『500ccクラス』で優勝経験があり、『スーパーバイク世界選手権』の参戦経験があるニュージーランド出身のピットレーンレポーター、サイモン・クラファーがロサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたオフィシャルテストを総括。第5章は、コンセッションの優遇措置を唯一受けるアプリリアに焦点を当てる。
「対戦相手のチームを含めて、ピットレーンでアプリリアに関して話題にすると、誰もがこの冬にノアーレの工場で達成したことに感銘を受けたことを認めました。これはカタールに持ち込んだマシンが総合的に刷新されただけでなく、それが機能したからです。アレイシ・エスパルガロは少なくても転倒するまでは、全てのセッションで速かったです。」
「アプリリアの新しいシリンダーヘッド(2020年のセパンで初めて90度V型エンジンを搭載)は、全ての回転域でより多くのパワーとトルクを提供します。新しいシャーシがそのエンジンを包み込み、新しい2本のエキゾーストが取り付けられ、高速、中速、低速のダウンフォースウィングから構成される新しいウィングクラッドボディワーク、そして、新しいカーボンファイバーのスイングアームの上には、新しい形状のシートとテールユニットが装着されていることを確認しました。2020年型の原型はあまり残っていません。そして、昨年搭載したフロントのスタートディバイスに加え、今回はリアのスタートディバイスを投入しました。アレイシのスタートは、ジャック・ミラーに次ぐスピードと一貫性があるようでした。」
「私はアプリリアに対して本当に興奮しています。アプリリアに誇りをもたらすリザルトを獲得できるマシンだと言えるでしょうか?アレイシが転倒せず、レースシミュレーションをキャンセルしなかったら、上手く答えられると思いますが、その前日に見せた走りは印象的でした。私が把握する全ての知識から、表彰台を争う大きなグループで走るためのスピードとレースペースがあります。」
「アレイシは、データを収集するために、そして方向性を決めるために、2、3人、または4人のライダーを起用するメーカーと比較すれば、時々孤独を感じていると理解します。これは容易なことではありませんが、アレイシとアプリリアのハードワークがしっかりした結果に移行すべきという事実は変わりません。そして、次のレース、次のレースへと築き上げます。結果を残せない場合、ファンにとってはデジャブーのように感じることでしょう。2021年のアプリリアは、私のキャリアで見た中で最も戦闘力のあるアプリリアであることから、大きなプレッシャーがあります。」
73年目を迎えるチャンピオンシップのオープニングラウンド、開幕戦カタールGPは、今週末の3月26日に初日、28日に決勝レースが開催。サイモン・クラファーがピットレーンレポーターを務める国際中継は、3クラスの全戦全セッションを完全網羅の生中継で配信。