オフィシャルテスト~マルコ・ベツェッキが1番時計

ドゥカティとアプリリアはセットアップに専念すれば、KTMは空力の開発、中盤戦からの巻き返しを図るヤマハとホンダはニューアイテムを投入

プレミアクラスは1日、第4戦スペインGPの開催地ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトに延滞して、シーズン4度目のオフィシャルテストを実施。5列目13番グリッドから9位と転倒リタイアを喫した総合2位マルコ・ベツェッキがスタート練習を繰り返して64ラップを周回し、公式予選1の3番時計(1分36秒578)を更新する1分36秒574を記録して1番手に進出した。

2022年型組の躍進

気温28度、路面温度42度まで上昇したドライコンディションの中、ドゥカティ・コルセから1年落ちの2022年型が供給される4人はセットアップ、ライディングポジション、ジオメトリなどの微調整に専念。バレンシアとマレーシアで開催されたオフィシャルテストで1番手に進出した総合6位ルカ・マリーニは、81ラップを周回して0.104秒差の2番手に進出。

6週間前にポルティマオ・サーキットで開催されたオフィシャルテスト1日目に転倒したことが原因で出遅れていた総合15位ファビオ・ディ・ジャンアントニオは、63ラップを周回して0.389秒差の4番手に進出。総合10位アレックス・マルケスは、77ラップを周回して0.615秒差の10番手。

ポイントリーダーはセットアップに専念

総合1位フランチェスコ・バグナイアは、セットアップに専念。44ラップを周回して0.450秒差の6番手に進出すれば、総合7位ホルヘ・マルティンは52ラップを周回して0515秒差の9番手。総合9位ヨハン・ザルコは、底辺部に冷却用の小さな吸気口があるエアロボディを試しながら60ラップを周回して0.752秒差の13番手。

可能性を評価した生産的な1日

ヤマハは新型シャーシと更新された空力アイテムを準備。総合11位ファビオ・クアルタラロは、シーズン前に旧型のスイングアームに戻すことを決断したが、今回投入された新型のスイングアームを検証。新しいエキゾーストも試し88ラップを周回して0.151秒差の3番手。

総合12位フランコ・モルビデリは、トップウィングとサイドポッドウィングの両方が大きくなったエアロボディを試し、エンジニアたちに提供するデータを収集。80ラップを周回して0.969秒差の16番手だったが興味深いものが見つかった。

課題のスタート練習

総合5位マーベリック・ビニャーレスは週末に引き続き、課題のスタート練習を中心としたテストプログラムに取り組んで最多94ラップを周回し0.390秒差の5番手。総合13位アレイシ・エスパルガロは、スタート練習にも取り組んだが、セットアップに専念し79ラップを周回して0.486秒差の7番手。

右前腕の痛みを訴える総合23位ラウール・フェルナンデェスは、77ラップを周回して0.711秒差の11番手。左肩を脱臼骨折した総合14位ミゲール・オリベイラの負傷代役として招集を受け、朝一番にイタリアから移動してきたテストライダーのロレンソォ・サバドーリは、12時過ぎから走行を開始して45ラップを周回。

空力の専門家が同行

KTMはレッドブルとのコラボレーションにより、空力を担当する2人のエンジニアがチームに同行。3人目はレッドブルから随時派遣され、今回、レッドブル・レーシングの高性能車両エンジニアリング部門であるアドバンスド・テクノロジーズに所属するマシュー・スコフィールドがテストをサポート。

総合3位ブラッド・ビンダーは、ワイルドカード参戦のダニ・ペドロサが使用したエアロボディを使用。73ラップを周回して0.494秒差の8番手に進出すれば、総合4位ジャック・ミラーは67ラップを周回して0.857秒差の14番手。総合16位アウグスト・フェルナンデェスは59ラップを周回して18番手。

テストライダーのダニ・ペドロサは、新しいシャーシとフェアリングの底まで伸びるサイドポットを検証しながら35ラップを周回して20番手。負傷欠場するポル・エスパルガロの代役を務めるテストライダーのジョナス・フォルガーは63ラップを周回して21番手。

カレックス製のシャーシ投入

ヘレスでホンダ勢の最高位に進出した総合17位中上貴晶は、70ラップを周回して0.740秒差の12番手。

週末に4度、今回のテストで1度の転倒を数えた総合20位ジョアン・ミルは、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドルが使用したエアロボディと新しいダウンウォッシュダクトを試し67ラップを周回して0.942秒差の15番手。

週末に2度の転倒を喫した総合8位アレックス・リンスは、セッションスタートの10時00分に誰よりも早く先陣を切ってトラックに飛び出し、通常のシャーシと最新のシャーシを比較。ジョアン・ミルが使用した最新のシャーシでより多くの周回を重ね、新しいダウンウォッシュダクトとスイングアームウィングレットも試し82ラップを周回して1.148秒差の17番手。

ワイルドカード参戦したステファン・ブラドルは、テストサーキットに指定するトラックでカレックス製のシャーシを使用。54ラップを周回して19番手。レプソル・ホンダ・チームのチームマネージャー、アルベルト・プーチはポジティブな印象があったことを認めたが、ジョアン・ミルが試した際に電子制御の問題が問題が発生したことから、評価は持ち越された。

ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリ

次回のオフィシャルテストは、欧州ラウンドの最終戦となる第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGP後の9月11日に予定。

軽中量級

軽量級と中量級は、明日2日にヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトでシーズン2度目のオフィシャルテストを予定。最低気温19度、最高気温32度のドライコンディションが予報されている。

 

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