後半戦に注目すべき5人のライダーたち

アジョの両雄を3人が追走する展開となった前半戦から後半戦で表彰台争いに絡むことが予想されるライダーたちに注目

アロン・カネト
中量級1年目に右前腕の腕上がり症状と左手骨折で3戦の欠場を強いられながら、新人王を獲得した後、プレシーズンのプライベートテストから成長した走りを見せ、第3戦ポルトガルGPと第8戦ドイツGPで2位を獲得。

中量級市場の先陣を切って、来季の所属先が決定。チャンピオンシップ最多となる13度の転倒、4度目の転倒リタイアを喫したことから、転倒数を減らすことができ、パフォーマンスが安定すれば、トップ5の牙城を崩せるかもしれない。

アウグスト・フェルナンデェス
2017年から2年間負傷代役を繰り返した後、3年前にフル参戦を開始すると、3勝を含む5度の表彰台を獲得して総合5位に進出。ホルヘ・ロレンソの引退に伴うドミノ現象により、既に契約を更新していたポンス・レーシングからチャンピオンチームに移籍したが、表彰台を獲得できず総合13位に後退。再起を誓った2021年は、思うような走りができず、転倒が相次いだが、前半戦最後のTTアッセンで29戦ぶりに表彰台を獲得。第7戦カタルーニャGPで43戦ぶりに表彰台を獲得したチャビ・ビエルゲと共に最高峰クラスの複数のチームから存在能力の高さが評価されていたことから、後半戦では課題の一貫性を追求しながら上位進出を狙う。

ジョー・ロバーツ
参戦3年目に3度のポールポジションと1度の3位表彰台を獲得して総合7位に進出。王者エネア・バスティアニーニの後任に指名され、チャンピオンチームのイタルトランス・レーシングへの移籍が決まっていたが、シーズン終盤にアプリリア・レーシングとの間で2021年の参戦に関して交渉。「国籍が理由で最高峰クラスに行きたくない」と中量級の継続参戦を宣言すると、前半戦が終了した時点で、第3戦ポルトガルGPと第6戦イタリアGPの4位が最高位の総合10位。来季の最高峰クラス参戦に向けて複数のチームと接触を図る一方で、後半戦の序盤数戦で際立つパフォーマンスとリザルトで主役に飛び出し、存在感と戦闘力をアピールしたいところ。

小椋藍
軽量級からの昇格組みで、ラウール・フェルナンデェスに注目が集まった中、前半戦のパフォーマンスとリザルトを比較すると、4年前のブラッド・ビンダーとファビオ・クアルタラロ、2年前のファビオ・ディ・ジャンアントニオ、エネア・バスティアニーニ、ホルヘ・マルティン、昨年のアロン・カネトを上回り、第9戦TTアッセンでは優勝者から10秒差に接近。週末毎に成長したパフォーマンスを見せ、着実に上位陣とのギャップを詰めていることから、後半戦での表彰台争い、獲得に期待が高まる。

アルベルト・アレナス
軽量級からの昇格組みの中で、ラウール・フェルナンデェス、小椋藍、トニー・アルボリーノチェレスティーノ・ヴィエッティと比較して、カテゴリーへの適応に最も苦労している王者アルベルト・アレナスは、第8戦ドイツGPで初の1桁台に進出。スペイン選手権や軽量級に参戦した当時から頭角を現すまでにある程度の時間を要してきたことから、シーズン末までにどこまでパフォーマンスを向上させることができるのか注目が集まる。

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