ドゥーハン「マルケスが負けても、それはウィンウィン」

ドキュメンタリーの撮影のため、スペイン・セルベラを初訪問したレジェンドが最高峰クラス5度目のタイトルを獲得したマルケスのシーズンを評価。

18年シーズンは多くのグッドなレースが展開されましたが、マルク・マルケスがタイトルを連覇しました。
誰にとっても楽しいシーズンとなりました。アッセンをはじめ、グッドなレースが多かったですが、その多くのレースで週末の始まり、またはレース直前まで優勝候補が分かりませんでした。マルクは日曜の朝、ウォームアップ走行で非常に強かったです。これは良い兆候でしたが、レース中に何が起こるのか決して分かりませんでした。常にエキサイティングなレースを観ることができ、私が憶えている限り、ベターなシーズンの1つだと思います。

全戦を観戦する機会がありませんでしたが、どこにいても、モバイルを利用してレースを観るように努めました。グッドなシーズンでした。

マルケスのシーズンをどう見ましたか?
ライダーは常に努力を続けたいと思い、競争を通じて自分自身を試し、打ち負かすためにプッシュを続けます。彼は昨年の成功にあぐらをかかなかったです。そうでなければ、打ち負かされていたでしょう。マルクは決して現状に立ち止まることはなかったです。

肩の負傷により、終盤に問題を抱えていましたが、外側からは決して分かりませんでした。これは正真正銘のチャンピオンの証だと思います。5度のタイトルを獲得したことで、精神的な強さを証明しました。

違いを生み出したのはマルケスですか、それともホンダですか?
ある時期、7台のホンダ車がグリッド上に並んだことがありました。誰もがホンダ車が必要と言いましたが、勝利者は常に1人です。マルクのようなライダーは、違いを生み出します。グッドなマシンが必要となりますが、ライダーが違いを生み出します。

過去には、バイクを乗り換えても強く走り続けたライダー、それほど強くならなかったライダーがいました。まともな結果を獲得していたライダーが他のバイクが必要だと考え、乗り換えたところ、結果が良くならなかったことがありました。もし、マルクがバイクを乗り換えたとしても、勝ち続けるでしょう。

マルケス&ホンダは完璧なコンビと言えるでしょうか?
その通りです。しかし、同様に他の強いバイクを与えても同じように強いでしょう。我々はバレンティーノ・ロッシとエディ・ローソンの活躍を見ました。ストロングなライダーは、ストロングなライダーです。

マルケスのアグレッシブな走りをどのように評価しますか?
あのような走り方が必要なのか確かではありませんが、確かに彼は、あのような走り方で、スペクタクルとしてはナンバーワンであり、効果的です。レース中にタイヤを破壊したところを見たことがありません。Moto2クラスでも同じような走り方をしていたことから、あれが彼の走り方です。もしかしたら、それを進化と呼ぶのかもしれません。彼のスタイルがMotoGPを違うレベルに引き上げたのかもしれません。

80年代の後半、バイクが大きく滑り始め、数人が上手くコントロールしていました。彼は再び別のレベルに引き上げ、多くの人たちはクレイジーだと言いますが、彼にとってはクレイジーではありません。そのような走らせているだけです。

アルベルト・プーチはホルヘ・ロレンソのホンダ加入がマルケスをさらにプッシュさせるだろうと予想しました。
マルクはもっと良くなることができます。まだ25歳。バレンティーノを見れば、彼は40歳に達しますが、まだ学んでします。マルクは学び続けることができます。ダニ・ペドロサというストロングなチームメイトがいましたが、彼をプッシュする3度のチャンピオンに輝いたロレンソがチームメイトになります。テストの結果をまだ確認していませんが、彼はシリアスな競争相手だと言うことを把握しています。それがモチベーションとなるでしょう。

私は長い間レースに参戦してきましたが、自分のチームメイトを心配したことがありません。マルクも同じだと確信します。もし、ロレンソが彼の前を走ったとしても、それはペドロサや他車が前を走ることに変わりません。2つの異なるライディングスタイル、そして、非常に強い精神力を持つ2人により、ホンダがより強固なポジションを確立することができるはずだと思います。

新しいマルケス、新しいロレンソを私たちは目撃できるでしょうか?
確かなことは分かりませんが、ホルヘは精神的に厳しい立場にあります。マルクと同じ立場に立つためには、彼を倒さなければいけませんが、これはホルヘにとっては良いことでしょう。エディ・ローソンがホンダに加入した時と同じような状況です。ワイン・ガードナーから「僕のバイクを走らせたら、僕には近づけないだろう」と言われましたが、(ヤマハからホンダに)乗り換えて、チャンピオンになりました。

ホルヘにとっては、マルクと一緒に走れるかどうかを見極める挑戦だと思います。同じプラットフォームで競争するという挑戦がレーシングキャリアの次のステップに向けてプッシュすることになるでしょう。全ての勝者はホンダになると思います。上手く行けば、2つの異なるスタイルの間でグッドなレースができるでしょう。

プレッシャーが大きいのは誰でしょうか?
両者に同じプレッシャーがありますが、ホルヘには言い訳がありません。それはマルクも同じですが、ホンダとの歴史があり、仕事の仕方が分かっています。ホルヘは強く、速く、インテリジェントなライダーであることから、ホンダの仕事の仕方に順応するのは比較的簡単だと思います。もし、マルクがホルヘに負けたとしても、両者がバイクの開発に向けてプッシュすることから、それだけで、ウィンウィンです。

個人的には、ホルヘは必要な場所に来たと思います。ここ数年間、マルクと対戦したことから、彼の精神的な強さとバイクに対する能力を把握し、同じバイクで競争するには懸命な仕事が必要だと分かっています。怪我を負わないことを願います。それ以上の言い訳はありません。来年は興味深いストーリーになるべきでしょう。

マルケスが通算9度のタイトルを獲得する可能性はありますか?
MotoGPは究極の目標です。健康を維持できれば、タイトル獲得は比較的簡単でしょう。あと2つのタイトルを獲得することは問題になるべきではないです。

Mick Dooan - Interview
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