」

「リアのフェアリングに何か変更を加えたことで効果が少しあったのかもしれない。フロントは大きな違いを感じなかったけど良く機能していたから、それでいい。リアに関して、確かなことは言えないけど、コーナー出口でのハンドリングが少し機能するようになったから、2月に導入されることを期待する。」

Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test
Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test

エルゴノミクスの検証

「エルゴノミクスについても沢山試してみた。異なる形状の燃料タンクやフットペグを試してみて、幾つか良いところがあったけど、ライディングスタイルに戸惑いが生じた。試す時間も短かったから、スタンダードに戻したけど、ライディングスタイルを改善するために、マレーシアではフットペグを交換しようと思う。というのも、コーナーからの加速で、まだハンドリングが大きな問題を抱えているから。通常はハンドリングが長所だけど、アプリリアのポテンシャルをフルに引き出せていないから、そこに焦点を当てたい。」

最終戦での復帰

「バレンシアに来るのは大きなリスクだったけど、僕のキャリアとアプリリアでの進歩にとって最善の選択だったと信じている。そして、実際にそうしてきた。良かったことは、これからの2ヶ月かけて体調を100%回復できること。転んで怪我をしたら大変なことになるかもしれないという心配がなくなること。」

Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community
Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community

アプリリア1年目

「僕にとっては、それはおそらく、やらなければならないこと以上のことをしないことなのだろう。まだバイクのことを知らなかったのに、必要以上にプッシュしたことで、転んでしまったから。週末は勝たなかった。トップ10にも入れなかったけど、やるべきことはやったと思う。そのことに集中して、それを続けなければいけない。」

ウインターブレイク

「やるべきことは確かに沢山ある。身体面は今回走ってみて良かったけど、まだ100%ではない。精神面は、週末に言ったように、転倒を避けるために余力を残して走っているときは、自信を持つことができない。今日はミディアムタイヤで週末よりもラップタイムが本当に向上したと思う。これは大きな進歩。ソフトタイヤを履かなかった。使用していたら、トップ5に入っていたことは確かだけど、今日の目標は別にあった。頭をすっきりさせてシーズンを締め括り、来シーズンに向けて気持ちをクリアにさせて、全力を尽くせるようにしたい。」

Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community
Jorge Martin, Aprilia Racing, Motul Grand Prix of the Valencian Community

怪我からの回復

「精神面は大丈夫。回復して、痛みを感じないことが一番。走っていると、まだ背中、肋骨、手、鎖骨、肩に痛みを感じる。このような状態で走るのは本当に厳しい。ペースについては、予想以上だった。コンマ5~6秒足りないと感じているから、バイクをもう少し理解する必要がある。体調が100%だと感じれば、もっとリスクを負って走ることができるだろう。」

「疲れているから、これからの2~3週間はバイクから離れたい。その後に、エネルギーに満ち溢れた状態でトレーニングに戻り、それはきっと非常に激しいものになるだろう。マレーシアに万全の状態で臨むことができれば、僕にとって非常に良いことだと分かっている。なぜなら、最高の状態で、精神的に自由になり、自分が知っている全てを活かして走りたいから。」

Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test
Jorge Martin, Aprilia Racing, MotoGP™ Valencia Test

チャンピオンナンバー『1』から『89』に戻したホルヘ・マルティンは、複数の怪我に見舞われたアプリリア1年目のシーズンを終え、来年2月から始めるプレシーズンのオフィシャルテストに向けて体調を整える。

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