世界で最もエキサイティングなスポーツ『MotoGP™』は、サマーブレイクを経て、後半戦初戦となる第12戦イギリスGPを高速トラック、シルバーストン・サーキットで開催。
残り11戦407ポイントのタイトル争い。前半戦11戦が終了した時点で、トップ5が1戦で逆転が可能な24ポイント差、トップ8が2戦で逆転が可能な65ポイント差に接近。まさに拮抗した熾烈なタイトル争いが始まる。
かつて飛行場だったスリリングなトラックでは、2013年にホルヘ・ロレンソが2年連続の優勝を挙げて以来、マルク・マルケス、バレンティーノ・ロッシ、マーベリック・ビニャーレス、アンドレア・ドビツィオーソ、アレックス・リンス、ファビオ・クアルタラロ、フランチェスコ・バグナイア、アレイシ・エスパルガロ、エネア・バスティアニーニ、マルコ・ベッツェッキが優勝。毎年優勝者の顔ぶれが替わることから、今年も新たな勝者が誕生するかもしれない。
アプリリア
開幕戦タイGPからチャンピオンシップをリードしてきたアプリリアは、4人がトップ6入り。第10戦オランダGPでポイントリーダーに飛び出したホルヘ・マルティンは、タイトル争いの経験を活かし、アプリリア機の理解度を高め、タイトル奪回に挑戦。
プレミアクラス2年目に初表彰台と初優勝を挙げた小椋藍は14ポイント差の総合2位。タイトル争いだけでなく、日本人ライダーとして、4人目となる2勝目、3人目となるシーズン2勝目、8人目となる5度目の表彰台、3人目となるシーズン5度目の表彰台、3人目となる4戦連続の表彰台に期待が高まる。
開幕戦から3戦連続の優勝で序盤を引っ張ったマルコ・ベッツェッキは第7戦イタリアGPで優勝を挙げた後の4戦で僅か11ポイントしか稼げなかったが、まだ22ポイント差の総合4位。アプリリア加入後に初優勝を挙げたシルバーストンから仕切り直しを図り、2戦連続の表彰台で前半戦を締め括った総合6位ラウール・フェルナンデェスは1戦でも早く1戦で逆転が可能な37ポイント差以内まで縮めたいところ。
ドゥカティ
コンセッションでランク『A』から『B』に初めて降格したドゥカティだが、手術後の側近5戦で3勝を挙げ、最多ポイントを加算したマルク・マルケスが18ポイント差の総合3位に浮上。右腕が正常に動くようになれば、タイトル争いの中心的存在になるだろう。
タイトル争いのライバルたちと比較して、ダークホース的な存在なのはファビオ・ディ・ジャンアントニオ。緒戦から安定したパフォーマンスで24ポイント差に接近すれば、サマーブレイクを利用して体調を回復してきたフランチェスコ・バグナイアとアレックス・マルケスの2人はタイトル争いをかき回す存在として要注意。
KTM
注目はペドロ・アコスタの初優勝。指が痺れる問題を解消したことから、フランチェスコ・バグナイアとアレックス・マルケスと共に毎週末に優勝表彰台争いができれば、十分にタイトル争いに加わることができるだろう。
ホンダ
今季の最高位は、第8戦ハンガリーGPと第9戦チェコGPの5位。シーズンスタート前に設定した安定したトップ5争い、そして、昨年10月の第20戦マレーシアGP以来となる表彰台を目指す。
ヤマハ
昨年5月に当地で開催された第7戦イギリスGPでは、ファビオ・クアルタラロがポールポジションからレースをリードし、後続に対してアドバンテージを4.5秒差に広げ、3年ぶりの優勝かと思われた瞬間に技術的問題が発生。後半戦の初戦で前半戦最高位の5位を越えることができるか、シルバーストンでの走りに関心が集まる。
ライダーマーケット
上位陣で来季の所属先が未定なのはラウール・フェルナンデェスだが、第11戦ドイツGPの時点で、所属するスーパーファイル・トラックハウス・チームとの間で条件の詳細を調整していたことから、近々に正式発表があるかもしれない。
ルカ・マリーニ、エネア・バスティアニーニ、ブラッド・ビンダー、フランコ・モルビデリ、アレックス・リンス、ジャック・ミラー、マーベリック・ビニャーレスの去就は現時点で未定。中量級からダニエル・オルガドとダビド・アロンソの昇格が発表されたことから、少なくても2人が最終戦バレンシアGP後にプレミアクラスから離れることになり、数人はスーパーバイク世界選手権への転向に向けて交渉を進めている。
メディカルチェック
第11戦ドイツGPで左鎖骨を転位骨折したマルコ・ベッツェッキは転倒から19日後、手術から18日後に回復具合を確認する目的でミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリに市販車を持ち込んで走行。サマーブレイク中に右前腕の区画症候群を解消する目的で手術を受けたフランチェスコ・バグナイアと共に開催前日にメディカルセンターを訪れ、メディカルチェックを受ける。
第10戦オランダGPで第7胸椎を骨折したフェルミン・アルデグエルは第12戦イギリスGPを欠場。第13戦アラゴンGPでの復帰を目指すことから、代役にはスーパーバイク世界選手権に参戦するイケル・レオクナが抜擢され、第6戦カタルーニャGPで左膝の靭帯を損傷したヨハン・ザルコは9月の復帰を目指し、代役には引き続き、カル・クラッチローが起用される。
天気予報
週末の3日間は晴れ。最高気温は金曜日が22度、土曜日が24度、日曜日は25度のドライコンディションが予報されている。
Moto2™
ポイントリーダーのマヌエル・ゴンザレスは、前半戦11戦が終了した時点で、4勝を含む8度の表彰台を獲得。2年連続して総合1位として後半戦を迎える。
ポイントリーダーに挑戦するのは、51.5ポイント差の総合2位イサン・グエバラ、59.5ポイント差の総合3位セナ・アギウス、79.5ポイント差の総合4位ダビド・アロンソ、80.5ポイント差の総合5位ダニエル・オルガド、82ポイント差の総合6位イバン・オルトラ。2戦、3戦以上に広げられたポイント差をオーバーシーズ前の4戦でどこまで詰められるかが中量級の焦点。
一方で、ダビド・アロンソとダニエル・オルガドはプレミアクラスの昇格が発表されたことで、タイトル争いに集中する環境が整い、イサン・グエバラとセナ・アギウスはプレミアクラス昇格が相応しいパフォーマンスとリザルトを追求。
中量級のライダー市場は、フィリップ・サラッチが誰よりも早く契約を更新すれば、複数のチームが獲得に動くイバン・オルトラとアレイシ・エスクリチに注目。
Moto3™
ポイントリーダーのマキシモ・キレスは、前半戦11戦で6度の優勝を含む10度の表彰台を獲得。所属チームからチーム内昇格という形で来季中量級に参戦することが発表され、タイトル獲得に集中する条件を整え、2位を獲得した舞台から後半戦を開始。
後半戦残り11戦、275ポイントのタイトル争い。総合2位ブライアン・ウリアルテは104ポイント差、総合3位アルバロ・カルペは105ポイント差、総合4位マルコ・モレリは116ポイント差、総合5位ダビド・アルマンサは122ポイント差。4戦で逆転が不可能なポイント差が広がっていることから、オーバーシーズ前の4戦でどこまで詰められるかが注目。
2000年以降、4戦を残してチャンピオンが決定したのは3回。2016年のブラッド・ビンダー(全18戦中第14戦アラゴンGP)、2024年のダビド・アロンソ(全20戦中第16戦日本GP)、2025年のホセ・アントニオ・ルエダ(全22戦第18戦インドネシアGP)。
18歳のスペイン人ライダー、マキシモ・キレスがスタートダッシュを決め、前半戦のパフォーマンスとリザルトを繰り返せば、どのタイミングでタイトルを獲得するのか、誰が総合2位争いの中心となるか、ブライアン・ウリアルテ、マルコ・モレリ、ヴェダ・プラタマ、ハキム・ダニッシュの新人王争いに関心が移る。