『FIM MotoGP™ Stewards(スチュワード)』は、チャンピオンシップのテクニカルディレクターからプレミアクラスのタイヤプレッシャーコントロールシステムを導入する準備ができ、実戦に適用する要請を受けたことから、後半戦の緒戦となる第9戦イギリスGPから新たな規則を施行すると発表。
通常、技術的な違反は、セッションまたはレースからの失格につながる場合があるが、このシステムは、プレミアクラスにとって初めてのケースとなり、シーズン途中に導入することから、制裁は段階的になることで同意。ティソ・スプリントと決勝レースが対象となり、プレッシャーが適切でない場合には、ペナルティが適用され、レース後にタイムペナルティが科せられることになる。
制裁の段階
- 1回目:警告
- 2回目:3秒加算のペナルティ
- 3回目:6秒加算のペナルティ
- 4回目:12秒加算のペナルティ
プレミアクラスに参戦するチームがシステムに慣れたら、技術的な違反に対する標準的な制裁である失格を適用することが目的だが、現時点では、段階的な制裁を適用。第9戦イギリスGP以降、次の通知があるまでは、上記の段階的な制裁が適用される。
タイヤプレッシャーコントロールシステムとは?
プレミアクラスに出走する全てのプロトタイプマシンがオフィシャルタイヤサプライヤーであるミシュランによって設定されたプレッシャーを確実に準拠するように設計された新しいシステム。
タイヤプレッシャーは非常に敏感な値であり、測定値はレース中、さらにはトラック上の様々な地点でも大幅に変動する。さらに、システムを使用する最初の段階では、レース前後にセンサーをチェックして、センサーが正しく調整されていることを確認する必要がある。
以前は、チームが様々なプロバイダーが提供する独自のセンサーを使用して、プレッシャーをチェックしていたが、現在は、グリッド全体の統一システムが存在する。
メーカーと合意したシステムは、ティソ・スプリントまたは決勝レースの周回数の最小割合において、タイヤが特定のプレッシャーを超える必要があることを意味する。最小プレッシャーは、フロントタイヤからリアタイヤまで異なり、トラックによって異なる場合がある。
システムを導入するまでの経緯
2022年を通じて、プレミアクラスに参戦する全てのメーカーは、この統一システムを開発するために、各イベント後に完全なタイヤデータを自由に共有することに同意。その後、システムは2023年シーズンの前半戦に試験、検証され、信頼性を確認。
後半戦緒戦に導入する理由は?
モーターサイクルスポーツ製造者協会との同意により、統一システムは早くても2023年のスペインGPまで導入せず、スペインGPからTTアッセンまで試験検証が実施され、このシステムがイギリスGPから適用できる準備が整ったことを確認。
導入されるクラスは?
この新しいタイヤプレッシャーコントロールシステムとそのアプリケーションは、プレミアクラスのみ適用されるが、『Moto2™』、『Moto3™』及び『MotoE™』にも最小プレッシャーが存在する。
適用されるセッションは?
導入の最初の段階では、全セッションに適用されず、イギリスGPでは、ティソ・スプリントと決勝レースのみ適用される。
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