開幕前に来季の所属先が決定していたのは4人
マルク・マルケス
ホンダ・レーシングは、2020年2月20日にマルク・マルケスとの間で2021年から2024年末まで4年契約の更新に合意したことを発表。契約期間は通常、1年プラス1年延長のオプション、または2年間が支流ながら、史上初となる長期契約はライダー市場に大きな衝撃を与えた。
ブラッド・ビンダー
KTM・ファクトリー・レーシングは、2021年6月1日にブラッド・ビンダーとの間で契約期間を2024年末まで更新したことを発表。KTMに加入した2015年から順調にステップアップを踏み、デビューから3戦目で初優勝を挙げ、プレミアクラス挑戦5年目に初優勝をもたらしたレッドブル・ルーキーズ・カップ出身者を確保。
フランコ・モルビデリ
ヤマハ発動機は、2021年9月16日にフランコ・モルビデリとの間で2023年末までの契約を締結し、サテライトチームからファクトリーチームに昇格させることを発表。総合2位を獲得した2021年シーズンは唯一のチーム契約だった。
ヤマハ・モーター・レーシング・マネジング・ディレクターのリン・ジャービスは、成績不振を理由にサテライトチームへの昇格、または契約解除という一部の報道を否定し、来季も引き続き、ファクトリーチームから参戦することを明言。
フランチェスコ・バグナイア
ドゥカティ・コルセは、2022年2月21日にフランチェスコ・バグナイアとの間で2024年末までの2年契約を更新したことを発表。
スズキ
5月12日、2022年末に参戦を終了する可能性に関して、ドルナスポーツと協議中であることを正式に発表。5月2日にチームの幹部からチームメンバーに活動終了の意向が伝えられ、既に契約交渉の大詰めを迎えていたアレックス・リンスとジョアン・ミルは、他のメーカーとの接触を開始。
アプリリア
5月26日、第8戦イタリアGPの開催地ムジェロ・サーキットで記者会見を開き、2017年から起用するアレイシ・エスパルガロと2021年8月に延長オプション付きの1年契約を結んだマーベリック・ビニャーレスを2023年から2年間起用すると発表。
5月27日、RNF・チームとの間で、2年間の延長オプションを含む2023年から2年間のパートナーシップを締結したことを発表。ジュニアチームとして機能させ、若手を起用する方向で複数のライダーとの接触を開始。4枠をスペイン勢が占める可能性が低く、イタリア出身のヤングライダーを指名する可能性が高い。
ヤマハ
6月2日、ライダー市場の中心的存在となっていた現王者ファビオ・クアルタラロとの間で2023年から2年間の契約に関して合意したことを発表。既にフランコ・モルビデリの2023年起用が決まっていることから、来季のチーム体制が決定。
5月27日、RNF・チームがアプリリアのサテライトチームに移行すると発表したことから、リン・ジャービスは、来季2台体制で参戦することを説明し、注目されていたスーパーバイク世界選手権王者トプラック・ラズガットリオグルがヤマハのライダーとして、プレミアクラスに転向する可能性が消滅。
ヤマハは、昨年9月にアンドレア・ドビツィオーソとの間で1年契約を締結。10月にはダーリン・ビンダーとの間で延長オプション付きの1年契約を結んでいたが、オプションが施行される可能性が消滅した。
KTM
レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングのチームマネージャー、フランチェスコ・グイドッティは、第3戦アルゼンチンGPの開催期間中に、ミゲール・オリベイラとの契約更新、数日後には、延長オプション付きの1年契約を結ぶ2人の新人、レミー・ガードナーとラウール・フェルナンデェスとも継続起用する意向を明かしていたが、第5戦スペインGP以降、ライダー市場の急激な変化と共に複数のライダーたちと接触。
モータースポーツディレクター、ピット・バイラ-は、第8戦イタリアGPの初日にジャック・ミラー、ポル・エスパルガロ、アレックス・リンスと接触があることを認め、ミゲール・オリベイラに対して、サテライトチームに移行する可能性があることを伝えたが、オリベイラ本人は決勝レース後、「テック3のスポットを受け入れず、ファクトリーのシートが欲しいと経営陣に伝えた。他のオプションを考慮に入れる」と、古巣復帰を拒否。
ホンダ
レプソル・ホンダ・チームのチームマネージャー、アルベルト・プーチはヨーロッパラウンドの緒戦、第5戦ポルトガルGPの際にスペインで生中継を配信する『DAZN(ダゾーン)』のインタビューに応え、「我々は通常、6月まで決断を下しません。我々は可能性を確認する必要があり、それに取り組んでいるところです。重要なことはレースが続き、決断するときに決断します」と説明。
LCR・ホンダのチームマネージャー、ルーチョ・チェッキネロは、第7戦フランスGPの開催期間中にフランスの放送局『CANAL+(キャナルプリュス)』のインタビューに応え、「我々はホンダと共に、ライダーたちが自分自身を表現させるために、バルセロナまで、あまり話題にしないことを決めました。6月中旬から、より真剣に検討します」と、アルベルト・プーチと歩調を合せた。
ポル・エスパルガロ、ジョアン・ミル、アレックス・リンスのパーソナルマネージャーは、ホンダと接触したことを明かしていた。
ドゥカティ
ドゥカティ・コルセのスポーティングディレクター、パウロ・チャバッティは、2月のチーム発表会の際に、現在起用する布陣を維持する意向を明かし、「理想は4月、5月前に我々のライダーたちと合意し、ファクトリーチームとサテライトチームに配属すること」と説明していたが、最終的な決断が先延ばしされ、状況を検証。
2022年末まで直接契約を結ぶのは、ジャック・ミラー、ヨハン・ザルコ、ホルヘ・マルティン、エネア・バスティアニーニの4人。
ジャック・ミラーは、第4戦アメリカズGPの際に2018年から所属するドゥカティからの継続参戦を希望。サテライトチームのプラマック・レーシングに復帰することも問わないと打ち明け、第5戦ポルトガルGPの決勝レース後には、古巣LCR・ホンダへの復帰説という報道に関して、「真実はゼロ。オプションを検討するけど、ドゥカティはグッドなホーム。他に行くように僕を説得するには多少の時間がかかるだろう」と噂を一蹴したが、ここに来て、パーソナルマネージャーのアキ・アジョはKTMのピット・バイラ-と接触。
ドゥカティ・レノボ・チームのチームマネージャー、ダビデ・タルドッツィは、第4戦アメリカズGPの際に国際中継のインタビューに応え、「ジャックを失いたくないです。我々ドゥカティとしては、全ては彼を維持する方向で進んでいます」と、契約更新の意向を表明。
サテライトチームに所属するホルヘ・マルティンとエネア・バスティアニーニは、開幕前にファクトリーチームへの昇格を目指すことを宣言。今季3勝を挙げたエネア・バスティアニーニは、所属先は未定ながら、ドゥカティから戦闘力の高いパッケージの提供があったことを喜んだ。
プラマック・レーシングのチーム代表パオロ・カンピノティは、第4戦アメリカズGPの際にヨハン・ザルコの継続起用を要望。ザルコ自身も「パーティーはとても美しい」と笑顔で応え、相思相愛であることを打ち明けていた。
『Mooney VR46 Racing Team(ムーニー・VR46・レーシング・チーム)』のチームマネージャー、パブロ・ニエトは、オフィシャルポッドキャスト『LAST ON THE BRAKES(ラスト・オン・ザ・ブレーキ)』の招待を受けた際に、ルカ・マリーニとマルコ・ベツェッキを継続起用する意向を表明。中量級のポイントリーダー、チェレスティーノ・ヴィエッティの将来に関しては、近々に検討することを明かした。
ルカ・マリーニ、マルコ・ベツェッキ、ファビオ・ディ・ジャンアントニオはチーム契約。