『MotoGP™クラス』プレビュー~リセット、リロード、ゴー!

チャンピオンシップが初開催された1949年から2019年まで唯一毎年開催されてきた伝統の舞台『カテドラル(大聖堂)』に戻る

第9戦TTアッセンは、TT・サーキット・アッセンで6月25日に初日、27日に決勝レースを開催。前戦ドイツGPで今季5度目の表彰台を獲得したポイントリーダーのファビオ・クアルタラロが2年前に3位表彰台を獲得した当地で、追走するドゥカティ勢の挑戦を受け、1レース分(25ポイント)までのアドバンテージ拡大を目指す。

最多勝を誇るヤマハ
コンストラクター部門で総合1位、チーム部門でファクトリーチームのモンスターエナジー・ヤマハが総合1位に進出するが、総合6位のマーベリック・ビニャーレスは完走したレースでワーストとなる19位。レース後に欲求不満を漏らしたが、2年前に優勝を挙げ、2002年以降ヤマハが最多10勝を挙げたトラックでデータ収集に専念しながら解決策を追求する。

総合19位のバレンティーノ・ロッシは、3年前に最後の優勝を挙げ、8度の優勝経験があるトラックで厳しい状況からの脱出を図るが、総合11位のフランコ・モルビデリは、痛めていた左膝をトレーニング中に負傷したことから欠場。代替はスーパーバイク世界選手権で総合6位に進出するギャレット・ガーロフ

ポイントリーダーに挑戦するドゥカティ勢
コンストラクター部門で総合2位、チーム部門で総合2位と3位に進出するドゥカティ・レノボ・チームとプラマック・レーシング。第6戦イタリアGPに続き、今季2度目の表彰台獲得を逃し、伝統のサーキットでは過去に1度しか優勝を記録していないが、優勝経験がある総合2位のヨハン・ザルコ(22ポイント差)、総合3位のジャック・ミラー(31ポイント差)、総合4位のフランチェスコ・バグナイア(32ポイント差)がクアルタラロとのポイント差を詰めに行く。

ラスト3戦で最多ポイントを稼ぐKTM
序盤の苦戦を覆すように改良型フレームを投入した第6戦イタリアGPからミゲール・オリベイラが2位、1位、2位。ブラッド・ビンダーは5位、8位、4位に進出し、コンストラクター部門で総合3位、チーム部門では4位に浮上。過去、2017年の2019年の11位が最高位だったが、参戦5年目で初の4戦連続表彰台を狙う。

巻き返しを図るスズキ
昨年初めてチーム部門を制したチーム・スズキ・エクスターだが、前戦で総合4位から5位に後退。初タイトルを狙うコンストラクター部門は70ポイント差の総合4位に位置するが、総合14位のアレックス・リンスは3年前に2位を獲得。総合5位のジョアン・ミルと共に高い旋回性を発揮して上位進出を目指す。

22戦ぶりに優勝を挙げたホンダ
左回りのザクセンリンクで11連勝を挙げた総合10位のマルク・マルケスは、12の右コーナーと6の左コーナーの右周りトラックに挑戦。身体的な制限があるが、来季を視野に入れながら、回復プロセスを段階的に進めて行く。

10位でレースを終えた後、同僚のシャーシ、セッティング、走行ラインをコピーすることを宣言した総合12位のポル・エスパルガロは、今週末から仕切り直し、総合16位のアレックス・マルケスは、昨年の開催がキャンセルだったことから初挑戦となる。

総合13位の中上貴晶にとっては、5年前にキャリア初優勝を挙げた思い出のサーキット。最高峰でクラスは2018年に19位、2020年は他車の転倒に巻き込まれて転倒リタイアを強いられたが、5戦ぶりのトップ5入り、そして最高峰クラスでの初表彰台を狙う。

昨年越えを達成したアプリリア
前戦で総合9位のアレイシ・エスパルガロが公式予選で2000年10月の最終戦オーストラリアGP以来、『MotoGP™クラス』では初めての1列目を獲得。決勝レースでは7位に進出したことで、コンストラクター部門で昨年の51ポイントを上回る54ポイントに到達。2016年の101ポイントが現実的な目標となり、『MotoGP™クラス』で初のトップ5、2000年7月の第9戦イギリスGP以来となる通算4度目の表彰台に向けて挑戦する。

『MotoGP™クラス』の決勝レースは、6月27日現地時間14時00分、日本時間21時00分にスタート。『motogp.com』ではフリー走行1から全セッションの生中継で配信。

タイムスケジュール
6月24日(木)
17時00分(00時00分):プレスカンファレンス
6月25日(金)
09時55分(16時55分): フリー走行1(45分間)
14時10分(21時10分): フリー走行2(45分間)
6月26日(土)
09時55分(16時55分): フリー走行3(45分間)
13時30分(20時30分): フリー走行4(30分間)
14時10分(21時10分): 公式予選1(15分間)
14時35分(22時35分): 公式予選2(15分間)
17時00分(00時00分):公式予選プレスカンファレンス
6月27日(日)
09時40分(16時40分): ウォームアップ走行(20分間)
14時00分(21時00分): 決勝レース(26ラップ)
15時45分(22時45分): 決勝レースプレスカンファレンス

過去の決勝レースリザルト
2019年-ドライコンディション
優勝:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2位:マルク・マルケス(ホンダ)+4.854秒差
3位:ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)+9.738秒差
2018年-ドライコンディション
優勝:マルク・マルケス(ホンダ)
2位:アレックス・リンス(スズキ)+2.269秒差
3位:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)+2.308秒差
2017年-ウェットコンディション
優勝:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2位:ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)+0.063秒差
3位:マルク・マルケス(ホンダ)+5.201秒差
2016年-ウェットコンディション
優勝:ジャック・ミラー(ホンダ)
2位:マルク・マルケス(ホンダ)+1.991秒差
3位:スコット・レディング(ドゥカティ)+5.906秒差
2015年-ドライコンディション
優勝:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2位:マルク・マルケス(ホンダ)+1.242秒差
3位:ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)+14.576秒差

最先端の多視点観戦、マルチスクリーンを提供する『VideoPass(ビデオパス)』では、第9戦TTアッセンのフリー走行1から決勝レースまで全セッションを完全網羅の生中継で配信