フル参戦14年目、最高峰クラス8年目をドゥカティのファクトリーチーム、ドゥイアティ・チームから継続参戦する30歳のイタリア人ライダーは、2015年に総合5位から7位に後退したが、5回の表彰台を獲得。デスモセディチGPの戦闘力が確実に高まっていることから、ドゥカティでの初優勝、安定した表彰台争いに向けて期待が高まった。
2月からのオフィシャルテストは、総合15番手、11番手、8番手だったが、開幕戦カタールGPでは、フリー走行総合で4番手、フリー走行4で3番手、決勝レースでは2年連続の2位を獲得。ステップ・バイ・ステップで共通の電子制御とミシュランタイヤに対して適応したことを証明。
好感触を得て、昨年連続2位を獲得した第2戦アルゼンチンGPと第3戦アメリカズGPに乗り込んだが、連戦の1戦目は、2番手走行中のラストラップにアンドレア・イアンノーネと接触転倒、連戦の2戦目は、3番手走行中の7ラップ目にダニ・ペドロサの転倒に巻き込まれて、上位進出の可能性を逃すと、第4戦スペインGPは技術面の問題(ウォーターポンプの不具合)が発生してリタイアを強いられ、第5戦フランスGPは、3番手走行中に転倒。3戦連続の0ポイントを喫した。
欧州ラウンドに入ってから、将来の就任先に注目が集まった中、第6戦イタリアGP直前に、ドゥカティとの間で2017年から2年間の契約更新に関して合意。仕切り直しで臨んだホームレースで3番手を走行中に右前腕のコンパートメント・シンドローム(筋区画症候群)、通称腕上がり症状に苦しんで、ペースダウンを強いられたが5位に進出。
第7戦カタルーニャGPで7位だった後、第8戦TTアッセンでは、今季初のポールポジションから2番手走行中に転倒リタイアを喫したが、ウェットコンディションで高い戦闘力を見せ、それを証明するように、フラッグ・トゥ・フラッグとなった第9戦ドイツGPでは、開幕戦以来8戦振りに表彰台を獲得し、ドゥカティに通算100度目の表彰台をもたらした。