『MotoGP™クラス』プレビュー~白紙状態か、王者の帰還か

好調ザルコ、ミル、オリベイラらがクアルタラロに挑戦、絶対的勝者がザクセンリンクに戻る

第8戦ドイツGPは、ザクセンリンクで6月18日に初日、20日に決勝レースを開催。前戦カタルーニャGPで5戦連続のポールポジションから2度のペナルティが科せられて6位だったポイントリーダーのファビオ・クアルタラロは2年前に2番グリッドから転倒リタイアを喫した当地でライバル勢の挑戦を受ける。

総合6位のマーベリック・ビニャーレスは、前戦後のオフィシャルテストで1番手に進出。新たに就任したクルーチーフ、シルヴァーノ・ガルブセラとの理解度を深めながら、2年前に2位に進出したザクセンリンク対策を講ずれば、総合10位のフランコ・モルビデリは第5戦フランスGPで痛めた膝の状態を考慮して、僅か29ラップの周回でテスト終了。

総合19位のバレンティーノ・ロッシは、ペースの改善に努めながら72ラップを周回。将来の去就を決断するサマーブレイクを直前に控えた2連戦に向けて、好感触を掴んだ。

トップ奪回を狙うドゥカティ勢
ライダー部門、コンストラクター部門、チーム部門でヤマハ勢に次ぐ2番手に位置するドゥカティが当地での優勝を挙げたは2008年の1度だけ。総合2位のヨハン・ザルコ(14ポイント差)、総合3位のジャック・ミラー(25ポイント差)、総合4位のフランチェスコ・バグナイア(27ポイント差)、負傷から復帰2戦目となる総合17位のホルヘ・マルティンは、全長3671メートルのトラックをどのように攻略するのかに注目が集まる。

スズキ、狙うは13年ぶりの表彰台、22年ぶりの優勝
スズキが最後に表彰台を獲得したのは2008年のクリス・バーミューレン。優勝は1999年のケニー・ロバーツ・ジュニア。総合5位のジョアン・ミル(37ポイント差)はオフィシャルテストを利用して細かいところの調整を進めて4番手に進出すれば、右手首骨折で欠場した総合15位のアレックス・リンスは週末にミニバイクを走行。回復具合を確認した。

KTM、過去最高位は2018年の10位
改良型フレームが投入された2連戦で、ミゲール・オリベイラは2位と1位。総合20位から7位にジャンプアップすれば、ブラッド・ビンダーは5位と8位に進出して総合11位から9位に浮上。オフィシャルテストでは2022年を視野に入れたテストプログラムに着手すれば、そのテストで改良型フレームが準備された総合16位のダニロ・ペトルッチと総合20位のイケル・レクオナは、ザクセンリンとアッセンの2連戦で戦闘力と存在感を見せたいところ。

2002年以降14勝を誇るホンダ
総合11位の中上貴晶、総合12位のポル・エスパルガロ、総合14位のアレックス・マルケスは、オフィシャルテストで積極的にテストプログラムに取り組みながら約70ラップを周回。収集したデータを参考に、多くの表彰台を獲得してきたトラックで上位進出を狙う。

キャリアで初めて3戦連続の転倒リタイアを喫した総合18位のマルク・マルケスは、軽量級でタイトルを獲得した2010年から10年連続、最高峰クラスに昇格した2013年から7年連続してポール・トゥ・ウインを達成した当地に乗り込むが、前戦終了後には、勝てないことを覚悟していることを告白。翌日のオフィシャルテストで最多の87ラップを周回した後、復帰後、初めての左回りトラックに挑む。

戦闘力が問われるアプリリア
開幕から全てのサーキットで戦闘力の高さを証明。右前腕の検査を受けるためにオフィシャルテストをキャンセルした総合8位のアレイシ・エスパルガロは、2017年の7位越えを目指す。

『MotoGP™クラス』の決勝レースは、6月20日現地時間14時00分、日本時間21時00分にスタート。『motogp.com』ではフリー走行1から全セッションの生中継で配信。

タイムスケジュール
6月17日(木)
17時00分(00時00分):プレスカンファレンス
6月18日(金)
09時55分(16時55分): フリー走行1(45分間)
14時10分(21時10分): フリー走行2(45分間)
6月19日(土)
09時55分(16時55分): フリー走行3(45分間)
13時30分(20時30分): フリー走行4(30分間)
14時10分(21時10分): 公式予選1(15分間)
14時35分(22時35分): 公式予選2(15分間)
17時00分(00時00分):公式予選プレスカンファレンス
6月20日(日)
09時40分(16時40分): ウォームアップ走行(20分間)
14時00分(21時00分): 決勝レース(30ラップ)
15時45分(22時45分): 決勝レースプレスカンファレンス

過去の決勝レースリザルト
2019年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)+4.587秒差
3位:カル・クラッチロー(ホンダ)+7.741秒差
2018年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+2.196秒差
3位:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)+2.776秒差
2017年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:ジョナス・フォルガー(ヤマハ)+3.310秒差
3位:ダニ・ペドロサ(ホンダ)+11.546秒差
2016年-ウェットコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:カル・クラッチロー(ホンダ)+9.857秒差
3位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+11.613秒差
2015年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:ダニ・ペドロサ(ホンダ)+2.226秒差
3位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+5.608秒差

最先端の多視点観戦、マルチスクリーンを提供する『VideoPass(ビデオパス)』では、第8戦ドイツGPのフリー走行1から決勝レースまで全セッションを完全網羅の生中継で配信