イギリスの一般紙、『The Daily Telegraph(デイリー・テレグラム)』は、第2戦アルゼンチンGPで優勝を飾り、ポイントリーダーに飛び出したカル・クラッチローがトレーニングに関して説明した持論を紹介。普段のトレーニングでバイクに乗らず、ジムにも通わないことを明かした。
「MotoGPバイクの走らせる身体面は、世界でトップレベルのスポーツと同等に位置する。規律が異なるだけで、例えば、ランナーのように同じ動きを反復することはない。僕たちは異なる状況に応じて、コントロールが必要となることから、身体に過度のストレスを与えることになる。」
「例えば、アルゼンチンの2日目。身体に痛みを感じて朝を迎える。MotoGPバイクを複製することはできず、スーパーバイクやモトクロスバイクとは異なる。これは、異なる筋肉を使用するという意味で、モトクロスを走らせた翌日は首に痛みを感じるが、時速220kmを走らせるMotoGPでは、Gフォースに対処しなければならず、正直、そのためのトレーニングができるとは思えない。」
「レースとレースの間に、バイクを乗らない。最初のテスト前にトライアルバイクに少し乗り、カリフォルニアで25分間ほどモトクロスバイクを走らせた。冬の間はそれだけ。」
「ランキングも少しだけ。筋力増加と共に体重も増加してしまうから、ジムには行かない。数年前に軽めのウエイトトレーニングのプログラムに取り組んだことがあるけど、身体が大きくなりすぎてしまった。僕はバイクを乗る上で、上半身の強さに全く問題がない。確かに多少疲れるけど、他のライダーたちと比較して、ジムに行かなくても、彼らと同じように良いフィジカルレベルがある。僕は自転車に乗るだけ。単純に好きだから。自分の身体の機能は、自分が良く解っている。」
「あるライダーは上半身、他のライダーは下半身に疲労を感じる。これは身体の構造に依存する。何年か前にミック・ドゥーハンと話す機会があり、上半身よりも両脚に疲労を感じると言っていた。500ccのツーストローク時代だった。今とはバイクが違う。ストレスが違う。非常に個性的だ。マルケスは、本当に多くの筋肉が発展したと思われる。数年前と比べて、体格が異なる。もしかしたら、バイクを走らせるために強さが必要と感じたのかもしれない。ロードレースの場合、パーソナルトレーニングは本当に個人的になる必要があり、アスリートに適応しなければいけない。」