グランプリコミッションは、2023年11月に譲渡の付与及び解除の基準を更新した優遇措置制度、コンセッションシステムを2024年に施行することを決定。譲渡は2つのウインドウ(期間)で計算され、最初の期間はシーズン最初のイベントから最後のイベントまで。2つ目の期間は、サマーテスト禁止後の最初のイベントから次のシーズンのサマーテスト禁止前のイベントまで。ファクトリーは、各期間で獲得した最大ポイントの割合(%)に応じて、A、B、C、Dのランクに区別される。
ランク別ポイント割合
A: >=85%
B: >= 60% < 85%
C: >= 35% < 60%
D: <35%
ドゥカティ
2020年から6年連続してコンストラクター部門のタイトルを獲得したドゥカティは、唯一のファクトリーとしてランク『A』を維持。2024年末のチェックポイントと2025年夏のチェックポイントでは、獲得可能なポイントが98%だったが、ライダー部門を制したマルク・マルケスが圧倒的な強さを見せたにも関わらず、2025年末のチェックポイントでは94%に減少。
アプリリア
コンストラクター部門で過去最高位となる総合2位に進出したアプリリアは、獲得可能なポイントのパーセントが2024年夏の49%から2024年末の41%に低下。さらに、チャンピオンのホルヘ・マルティンを含め3人が加入した2025年夏には37%まで落ち込んだが、マルコ・ベッツェッキとラウール・フェルナンデェスの優勝により、過去最多となる年間4勝を挙げたこともあり、2025年末には51%まで上昇して、ランク『C』を維持。
KTM
2025年夏に2024年末の44%から40%に後退したが、2025年末に46%まで挽回。シーズン前半戦の低迷から後半戦に巻き返し、小さな前進を果たしたことで、ランク『C』を維持。
ホンダ
2024年はコンストラクター部門で75ポイントしか稼げず、3年連続して最下位に低迷。2024年末は獲得可能なポイントが僅か10%だったが、2025年夏は23%、そして2025年末にはランク『D』から『C』へ昇格に必要な35%まで上昇。チャンピオンシップの歴史上最も成功を収めた地位に復帰するため、2026年はアプリリア、KTMと共にランク『C』から始動する。
ヤマハ
2024年末は17%、2025年夏は25%、2025年末は30%。着実な上昇を果たしたが、更なる飛躍を目指して、ランク『D』からの脱出に向けて、最終戦バレンシアGPの週末に『V4』エンジンの採用を発表。大幅な技術規則の変更が施行される1年前に、数十年にわたって使用してきた直列4気筒エンジンに別れを告げたことは、大きな決意表明と言えるだろう。