『MotoGP™クラス』は、シーズンの前半戦最後となる第8戦エミリア・ロマーニャ&リビエラ・ディ・リミニGPを終了。7戦が終了した時点でファビオ・クアルタラロ、ブラッド・ビンダー、アンドレア・ドビツィオーソ、ミゲール・オリベイラ、フランコ・モルビデッリ、マーベリック・ビニャーレスの6人が優勝、4人が初優勝を挙げた。
1949年に始まったチャンピオンシップにおいて、シーズン最多勝者が記録されたのは、全18戦が開催された4年前の2016年。マルク・マルケス(5勝)、ホルヘ・ロレンソ(4勝)、バレンティーノ・ロッシ(2勝)、カル・クラッチロー(2勝)、ジャック・ミラー、アンドレア・イアンノーネ、マーベリック・ビニャーレス、ダニ・ペドロサ、アンドレア・ドビツィオーソの9人が優勝。
当時は、7戦が終了した時点で、優勝者はマルケス、ロレンソ、ロッシの3人だったが、シーズンを通じて、ミラー、イアンノーネ、クラッチロー、ビニャーレスの4人が初優勝を挙げていた。
2019年に優勝12回、2位6回を獲得して、圧倒的な強さを誇示したマルク・マルケスが緒戦となった第2戦スペインGPで右上腕骨を骨折。チャンピオン不在の中、ポイントリーダーに進出するのは、2017年から3年間連続して総合2位に進出したドビツィオーソ。
現行のポイントシステムが施行された1993年以降、7戦が終了した時点で、ポイントリーダーの獲得ポイント数は、過去最少の84ポイント。
最後に84ポイントを下回ったのは1985年。当時の優勝ポイントは15ポイント。2クラスにダブル参戦していたレジェンドのフレディ・スペンサーが優勝3回(15x3)、2位3回(12x3)を記録して、81ポイントだった。
12年前に最高峰クラスに昇格したドビツィオーソは、1年目の2008年から7戦が終了した時点で57ポイント(総合6位)、69ポイント(総合4位)、91ポイント(総合3位)、99ポイント(総合3位)、76ポイント(総合5位)、65ポイント(総合6位)、71ポイント(総合5位)、83ポイント(総合4位)、43ポイント(総合9位)、104ポイント(総合2位)、66ポイント(総合9位)、103ポイント(総合2位)。100ポイント以上を稼いだときも含めて、13年目で初めてポイントリーダーに進出。
「最終的に幾つかのポイントを持ち帰り、まだポイントリーダーに位置するけど、当然、レースには満足できない。チャンピオンシップは折返しを迎えるけど、表彰台争いに戻れることができれば良いけど、スピードは十分でない。確かなことは、諦めていないこと。ミサノではグリップがあったけど、バルセロナでは、あまりないことを期待する。」
今季2度目の0ポイントで、26ポイント差の総合9位に後退したロッシは、「戦闘的ではなかった。チャンピオンシップを争うには十分な戦闘力がない。もっと速くなる必要がある。加速でのグリップが必要。リアのグリップが現時点で長所ではない。」
「ポイント差が少ないことから、チャンピオンシップが話題となる。今回はポイントを失ってしまったけど、全てがオープンだ。どんなことでも起こり得るだろう。誰にとってもオ0プンな状況だけど、僕たちは戦闘力になるために、スピードを見つけなければいけない」と、可能性と課題を説明。
今季の初優勝で1ポイント差に接近したビニャーレスは、「メンタリティは今までと同じ。チャンピオンシップのことを考えない。ライダーとして全てのポテンシャルを引き出すこと、1戦ごとに取り組むことだ」と、シーズンに取り組む姿勢を説明した。