「いつも夢を追いかけ、勝つことを考えます」

チームマネージャーとして20周年を迎えた2017年のインタビューで、モーターサイクルへの情熱と献身を語っていた。

「いつかトラックにいることを夢に見ていました。例えそれが最後でも、トラックにいたかったです」と、現役時代最後の優勝、通算21勝目となった1992年8月の第11戦イギリスGPから25年後にチャンピオンシップのオフィシャルウェブに語り、多くのファンが心を打たれ、魅了された。

イタリア・イモラ出身のファウスト・グレシーニは、イモラ・サーキットことアウトドローモ・インテルナツィオナーレ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリでレースを見ながら育ち、キャリアを始めた当初は、「経済的な可能性がなかったことから、午後は当時のボスと一緒に序盤戦で使用したバイクの作業に取り組んでいました。」

1983年、MBAチームから世界舞台でのキャリアを始め、軽量級を代表していた同胞のエウジーニョ・ラッツァリーニ、ピエール・パオロ・ビアンキとのバトルに何度か競り勝ち、1985年には移籍したチーム・イタリアで初タイトルを獲得。

「夢が叶いました。」

翌年、チームに加入したルカ・カダローラがチャンピオンシップを制したが、1987年には全11戦で開幕から10連勝(1986年の最終戦から史上最多タイとなる11連勝)を達成してタイトル奪還に成功。

「ライダーとしてやってきたことに満足しています。もっとできましたが、良い経験になりました。」

1994年に現役からの引退を決断。12年間のキャリアに終止符を打ったが、「ライダーとしてのキャリアを終え、別のキャリアを始めることを考えるのは簡単ではありませんでした。」

現役時代のライバルの1人だったロリス・カピロッシのコーチを務めた後、アレックス・バロスと共にホンダ・ブラジルに提案するために大西洋を渡った。

「情熱と紙面上のプロジェクトしか持ち合わせがなかったです。」

1997年にチームを設立。第11戦イギリスGPの最高峰クラスで初表彰台を獲得すると、2年後の1999年には、ロリス・カピロッシと共に中量級に参戦して総合3位を獲得。

2000年、加藤大治郎を起用。「チーム内ではイタリア語と英語を使用して会話をしていました。彼は日本語しか話せませんでしたが、機能していました。1年目はグッドなシーズンとなり、2年目には大差でタイトルを獲得しました。」

2002年、加藤と共に最高峰クラスに復帰。「直ぐにグッドなリザルトを獲得しましたが、2年目の開幕戦で彼は命を落としました。それは大変困難な時期でした。自分の仕事が本当に好きなのか、何か違うことができたのか、何かミスを犯したのかどうかを理解するために全ての行為について自問しました。」

悲劇に直面したグレシーニは、自身の経験に目を向けることで、継続する力を見つけることができ、「幸運だったのは、私自身がライダーであり、ライダーのリスクを知っていることでした。彼は我々にレースを続けるように頼むだろうと常に思いました。そして次のレースで彼のチームメイト、セテ・ジバルナウが勝ちました。これはチームとして最高峰クラスでの初優勝でした。」

「最後のレースだと決して考えません。常に夢を追いかけ、常に勝つことを考えます」と、現役時代の最後の優勝を回想した。

「常に勝利者になるための動機を持つ必要があります。チームマネージャーになったとき、結果を追求するという決意が役に立ちました。」

2010年、マルコ・シモンチェリがチームに加入。「ホンダは彼のようなライダーを起用することを喜び、2年目から結果が出始めましたが、呪われた日曜日により、彼を連れて行ってしまいました。私は2人のライダーを失いました。チームマネージャーとしてのキャリアは簡単ではありません。このような状況を克服することは決して容易ではありません。」

「チームマネージャーとして20年間、モーターサイクルのページに多くの歴史を書き留めました。重要なことを表現し、そのことを誇りに思います。毎日をモーターサイクルに捧げます。今日のこのスポーツは、私がキャリアを始めたときとは全く異なり、ライダーとして、そしてチームマネージャーとしての進化を経験しました。安全面のために、最高のバイクを開発するために多くのことが行われました。この仕事に関与する全ての人たちがモーターサイクルの改善に貢献しており、私はその1人であることを誇りに思います。これが最も重要なことです。」

12月14日、国際ロードレーシングチーム連盟との間で、インディペンデントチームとして2022年から2026年末までの参戦に関して5年契約を更新。野心的なプロジェクトに向けて準備を開始することを宣言。

2月17日には中量級と軽量級に参戦するチーム体制が発表されていたが、チームマネージャーはボローニャ市内の病院に入院していたために欠席していた。

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