74年目を迎えるチャンピオンシップは、今週末に開催19年目を迎え、16年連続の開幕戦に指名された『Lusail International Circuit(ルサイル・インターナショナル・サーキット)』でカタールGPを開催。ドゥカティ、ヤマハ、スズキ、ホンダ、KTM、アプリリアの6メーカー、昨年から1チーム増えた12チーム、24人のレギュラーライダーたちがタイトル獲得に向けて、挑戦を始める。
ファビオ・クアルタラロがタイトル連覇に向けて始動
フランス史上初のチャンピオンに輝いたクアルタラロは、プレシーズンのオフィシャルテストを通じて、トップスピード不足を訴えていたが、ペースに関しては、一貫した走りを披露。昨年当地で開催された2連戦では5位と1位を獲得。
ファクトリーチームから本格的に始動するフランコ・モルビデリは、テストで際立つリザルト、パフォーマンスを見せなかったが、最終日に4番時計を刻み、総合5番手に浮上。着実にステップアップすれば、ドゥカティ機からヤマハ機、V4型エンジンから並列4気筒エンジンへの乗り換えに時間を費やしているアンドレア・ドビツィオーソだが、2018年から2年連続優勝、2015年から5年連続して表彰台を獲得した当地で、順応プロセスを加速させたいところ。
開幕戦優勝を狙うドゥカティ勢
2度のオフィシャルテストでは、際立った結果を残せなかったファクトリーチームの両雄、フランチェスコ・バグナイアとジャック・ミラーだったが、速さを証明したドゥカティ機を更に進化させるためのテストプログラムに専念。
昨年連続2位のヨハン・ザルコ、2戦目にポールポジションから3位表彰台を獲得したホルヘ・マルティン、テストで1番時計を刻んだエネア・バスティアニーニとルカ・マリーニら6人のドゥカティ勢が2019年ぶりとなる開幕戦優勝を狙う。
昨年の4位以上が狙うスズキの両雄
昨年の1戦目はジョアン・ミル、2戦目はアレックス・リンスが当地におけるスズキの最高位4位に進出したが、3度のオフィシャルテストを通じて、『GSX-RR』のスピードと戦闘力が増していることに手応えを掴み、操縦性のアドバンテージは維持されていることから、2002年以来となる開幕戦表彰台、1999年以来となる開幕戦優勝を狙う。
ラジカル的に大幅な変化を遂げた『RC213V』を投入
取締役レース運営室室長の桒田哲宏は、チーム発表会の際に「最大の変化。コンセプトはパフォーマンスを向上させるために『自分たちの殻を破る』ということで、この2年間とは全く違うマシンとなり、エンジン、シャーシ、電子制御を変更しました。この新しいコンセプトを昨年から採用しており、パフォーマンスは既に確認済みで、弱点を改善する効果があることを確認できました。22年型マシンは同じ方向でさらに進化させました」と説明。
その発言を実証するように、ポル・エスパルガロ、アレックス・マルケス、中上貴晶は、リアグリップの向上を歓迎。エスパルガロ弟はインドネシアで開催されたオフィシャルテストで初めての総合1番手に進出すれば、マルケス弟もマレーシアのオフィシャルテストで好走。
斬新的な変化に適応しなければいけないマルク・マルケスは、徐々に自分の領域にマシンを合わせ始め、テスト後には、課題のフィジカルトレーニングを再開。タイトル奪回を目指すホンダ勢のオープニングラウンドに注目が集まる。
狙うは過去最高位の8位以上
コンセッションの対象外となってから2年目を迎えるKTMのブラッド・ビンダーとミゲール・オリベイラは、オフィシャルテストでは際立つ数字を残せなかったが、着実にテストプログラムを消化。昨年は技術的な問題からプレシーズンのオフィシャルテストから出遅れたが、オープニングレースで両雄がシングルフィニッシュ、過去最高位の8位以上に挑む。
マーベリック・ビニャーレスが初優勝を狙う
今年開催された2度のオフィシャルテストで戦闘力の高さを証明したアプリリア。アレイシ・エスパルガロは、フライングラップとロングランで速さを見せれば、マーベリック・ビニャーレスは、1発のタイムに固執せず、積極的に暑い時間帯での走行に専念。
昨年終盤から始まったヤマハ機からアプリリア機、並列4気筒エンジンからV4型エンジンへの乗り換え作業を進めながら、『RS-GP』のポテンシャルを引き出し始めていることから、ヤマハ時代に2度目の優勝を挙げた比較的に得意とするトラックで上位進出を虎視眈々と狙う。
5人がプレミアクラスデビュー
中量級から昇格したレミー・ガードナー、ラウール・フェルナンデェス、マルコ・ベツェッキ、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、軽量級から飛び級してきたダーリン・ビンダーがプレミアクラスにデビュー。デビュー戦完走、そしてポイント圏内の進出を狙うが、転倒が原因でスピード感覚を失ったフェルナンデェスの回復具合に注目。
サーキットの名称変更
『Losail International Circuit(ロサイル・インターナショナル・サーキット)』は、カタール政府の意向により、サーキット名を『Lusail International Circuit(ルサイル・インターナショナル・サーキット)』に変更。
天候
3日間晴れが予報され、決勝レース日の最高気温は27度、最低気温は17度。日没時間は決勝レーススタート時の18時00分(日本時間24時00分)前の17時39分。
ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日の写真撮影会とプレスカンファレンス、フリー走行1から決勝レース、国際中継班によるレース分析『アフター・ザ・フラッグ』、決勝レースプレスカンファレンスまで完全網羅の生中継配信。全てのトラックセッションは、ライブタイミングによるタイム表示を提供する。
開幕戦カタールGPタイムスケジュール
3月3日(木)
15時20分(21時20分):写真撮影会
17時00分(23時00分):プレスカンファレンス
3月4日(金)
13時40分(19時40分):フリー走行1(45分間)
18時00分(24時00分):フリー走行2(45分間)
3月5日(土)
13時15分(19時15分):フリー走行3(45分間)
17時20分(23時20分):フリー走行4(30分間)
18時00分(24時00分):公式予選1(15分間)
18時25分(24時25分):公式予選2(15分間)
19時45分(01時45分):プレスカンファレンス
3月6日(日)
13時40分(19時40分):ウォームアップ走行(20分間)
18時00分(24時00分):決勝レース(22ラップ)
19時10分(01時10分):アフター・ザ・フラッグ
19時45分(01時45分):プレスカンファレンス
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