国際モーターサイクリズム連盟が主催する『Finetwork FIM JuniorGP™(ジュニアGP™)』の開幕戦ポルトガル・エストリル大会は、週末にエストリル・サーキットで開催。2018年から2年間『イデミツ・アジア・タレント・カップ』に参戦した後、2020年からジュニア・タレント・チーム傘下のアストラ・ホンダ・レーシング・チームに所属する21歳のタイ人ライダー、タチャコーン・ブアジーが初優勝を挙げた。
『Finetwork FIM JuniorGP™ World Championship(ジュニアGP™世界選手権)』
自己最高位となる3番グリッドからスタートしたタチャコーン・ブアジーは、6人の優勝争いに競り勝ち、タイ人ライダーとして史上初優勝。『イデミツ・アジア・タレント・カップ』出身者としては、鳥羽海渡、小椋藍、國井勇輝、山中琉星に次ぐ4人目、ジュニア・タレント・チーム所属者としては、鳥羽、小椋、國井、スコット・オグデン(卒業後の2021年にアスパル・ジュニア・チーム所属時に優勝)に次ぐ4人目の優勝者となった。
ダブル参戦する『レッドブル・ルーキーズ・カップ』で2勝を含む4度の表彰台を獲得して総合1位に進出するホセ・アントニオ・ルエダ(スペイン)は、ポールポジションからトップでフィニッシュしたが、最終ラップにトラックリミットを超えたことから、ポジションを1つ降格するペナルティが科せられ、参戦2年目のベストリザルトタイとなる2位。第4戦アメリカズGPから3戦連続して代替参戦したダビデ・サルバドール(スペイン)は、8番グリッドから0.326秒差の3位表彰台。
『レッドブル・ルーキーズ・カップ』を制覇した後、今季は『ジュニアGP™世界選手権』に専念するダビド・アロンソ(コロンビア)は、5番グリッドから0.331秒差の4位に進出すれば、総合2位に進出した『ヨーロピアン・タレント・カップ』から昇格してきたアドリアン・クルセス(スペイン)はデビューレースで4番グリッドから5位を獲得。
日本から参戦の内海孝太郎(うちうみこうたろう)は35.286秒差の19位。濱田寛太(はまだけんた)は転倒リタイア。
『Moto2™ European Championship(Moto2™欧州選手権)』
昨シーズン総合2位を獲得したアロンソ・ロペス(スペイン)は、継続参戦を予定していたが、チーム・スピードアップから招集を受け、5日から2日間、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットでプライベートテストに参加したことから欠場。
決勝レース1は、3年ぶりに復帰したトンマーゾ・マルコン(イタリア)がスタート直後に他車と接触した後、壁に激突したことから赤旗。12ラップに縮小されたリスタートの11ラップ目には、3位争いのピオトル・ビエシエキルスキ(ポーランド)とチェビエル・カルデルス(アンドラ)が接触転倒したことから2度目の赤旗が提示され、10ラップ目の順位でリザルトが決定。
今シーズンは『Moto2™欧州選手権』に専念するルーカス・トゥロビッチ(ドイツ)がポールポジションから独走で初優勝。
2018年に『イデミツ・アジア・タレント・カップ』に参戦した後、2019年から『ジュニアGP™世界選手権』に参戦したセナ・アジウス(オーストラリア)は、デビューレースで2番グリッドから4.397秒差の2位。アロンソ・ロペスの代替に指名され、急きょ出走することになった『スーパーストック600』王者で、今シーズンは『MotoE™ワールドカップ』に参戦するアレイシ・エスクリチ(スペイン)が6番グリッドから13.634秒差の3位を獲得。
決勝レース2は、決勝レース1で5位に進出したサム・ウィルフォード(イギリス)が2コーナーの立ち上げりで転倒した際にハンドルを握ったままフェンスに激突したことから赤旗が提示され、9ラップに短縮されたリスタートで、トゥロビッチが再び独走。アジウスが連続2位を獲得。決勝レース1で6位だったマッティア・ラト(イタリア)が3位表彰台を獲得した。
『Hawkers European Talent Cup(ヨーロピアン・タレント・カップ)』
参戦2年目のジョエル・エステバン(スペイン)がポールポジションから決勝レース1で史上最大のタイム差となる13.690秒差の独走優勝。決勝レース2は7.143秒差の優勝を挙げた。
バレンシア大会
次戦の開催地は、サーキット・リカルド・トルモ。5月19日と20日にフリー走行、21日に公式予選、22日に決勝レースが行われ、『ジュニアGP™世界選手権』と『ヨーロピアン・タレント・カップ』が2レース、『Moto2™欧州選手権』が1レースを開催する。
リザルト