第10戦オランダGPのプレスカンファレンスは、6月26日にTT・サーキット・アッセンのプレスカンファレンスルームで開催され、総合2位アレックス・マルケス、総合4位ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、総合7位マルコ・ベツェッキ、総合11位マーベリック・ビニャーレスが出席。前戦を振り返り、明日開幕するシーズン10戦目の期待と抱負を語った。
アレックス・マルケス
「ポイントを積み重ねる絶好の機会。それこそが僕たちが持つべきメンタリティであり、何も変える必要はない。同じ方向に進み、チャンスがあればトライし、そうでない場合はムジェロでやったようにポイントを加算することを目指す。マルク・マルケスとペッコ・バグナイアは間違いなく非常に速く、ファビオ・ディ・ジャンアントニオもマーベリック・ビニャーレスのようなに、このトラックが好きなライダーたちもいるから、今週末はよりも接戦になると思う。もしかしたら、チームメイトのようなルーキーでさえ、速く走るかもしれない。」
「自分自身に集中。ものごとを上手くやるために集中。そこから自分たちとライバルの状況を確認しなければいけない。今年はずっと良い感触が続いている。昨年は1ラップだけ速く、レースはタイヤを消耗してしまい、良いペースを維持できなかったけど、少なくともスピードはあった。上手く走れればチャンスがある。」
「マルク・マルケスとポイント差を縮める絶好のチャンス。今年ポイント差を縮めたのは、彼が非常に速いオースティンとヘレスという、予想外のトラックだった。何があってもポイント差を縮めようという考え方に固執すべきではなく、正しいことをするだけ。フィーリングが良ければ、さらに良くなる。彼にとって苦戦の傾向があるトラックだけど、それは乗っていたバイク、ホンダに関係している。」
「マルク・マルケスと僕の間に一種のバトル、あるいは争いを仕掛けようとする人たちがいる。もしかしたら、人々が見たいのはそういう競争なのかもしれない。そして、僕たちの間には既にそういう競争がある。僕たちは兄弟だから。人生を通してずっと戦い続けてきたし、常に兄よりも優位に立ちたいと願っている。彼は僕たちより速い。僕がアタックしていない、あるいは彼のタイムに届かないと言う人もいるけど、それは彼が僕よりコンマ1も2秒も速いから。限界に達しているために追い越しができない。賢くレースを心がけているし、これまでの戦略も悪くない。総合3位のペッコ・バグナイアは110ポイント差だから、彼と戦えるのは僕だけ。今のところ、この戦略は上手くいっている。チャンスがあれば攻撃するつもりだけど、もし彼の方が速かったら、それは無理。」
ファビオ・ディ・ジャンアントニオ
「アラゴンでのテストの後、大きな疑問符があった。僕たちが試した全てのことが、他のトラック、つまりムジェロでも機能するかどうかということ。それらは上手くいったから、ここでも良い仕事ができると確信を持つ。ほぼ同じように作業を続け、パフォーマンスを維持できるだろう。目標はバイクに乗る楽しみを維持し、フロントのポジティブな感覚を取り戻し、前回のムジェロのようにプッシュすること。」
「ここは『ザ・カテドラル・オブ・スピード(スピードの大聖堂)』。象徴的で超高速サーキット。かつては『125cc』、『250cc』、『500cc』でも多くのクレイジーなバトルが繰り広げられてきた。スーパーバイク世界選手権のピエールフランチェスコ・キリ、カール・フォガティ、トロイ・ベイリスの素晴らしいバトルも憶えているから、100周年の記念レースで走れることは本当に特別。ここでは情熱とレーシングスピリットを感じることができる。」
マルコ・ベツェッキ
「このトラックはとても難しく、本当に気に入っている。『MotoGP™』で初めて表彰台を獲得しただけでなく、スプリントで唯一の勝利を収めた良い思い出があるから、僕たちにとってポジティブな週末になることを願う。いつものように、アプリリアで乗るのは初めてだけど、それは普通のこと。年始から続けてきた仕事を継続する。ムジェロは僕にとってポジティブな経験だったから、同じレベルとペースを維持できるようにトライしよう。」
「僕にとって常に特別な場所。僕の家族はモータースポーツにとても情熱的で、5歳か6歳のときに、家族全員でワゴン車に乗って何時間もかけて観戦に来たことを憶えている。人々はいつも素晴らしく、沢山のファンがいて、情熱に満ち溢れている。今日もパドックで沢山の人たちからサインや写真を求められた。本当に素晴らしい。アッセンに来ることが本当に好き。それにトラックも素晴らしい。特にこの流れるようなレイアウトが好きなライダーにとっては最高。100周年を祝えることは本当に嬉しい。」
マーベリック・ビニャーレス
「今シーズンは素晴らしいレースが幾つもあった。ポテンシャルは確かに重要だけど、リザルトが僕たちの現実を反映していない。ここ数戦、僕たちは急速に、そして大きく成長した。潜在能力は十分にあり、それをバイクから引き出す必要があるから、ここでも良い結果を残せることを願う。上手く走れるようになれば、上位陣に近づける。ライディングスタイルの面で貢献したい。快適さ感じ、ムジェロではタイヤを消耗させることなく、良いペースで上位争いができていた。これは良い兆候であり、今週末は素晴らしい仕事ができると思う。目標は全てを上手くまとめること。」
「バイクには常に大きな可能性を感じている。僕はまだ初心者なので、まだその可能性を最大限に引き出せていないけど、着実に前進している。僕たちには幾つかの大きな強みがあり、今は弱点を改善しているところ。 コーナリングは長所ではないと言える。そのために、身体の位置やブレーキングといったレベルを改善している。ポテンシャルは高い。辛抱強く取り組む必要がある。アッセンではムジェロよりも強くなると理解している。ムジェロでは非常に強かったから、全力でプッシュしなければいけない。」
100周年記念
TT・サーキット・アッセンの100周年を記念し、週末を通して様々な記念イベントを開催され、金曜日にはメインストレートで100周年記念コインを公開。ウィレム・アレキサンダー国王の来場が予定され、ドルナスポーツ最高経営責任カルメロ・エスペレータと4人のチャンピオン、マルク・マルケス、ジョアン・ミル、ファビオ・クアルタラロ、フランチェスコ・バグナイアがレセプションに出席する。
トラックアップデート
TT・サーキット・アッセンは、安全面の向上を目的にグラベルを追加するため、7コーナーのサービスロードを撤去。
プライベートテスト
2020年以来開催日程に復帰したチェコGPの開催地アウトモトドローム・ブルノ、通称ブルノ・サーキットで6月26日に5メーカーのテストライダーが参加してプライベートテストを実施。全面舗装されたトラックのコンディションを確認するため、主にミシュランのタイヤテストに取り組めば、前日に開催された走行会にスーパーバイク世界選手権やスーパースポーツ世界選手権に参戦するライダーたちと一緒に中量級からディオゴ・モレイラ、アドリアン・ウエルタス、フィリップ・サラッチ、セナ・アギウスが市販車を持ち込んでレイアウトを確認した。