ファビオ・ディ・ジャンアントニオは、キャリア通算10年目、プレミアクラス3年目をプルタミナ・エンデューロ・VR46から参戦。フルオレッセンスイエローを基調としたチャンピオンマシン『Desmosedici GP23』に乗り込み、総合12位越えに挑む。
起死回生のシート獲得
プレミアクラス2年目の夏以降は、2024年の所属先が決まらず、グリッドで唯一、将来が不透明な厳しい状況に陥っていたにも関わらず、シートを諦めない断固たる決意と強い姿勢を貫くと、マルク・マルケスがレプソル・ホンダ・チームからの離脱、残留の可能性が残されていたグレシーニ・レーシングへの移籍が発表された直後の第15戦インドネシアGPでティソ・スプリントと決勝レースで最高位となる6位と4位を獲得。翌週の第16戦オーストラリアGPで初表彰台を獲得。
プレミアクラス39戦目となった第19戦カタールGPで眩しいほどの輝きを放ち、最高位の2番グリッドからティソ・スプリントで初表彰台、決勝レースで初優勝を挙げ、トラック内外で終盤戦の主役に躍り出て、競争力と存在感を示し、レプソル・ホンダ・チームに電撃移籍したルカ・マリーニの後任という形で、11月27日にプルタミナ・エンデューロ・VR46との1年契約を締結。最後の1枠となったシートを射止めることに成功した。
意気衝天の勢い
終盤戦の勢いは、年が明けても決して劣らず、新天地で本格的な乗り換え作業を始めた今年最初のオフィシャルテストでは、新たな環境と新しいバイクに素早く適応し、1日目にティソ・スプリントと決勝レースのベストラップ、2日目に公式予選1で刻んだ週末のベストラップを更新、3日目にはオールタイムラップレコードを突破。
さらに、連続10ラップのロングラップでは、シミュレーションを実行した14人の中で最速のアベレージラップタイムを記録。
「バイクから素晴らしいフィーリングを得ることができたから、ものすごく嬉しい。とても誇りに思う。レースに来たときと比べて、大幅な改善ができた。GP22からGP23に乗り換えたけど、今のバイクは、たとえ変わったとしても、それほど変わっていない。バイクのキャラクターは非常に似ている。確かにエンジンは少し違う。パワーの出し方が少し違うから、電子制御とパワーデリバリーの仕事に取り組んでいる」とバイクの違いと課題を説明。
漂う覚醒の予感
3ヶ月前にキャリア4勝目を挙げたサーキットに戻り、今年2度目のオフィシャルテストに参加すると、前回に続き、総合順位は8番手だったが、それ以上に、ティソ・スプリントと決勝レースのスタート時間に合わせるように、2度の連続11ラップを実行。ロングランのアベレージラップタイムでは3番手に入り、順調な仕上がりを見せた。
「昨年表彰台に上がったときに、ペッコ・バグナイアとバイクについて話しをしたところ、ライディングスタイルを少し変える必要があるだろうと言ってくれた。僕の走り方では、少し悪くなってしまうから。実際には、僕の長所を改善するだけだったから、昨年と同じように乗り、より速く、より強くプッシュすることが許される。フィーリングも良いから、正直なところ、僕の側では全てが良い」とテスト日程が終了した後、乗り換えが成功したことを明言。
新天地からクルーチーフのダビド・ムニョスと二人三脚を始めたファビオ・ディ・ジャンアントニオは、3ヶ月前の再現、そして、一昨年のエネア・バスティアニーニ、昨年のマルコ・ベツェッキが実現させたように成熟した旧型でシーズンスタートダッシュを決め、チャンピオンシップの主役の座を虎視眈々と狙う。
Speed and freedom, best combo 💪@FabioDiggia49
— Pertamina Enduro VR46 Racing Team (@VR46RacingTeam) February 27, 2024
#MotoGP2024 #PertaminaEnduroVR46RacingTeam #MotoGP #Diggia49 #VR46 pic.twitter.com/7AIXIKG2As