セーフティレギュレーションの改訂

エントリーリストの人数と年齢制限の変更、ライダーエキップメントとライダーコミュニケーションの向上

国際モーターサイクリズム連盟ドルナスポーツで構成される『Permanent Bureau(パーマネントビューロー)』は22日、第16戦エミリア・ロマーニャGPの開催地ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで新たな安全規制の更新を定義する目的で会合を開き、重要な4つの分野に関して規則の変更を発表した。

パーマネントビューローは、国際ロードレーシングチーム連盟、モータースポーツ製造者協会を含む全てサーキット及びロードレーシングの関係者と長年に渡って緊密に協力し合い、可能な限り安全なスポーツにするために取り組んできた。全ての関係者とファンは、モーターサイクルレースが危険であることを認識するが、日々の安全とスポーツが世界規模で成長し続けることを保証しながら、全ての団体は継続的な改善と進化に取り組んでいる。

絶え間ない検証と改訂のプロセスを通じて、パーマネントビューローと全ての関係者のコミットメントは、10年以上に渡り、ライダーたちで構成されるセーフティ委員会と緊密に協力し合い、モーターサイクルレースの安全面に大幅な改善をもたらしている。

この進歩に基づき、モーターサイクルレースのリスクを可能な限り最小限に抑えることを目的に、4つの主要な分野において、追加の安全規制と改善を施行。これらの重要な分野は、各シリーズの最低年齢制限とエントリーリストのサイズ、及びライダーのエキップメントとコミュニケーションの改善に関する開発のプロジェクトを示す。

エントリーリストの人数と年齢制限
今後のシーズンにおいて、各シリーズのトラック上の競争者数は、次のように制限される。その上、各クラス、シリーズ、チャンピオンシップの年齢制限が施行される。

年齢制限は、世界的に実施される政策の一部として導入され、全てのレベルにおいて、国際モーターサイクリズム連盟が識別可能な違いをもたらすために、国連盟及び大陸連盟によって遵守されることを保証する。

モーターサイクルレースの各カテゴリーの最低年齢を引き上げることは、キャリアの開始と継続において、全てのライダーたちにより安全な進路を確保するための決定であり、特定のカテゴリーの年齢制限を引き上げることで、様々な国や大陸間の同等性が高まり、競技が平準化され、各ライダーが世界中の様々なカテゴリーで同様な経験を積むことが許されるようになるため、アクセシビリティが向上する。

2022年から、ドルナスポーツが主催及び支援する『ヨーロピアン・タレント・カップ』、『ブリティッシュ・タレント・カップ』、『ノーザン・タレント・カップ』、『アジア・タレント・カップ』及び『Moto3™クラス』以前のシリーズでは、最低年齢が13歳に引き上げられ、各グリップの競争者数は最大で30名とする。

『レッドブル・ルーキーズ・カップ』の最低年齢は、14歳に引き上げられる。

『Moto3™ジュニア世界選手権』は、最低年齢が14歳から15歳に引き上げられ、各レースの競争者数は最大で32名とする。

『スーパースポーツ300世界選手権』は、最低年齢が15歳から16歳に引き上げられ、最大で32名がグリッドに並ぶことができる。

2022年シーズンは、2021年シーズンに同じクラスに既に参戦したライダーに対して、レースを継続できるように例外が認められる。

2023年以降は、提案は次のように年齢制限がさらに引き上げられる。
『ヨーロピアン・タレント・カップ』、『ブリティッシュ・タレント・カップ』、『ノーザン・タレント・カップ』、『アジア・タレント・カップ』を含む、グレートA、B、またはCのホモロゲーションを所有する、または所有していた全てのサーキットを含むグランプリタイプのサーキットで開催される全てのレースでは、最低年齢14歳が適用されなければいけない。

『MotoGP™世界選手権』のどのクラスに参戦するライダーの最低年齢は18歳に引き上げられる。これは現在の最低年齢である16歳の『Moto2™クラス』と『Moto3™クラス』が含まれる。

『Moto3™ジュニア世界選手権』及び『レッドブル・ルーキーズ・カップ』のチャンピオンは、17歳から『Moto3™クラス』に参戦することができる。2023年シーズンに限り、2022年に『Moto3™クラス』に既にエントリーしているライダーには、継続参戦が例外として許可される。

『Moto3™ジュニア世界選手権』と『Moto2™欧州選手権』の最低年齢は16歳。『レッドブル・ルーキーズ・カップ』は最低年齢が14歳から15歳に引き上げられる。

2022年に適用される同じ哲学(2021年に既に参戦するライダーの場合)で、2022年にタレントカップに既に参戦するライダーには例外が認められ、2023年に同じクラスに参戦を続けることができる。

「スーパースポーツ世界選手権」の最低年齢は18歳に引き上げられる。

ライダーエキップメント
2022年以降、国際モーターサイクリズム連盟が主催する全てのスプリント・サーキット・レースのチャンピオンシップにおいて、エアバッグが義務付けられる。

『サイドカー世界選手権』では、既知のアルゴリズムがパッセンジャー(側車に乗り込む操縦者)に有効かどうかを判断するためのテストが進行中で、これらのテストにより、2022年以降、全ての参戦者がエアバッグを使用できるかどうかを知ることができる。

ライダーの安全装置は、この数十年に渡って大幅に改善され、レーザー、グローブ、背中と胸部のプロテクター、ブーツから公認ヘルメット、革新的なエアバックシステムに至るまで、業界全体の改善により、改善が継続されている。モーターサイクルを高速で走らせることは、かつてないほど安全であり、これらの改善がライダーを怪我から保護することに役立ち、多くの場合、トラック上の安全性の本質を含め、乗り心地を損なうことなく、人命を救うことに役立っている。

アラゴンGPの開催中には、レーザーとヘルメットのサプライヤー、テクニカルスタッフ、医療関係者を含む全てのパートナーたちと最初の協議が行われ、ライダーエキップメントが提供する保護レベルの向上に向けた次のステップにおいて、ライダーまたはバイクとの衝撃、特に胸や首への衝撃から保護することに重点が置かれた。

全ての関係者は、これらの領域を改善し、この課題に可能な限り安全かつ迅速に対応すると同時に現在の高いレベルの保護が損なわれないようにすることが約束されている。

ライダーコミュニケーション
ダッシュボードテクノロジー、サーキットのハイテクライトパネル、マーシャルポストとレースディレクション間のインスタントチャンネルと共に、近年、ライダー、ピットウォール、レースディレクションの間のコミュニケーションの容易さと速度は大幅に向上され、より安全な環境に貢献している。

トラック上の全ての競争者たちの安全性を高めるための次のステップは、クラッシュが発生した際に、ライダーまたはバイクに可能な限り早く伝えることで、そのことに焦点を合わせる。

ライダーエキップメント、モーターサイクル、及び各サーキットの周辺で必要なテクノロジーの導入と実装に関する協議を図るために、全てのパートナーとテクニカルサプライヤーとの間で最初の会合が既に行われ、その目的は後続のライダー/モーターサイクルに自動的でほぼ瞬時に警告するシステムを実装すること。最初のテストは、2022年シーズンの開始と同時に始まり、システムはタレントカップを含む全てのレベルのチャンピオンシップに適用可能である必要がある。

 

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