6戦終了時点でギャップは過去最小幅の28ポイント差

王者不在、若手の台頭が著しい中、3年連続総合2位のドビツィオーソが総合1位に浮上。

最高峰クラスは、技術規則が大幅に変更された2002年から19年目、現行のポイントシステムが施行された1993年から27年目を迎え、6戦を終了した時点で、ポイントリーダーと総合10位のギャップが過去最小幅となる28ポイント差に接近。

タイトル争いが最終戦までもつれこんだ2006年、2013年、2015年、2017年、2年連続4度目のタイトルを獲得したマルク・マルケスが序盤に2度の0ポイントとなった2018年を大きく下回った。

昨年、転倒リタイアした第3戦アルゼンチンGPを除き、12度の優勝と6度の2位を獲得したマルケス兄は、緒戦となった第2戦スペインGPで転倒を喫した際に右上腕を骨折して長期欠場している間に、21歳のファビオ・クアルタラロ、25歳のブラッド・ビンダー、25歳のミゲール・オリベイラ、25歳のフランコ・モルビデッリが初優勝を挙げ、23歳のジョアン・ミル、23歳のフランチェスコ・バグナイアが初表彰台を獲得。25歳のジャック・ミラーが総合3位に進出。

若手の台頭が著しい中、全戦でポイントを連取したが、過去最小となる76ポイント、6戦の平均順位が5.5位ながら、昨年3月の開幕戦カタールGP以来、今季初めてポイントリーダーに浮上したアンドレア・ドビツィオーソは、「タイヤが機能するようにライディングスタイルの変更が要求されるけど、まだできていない。走行ラインやフロントタイヤの使い方を変更しているところ。すごく厳しかったレース、悪かったリザルトだったから、チャンピオンシップのリーダーになることを期待していなかった。今季のチャンピオンシップは、多くの理由で本当にストレンジだ」と、レース後に語り、ポジションキープに向けて、プライベートテストで解決策を模索する。

ホームレースで今季2度目の表彰台争いを繰り広げた、もう1人のベテラン、バレンティーノ・ロッシは、「チャンピオンシップは興味深くなっている。タイトル争いをするためには、もっと速くならなければいけないけど、ハッキリとした有力候補はない」と、2009年以来となるタイトル獲得を虎視眈々と狙う。

今季初優勝を挙げ、19ポイント差の総合7位に浮上したモルビデッリは、「非常に激しい戦いだ。非常に強力なライダーとバイクがあり、明確な候補がいない。誰もが勝ちたくないように思われるけど、実は誰もが勝利を望んでいる。」

3連戦に欠場した後で初表彰台を獲得して総合14位に浮上したバグナイアは、「複数のサーキットで2連戦が開催され、今年のタイヤやその他の要因で、1戦目で速くなくても、2戦目に速く走ることができ、競争は昨年以上。タイヤに複数の選択肢があることも、例年と違う。」

今季2度目の表彰台を獲得して、16ポイント差の総合4位に浮上したミルは、「ハッキリとした候補者はいない。複数のバイクのパフォーマンスが非常に似ている。それぞれに長所と短所がある。バイクの戦闘力は平等で、多くのライダーたちは速い。シーズンがどう終わるのか楽しみ」と、決勝レース後の共同会見に出席した3人がチャンピオンシップを分析した。

第8戦エミリア・ロマーニャ&リビエラ・ディ・リミニGPは、今週末にミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催。火曜には当地でプライベートテストが開催される。

総合1位から10位までのポイント差(6戦終了時点)
2020年:28ポイント差
2019年:77ポイント差
2018年:54ポイント差
2017年:65ポイント差
2016年:79ポイント差
2015年:86ポイント差
2014年:116ポイント差
2013年:87ポイント差
2012年:103ポイント差
2011年:83ポイント差
2010年:106ポイント差
2009年:64ポイント差
2008年:87ポイント差
2007年:76ポイント差
2006年:59ポイント差
2005年:112ポイント差
2004年:93ポイント差
2003年:101ポイント差
2002年:117ポイント差

ワールドスタンディング(6戦終了時点)
2020年:ドビツィオーソ(76ポイント)
2019年:マルケス(115ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2018年:マルケス(95ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2017年:ビニャーレス(105ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2016年:ロレンソ(115ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2015年:ロッシ(118ポイント)→ チャンピオン:ロレンソ
2014年:マルケス(150ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2013年:ペドロサ(123ポイント)→ チャンピオン:マルケス
2012年:ロレンソ(140ポイント)→ チャンピオン:ロレンソ
2011年:ストーナー(116ポイント)→ チャンピオン:ストーナー
2010年:ロレンソ(140ポイント)→ チャンピオン:ロレンソ
2009年:ロッシ(106ポイント)→ チャンピオン:ロッシ
2008年:ロッシ(122ポイント)→ チャンピオン:ロッシ
2007年:ストーナー(115ポイント)→ チャンピオン:ストーナー
2006年:カピロッシ/ヘイデン(99ポイント)→ チャンピオン:ヘイデン
2005年:ロッシ(145ポイント)→ チャンピオン:ロッシ
2004年:ロッシ/ジベルナウ(126ポイント)→ チャンピオン:ロッシ
2003年:ロッシ(135ポイント)→ チャンピオン:ロッシ
2002年:ロッシ(145ポイント)→ チャンピオン:ロッシ

VideoPass(ビデオパス)』では、第7戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの決勝レースをオンデマンドで配信