『500ccクラス』で優勝経験があり、『スーパーバイク世界選手権』の参戦経験があるニュージーランド出身のピットレーンレポーター、サイモン・クラファーが右上腕骨骨折から回復したマルク・マルケスの復帰について見解を示す。
「マルク・マルケスが今週末に復帰することに関して、大きく話題となり、取り上げられています。これは当然のことです。右上腕の不運な怪我を負うまで、彼は誰もが認める『King of MotoGP』でした。戦列から長く離れている間に、ヤングガンたちは彼の不在の中で開花しました。技術も進歩しました。誰もが口にするのは、マルクが直ぐに以前のように支配するのか、そうではないのか?ということです。」
「確実な回答はありませんが、経験に基づいて幾つかの考えを共有できれば嬉しいです。しばらくバイクから離れると、誰もが大変心配になります。これは全ての競技におけるほぼ全てのスポーツ選手に影響を与える人間の特性だと思います。」
「プラクティスやフィットネスから離れ、以前のような優位性を与えたスキルを忘れてしまうのではないかと心配になります。これは多くの成功を収めたスポーツ選手が、そうでないスポーツ選手よりも多くのトレーニングに駆り立てられるのと全く同じ特徴だと思います。私がグリッドに立ったとき、誰よりも懸命にトレーニングを積んだライダーがいました。友人であり、トレーニングパートナーのミック・ドゥーハンです。90年代の後半、勝ち続けていたときに私に明かしてくれました。」
「ライダーがしばらくレースから離れたとき、限界がどこなのか、成功と怪我の境界線がどこなのかを無意識に知らせてくれる『第六感』がまだあるのかと心配になりますが、実際には、何年に渡って磨き上げたスキル、プッシュ、フィーリング、限界への探求、貴重な知識の構築、本能的な反応に発展した脳との繋がりは忘れません。」
「バイクに戻る初日は、精神的にも身体的にも非常に消耗しますが、良い夜を過ごした後、身体と精神は直ぐに順応します。2日目は身体に痛みがありますが、戦列からほとんど離れていなかったような感覚を覚えるでしょう。」
「さらに、信じられないほどのスキルと決定力が加わり、我々はマルク・マルケスの目撃者となり、私と同じ結論に至ると思います。考えられる結果は1つだけです。マルクはもう一度我々を驚愕させるでしょう。」
73年目を迎えたチャンピオンシップの3戦目、ポルトガルGPは、今週末の4月16日に初日、18日に決勝レースが開催され、サイモン・クラファーがピットレーンレポーターを務める国際中継は3クラスの全セッションを完全網羅の生中継で配信。