ポイントリーダーのブラッド・ビンダーは、レッドブル・KTM・アジョから招集された1年目の2015年に終盤3戦で3位、2位、4位に進出。好感触でシーズンを締め括ると、総合2位を獲得したミゲール・オリベイラの後任に指名され、エースライダーとして迎えた開幕戦カタールGPで自己最高位タイの2位、第2戦アルゼンチンGPで初のポールポジションを奪取。2戦目で初めて総合1位に飛び出した勢いに乗って、KTMで初表彰台を獲得した第4戦スペインGPに乗り込むと電子制御の違反により、最後尾からのスタートを強いられたが、キャリア通算79戦目で初優勝を達成。7戦連続の表彰台、9戦連続のポイント圏内進出を果たし、総合6位に進出した昨年と比較し、自信を持った頭脳的な走りを見せ、大きな成長を証明。
総合2位のホルヘ・ナバーロは、エストレージャ・ガルシア・0,0からフル参戦を開始した2015年の終盤5戦に2位、3位、4位、3位、2位を獲得。2年目は常に表彰台争いを繰り広げ、通算36戦目となった第7戦カタルーニャGPで初優勝を達成。その直後、トレーニング中に左脚を骨折したことから第8戦TTアッセンを欠場したが、総合7位に進出し、逆転で新人王を獲得した昨年終盤のパフォーマンスを維持。
総合3位のロマーノ・フェナティは、2014年に結成されたスカイ・レーシング・チーム・VR46から継続参戦。毎年優勝、タイトル獲得候補に挙げられながら、安定感に欠け、総合5位、総合4位。来季の中量級が約束された軽量級最後のシーズンは、第3戦アメリカズGPで優勝、第5戦フランスGPで2位を獲得したが、第2戦アルゼンチンGPは20位、第6戦イタリアGPはテクニカルトラブルでリタイア、第9戦ドイツGPでは18位。全9戦中3戦でポイントを逃したが、前半戦を終了した時点で93ポイントを獲得。2014年の110ポイント(総合4位)、2015年の99ポイント(総合4位)。、ポイント数では下回ったが、順位は上回った。
総合6位のエネア・バスティアニーニは、デビューした2014年から3年連続して、グレシーニ・レーシングから参戦。KTMからホンダに乗り換えた2年目に総合3位を獲得したことから、台頭著しいイタリア勢の筆頭になると考えられ、期待通りに開幕戦カタールGPで優勝争いを展開したが、その後は表彰台争いから遠ざかり、右手首骨折により第5戦フランスGPを欠場。第7戦カタルーニャGPと第9戦ドイツGPで3位表彰台を獲得して、総合6位まで挽回した。
総合14位のファビオ・クアルタラロは、スペイン選手権時代から2年間所属していたエストレージャ・ガルシア・0,0からチャンピオンに輝いたダニー・ケントの後任に指名され、チャンピオンチームのレパード・レーシングへの移籍、ホンダからKTMに乗り換えることを決断したが、開幕から3戦連続の13位。最高位は第6戦イタリアGPの5位。昨年は前半戦が終了した時点で総合7位(74ポイント)だったことから、乗り越えに苦難している。
昨年の新人王争いは、クアルタラロが第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで右足外踝を骨折したことから、終盤戦を欠場。チームメイトのナバーロが逆転でタイトルを獲得すれば、今年は第4戦スペインGPで2位を獲得した総合5位のニコロ・ブレガを筆頭に、2度の2位を獲得した総合8位のファビオ・ディ・ジャンアントニア、2勝を挙げた総合10位のカイルル・イダム・パウイが追う展開となっている。