第7戦フランスGPは今週末、ルマンのブガッティ・サーキットで5月13日に初日、14日に公式予選、15日に決勝レースを開催。現地時間14時00分、日本時間21時00分に決勝レースがスタートする。
クアルタラロ&ザルコが54年以来の優勝を狙う
前戦スペインGPで2戦連続3度目の表彰台を獲得したファビオ・クアルタラロは、パンデミックの影響を受けて初めて10月に開催された時以来、2年ぶりにポイントリーダーとしてホームグランプリを迎える。その2年前は9位、フラッグ・トゥ・フラッグとなった昨年は3位に進出。
そのフラッグ・トゥ・フラッグで2位を獲得したのは、前戦後のオフィシャルテストで1番手に進出した総合7位ヨハン・ザルコ。2人のフランス人ライダーがプレミアクラスの表彰台に並んだのは、1954年5月の開幕戦フランスGP、2021年4月の第2戦ドーハGP以来史上3度目。ファビオ・クアルタラロとヨハン・ザルコは、1954年のピエール・モネレット以来67年ぶりとなるフランス人優勝を目指す。
フランチェスコ・バグナイアが目指すのは2戦連続優勝
ドゥカティは昨年の第13戦アラゴンGPから12戦連続、今季の開幕戦から6戦連続の表彰台を獲得し、コンストラクター部門の総合1位を維持。昨年はジャック・ミラーがスペインGPで21年型の初優勝を挙げ、フランスGPで2連勝を達成。今年はフランチェスコ・バグナイアがスペインGPで22年型の初優勝を挙げ、総合10位から5位に浮上。2週間後のホームグランプリ、第8戦イタリアGP前に精神的有利を得るためにライバルのホームで優勝を狙う。
欧州最初の2連戦で期待通りの結果を残せなかった総合3位エネア・バスティアニーニと総合13位ホルヘ・マルティン、開幕から際立つ結果を獲得できなかった総合19位ルカ・マリーニは、仕切り直したいところ。
オフィシャルテストの効果は?
困難な序盤戦となった総合16位フランコ・モルビデリと総合20位アンドレア・ドビツィオーソは、オフィシャルテストで83ラップと66ラップを周回。ヤマハが過去10年間で4勝を挙げたルマンでテスト成果を確認し、ステップ・バイ・ステップで上位陣とのギャップを詰めていきたいところ。
アプリリアの過去最高位は9位
今季3度目の表彰台を獲得し、コンセッションポイントの累積が6に到達したことから、来週予定されていたプライベートテストがキャンセルとなったが、コンセッション剥奪という1つの目標が達成され、士気が高まるアプリリアは、過去の最高位が2016年と2018年の9位だったルマンで、レースでのタイム差を縮小させ、トップ5争い、表彰台争いに加わりたいところ。
チャンピオンシップに集中するスズキ
チーム部門で総合1位に進出するが、コンストラクター部門では総合4位。昨年は両雄が転倒を喫し、2018年と2019年の10位、2020年の11位がアレックス・リンスとジョアン・ミルの最高位。他のトラックと比較すると、ルマンでは特筆する成績を残していないが、6年前の2016年には、2015年に復帰後初の表彰台を獲得した思い出のトラック。ポイントリーダーとの20ポイント差と33ポイント差を詰めに行く。
リザルト&パフォーマンスを向上させることができるか?
序盤2戦以降、リザルトとパフォーマンが失速したKTMだが、総合8位ブラッド・ビンダーは、オフィシャルテストで週末のベストタイムを更新して2番時計を記録。昨年はヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトでのオフィシャルテストを経て成績が向上したことから、ビンダーと総合10位ミゲール・オリベイラのパフォーマンスに注目が集まる。
オフィシャルテストで浮上のきっかけを掴んだか?
コンストラクター部門で総合6位に低迷するホンダは、シーズンが始まってから最初のオフィシャルテストを利用して、積極的にテストプログラムに取り組むと、総合12位ポル・エスパルガロが最多の85ラップ、総合17位アレックス・マルケスは80ラップを周回。
今季の最高位となる4位に進出した総合9位マルク・マルケスは、大幅な変更が加わったホンダ機を自分の領域に持ち込もうと60ラップを周回。昨年はトップ走行中に転倒を喫したが、過去3勝を挙げたストップ・アンド・ゴーのトラックで今季初表彰台に挑む。
左膝の回復具合は?
今季の最高位となる7位に進出した総合15位中上貴晶は、オフィシャルテストで転倒した際に、第2戦インドネシアGP後のトレーニングで怪我した左膝の靭帯を再度負傷。右回りのシーズン7戦目に向けて、治療とリハビリに集中している。
新人王争いの行方は?
序盤6戦を終了した時点で、マルコ・ベツェッキが2度の9位進出で総合1番手に進出。2戦連続して公式予選2に進み、レースペースだけでなく、1発の速さも見せれば、ダーリン・ビンダーはレインレースとなった第2戦インドネシアGPの10位により、9ポイント差の総合2番手に進出。
中量級王者レミー・ガードナーは、デビュー戦から6戦連続完走。昨年優勝を挙げたラウール・フェルナンデェスは、右手の負傷から回復。開催前日の木曜にメディカルチェックを受ける。
週末の天気
月曜の時点で、金曜から日曜まで週末の3日間は晴れが予報され、決勝レース日には、気温が25度まで上昇する。
プレスカンファレンス
開催前日の木曜17時00分、日本時間24時00分にプレスカンファレンスルームで開催される共同記者会見にファビオ・クアルタラロ、アレイシ・エスパルガロ、フランチェスコ・バグナイア、ヨハン・ザルコ、マルク・マルケスが出席。
ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから決勝レースまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。
過去5年間のリザルト
2021年5月
優勝: ジャック・ミラー(ドゥカティ)
2位: ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)
3位: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2020年10月
優勝: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
2位: アレックス・マルケス(ホンダ)
3位: ポル・エスパルガロ(KTM)
2019年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
3位: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
2018年5月
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2017年5月
優勝: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2位: ヨハン・ザルコ(ヤマハ)
3位: ダニ・ペドロサ(ホンダ)
タイムスケジュール
5月12日(木)
17時00分(24時00分): プレスカンファレンス
5月13日(金)
09時55分(16時55分):フリー走行1(45分間)
14時10分(21時10分):フリー走行2(45分間)
5月14日(土)
09時55分(16時55分):フリー走行1(45分間)
13時30分(20時30分):フリー走行4(30分間)
14時10分(21時10分):公式予選1(15分間)
14時35分(21時35分):公式予選2(15分間)
5月15日(日)
09時40分(16時40分): ウォームアップ走行(20分間)
14時00分(21時00分): 決勝レース(27ラップ)