第7戦イギリスGPのプレスカンファレンスは、5月22日にシルバーストン・サーキットのプレスカンファレンスルームで開催され、2週間前の第6戦フランスGPでポイントリーダーの座を奪回したマルク・マルケス、地元で今季初優勝を挙げた総合6位ヨハン・ザルコ、KTM勢の最高位に位置する総合9位ペドロ・アコスタが出席。前戦を振り返り、明日開幕するシーズン7戦目の期待と抱負を語った。
マルク・マルケス
「ルマンは難しい日曜日だった。ミスを犯しやすい状況だったから、正しい判断を下して完走することに努めた。シルバーストンでどうなるか見てみよう。自分たちのレベルに戻り、トップ3を争い、最高の形で週末を締め括れるようにトライしよう。」
「リスクは常に意識しなければいけない。ポイント獲得を目指し、その後は状況に合わせて適応して行くつもり。アレックス・マルケスとペッコ・バグナイアは非常に強いと予想する。このサーキットは僕のお気に入りの1つではない。2014年以降勝っていない。彼らに近づき、状況をコントロールできるかどうか見てみよう。」
「表彰台を獲得し、勝利を重ね、調子が上がると、レースの楽しさが倍増する。ファクトリーチームに所属して最新型のバイクを走らせると、プレッシャーを感じ始めるのは事実。昨年はそうではなかった。複数の怪我を負った後、自信を取り戻し、グレシーニという完璧な環境に慣れる時間があったけど、今年はプレッシャーがある。赤いユニフォームを着て、最新型のバイクを走らせるなら、当然レースに勝ってトップに立つ必要があるけど、それこそが僕が目指していること。もちろん、楽しんでる。」
「新しいチームに加入すると、オースティンやルマンのように、常に何かを改善したり、細部に取り組んだり、そのようなプロセスがある。内部レベルでの変化を目の当たりにすることができた。とても幸せで、とてもリラックスした。ルマンでは、超高速のヨハン・ザルコに遭遇した。彼にとっては、まさに絶好のチャンスだった。彼は正しいタイヤ選択をしたけど、僕にとっては、それはリスクの高い選択だった。ドライコンディションの中、レインタイヤでさらに2ラップ走れば、タイヤが壊れてしまい、再び雨が降り始めたときに、速く走れなくなってしまうから。それでも彼は見事に対処し、速かった。レースが終わった後、もっと速く走れたかもしれないと思った日曜日だったけど、既にヘレスでワイルドカードに頼らざるを得なかったため、もうそのワイルドカードに頼るのをやめる時だった。」
「ホルヘ・マルティンがこの状況に関して何かを話すまで、僕としては意見を述べることを待ちたい。アプリリアの声明?見たけど、アプリリア側が話すのは普通のこと。彼らはここにいて、話すつもりだったから。様子を見よう。僕は彼らを尊重する。」
「僕とホルヘ・マルティンの状況とは全く違う。数年間の怪我から復帰した後であり、僕たちはホンダと一緒に6度のタイトルを獲得していた。信じられないほどに素晴らしい関係を築いており、今でもとても良い。彼らが僕に支払う給与は、当時の僕のように10位や12位でレースを終えるようなライダーに支払う金額ではなく、プロジェクトに投資する必要があった。僕たちの関係はとても特別なもので、双方の合意によるものだった。」
ヨハン・ザルコ
「今でも嬉しい!水曜日にもう一度レースを観て、全てが完璧に進んだことがよく解った。全員がレインタイヤを履いていた時でも、マルク・マルケスとのギャップを保ち、本当に良い感触があった。」
「レースはいつも難しいから、今回自宅でレースを観るのは奇妙な感じで、『どうしてこんなことが起きたのだろう?』と思った。ギャップを広げることは、それほど難しくなかった。とても美しいかった。」
「どこで勝ちたいかと聞かれる度に、『どこでもいい。ただ勝ちたいだけ。それが最高の喜びになるから』といつも答えていたけど、フランスで勝てたことは本当に特別と気づいた。誰もが話題にしてくれるから本当に嬉しい。」
「雨天時は、何か素晴らしいことが起こる可能性が高くなる。ミスを犯しやすくなるから。こういうコンディションなら、チャンスは十分にある。ドライコンディションでは、シーズンが始まってから良い結果を獲得したレースが幾つかあった。今週末はドライコンディションでも良いパフォーマンスを発揮できると期待する。」
「ホンダのフロントのフィーリングが良ければ、アドバンテージが得られる。コンディションに適応していくつもりだ。涼しくなる可能性もある。全てを上手くコントロールできるようにトライしなければいけない。ルマンと比べると、ドライコンディションでは、高速トラックなので、今持っているものよりも良い感触が得られるから、少しは良い結果が得られるかもしれない。」
「今年の初めは、トップからとても遠く離されていると感じたけど、アルゼンチンとカタールの後、思ったよりも近づいているかもしれないと理解し、それが良いモチベーションになった。トップスピードやフルスロットルの時のパフォーマンスがあまり良くないから、エンジンに何かが欠けているように感じるけど、それは多くの要素の妥協点でもある。ドゥカティはブレーキとコーナー進入が非常に強い。この分野で一貫性を保つことができれば、もっと前に出ることができる。今はその改善に取り組んでいるところ。バイクにはまだ大きな問題があり、以前より問題は減ったけど、表彰台に近づくためには、さらに改善する必要がある。」
ペドロ・アコスタ
「シルバーストンに到着して天気予報を確認するのは、決して簡単なことではない。昨年はなかなか上手く行かなかった。タイヤに少し苦労したけど、悪いグランプリではなかったし、カタール以来に取り組んできた方針に沿って作業を続けて行くつもり。ステップ・バイ・ステップで近づいている。まだ道のりは長いのは事実だけど、僕たちは望んでいたところに近づいている。」
「まずは一貫してトップ5に入り、ポイントを獲得する必要がある。結局のところ、僕にとっても、KTMにとっても、今シーズンのスタートは決して楽なものではなかったけど、僕たちは一歩一歩進み、今あるものを最大限に活用し、トップに近づくことに努めている。」
「シーズンが始まった頃は、トップとの違いが大きかった。今ではそれが小さくなっているけど、ドゥカティは非常に強いから、やるべき仕事がまだ沢山ある。確かに周回を重ねるごとにタイヤが磨耗していくと、多少なりとも近づくことはできるけど、僕たちはレース序盤で大きく負けてしまう。僕の場合は予選でさらに負けてしまうから、残っているステップは非常に大きいと思う。」
「僕にとっては簡単なサーキットではない。非常にスムーズなレイアウトで、セクター3の連続したコーナーは決して簡単ではない。他のトラックと比べると、上手く走れなかった。 いずれにせよ、サプライズが期待できる場所の1つだと思う。天気により特別な週末でもあるから、 ある意味では気に入っている。」