オーストリアのメーカー、KTMは、最高峰クラス参戦58戦目となった第4戦チェコGPで初優勝を挙げ、17メーカー目の優勝となり、競技規則及び技術規則におけるさまざまな譲渡が施行された2013年から3コンセッションポイントを加算した。
コンセッションとは、2013年以降に新たに参戦し、2013年以降にドライコンディションで勝利を挙げていないメーカーに対して、シーズンで使用可能なエンジン基数やホモロゲーション制限、契約ライダー及びテストライダーのテスト、ワイルドカードのエントリー回数といったアドバンテージが与えられる優遇、許容、譲渡のこと。
現時点で資格を有するには、KTMとアプリリアの2メーカー。
コンセッションの授与と剥奪は、ドライ及びウェットコンディション下でのレースにおける、コンセッションポイントの獲得数に基づき、当該メーカーのバイクを使用する全ライダーが考慮の対象となる。コンセッションポイントは、参戦を開始したシーズンから累積される。
1位 = 3コンセッションポイント
2位 = 2コンセッションポイント
3位 = 1コンセッションポイント
当該メーカーが6コンセッションポイントに到達した場合、無制限日数のテストを実施する権利は即座に無効となり、シーズンに使用可能なエンジン基数及びホモロゲーション規定の優遇は翌シーズンから無効となる。
メーカーが1シーズン中にコンセッションポイントを獲得しなかった場合、当該メーカーのバイクを使用する全ライダーは、翌シーズンから全てのコンセッションの便益を得る。
しかし、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)は、5月15日に当連盟、モーターサイクルスポーツ製造者協会(MSMA)、国際ロードレーシングチーム連盟(IRTA)、ドルナスポーツの代表者たちによるグランプリコミッションで、新型コロナウイルス蔓延の影響を受ける技術規則に関して協議を行い、コンセッションの規則変更を決定。
2020年シーズンのイベント数減少の結果、僅かなレースの結果に基づいて、コンセッションの資格を有しないメーカーが2021年にコンセッションの資格を授与される可能性があり、この問題に対処するため、グランプリコミッションは規則の変更に合意。
2020年シーズン中、優遇の資格は失われるだけで、授与されることはない。現行の規則は、優遇の喪失のタイミングで適用される。2020年シーズン中にコンセッションメーカーが獲得した全てのコンセンションポイントは、2年間有効となる。
KTMは、参戦36戦目となった2018年11月の最終戦バレンシアGPで3位を獲得。ウェットコンディションの中で1コンセッションポイントを稼ぎ、第4戦チェコGPの優勝で、3コンセッションポイントが加算され、今週末のホームレース、第5戦オーストリアGP以降に2コンセッションポイントを加算すれば、優遇の資格が失われる。
2015年に復帰したスズキは、2年目の2016年に第5戦フランスGPで3位、第12戦イギリスGPで優勝、第15戦日本GPで3位、第16戦オーストラリアGPで3位を獲得したことから、2017年に優遇資格を失っていた。