第3戦アメリカズGPは、今週末の4月12日から14日にサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催。13日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、14日に決勝レースが催行される。
ホルヘ・マルティン
前戦ポルトガルGPで今季初優勝を挙げ、ドゥカティの優勝ランキングで4位ロリス・カピロッシの7勝まで、あと1勝に迫り、昨年10月の第15戦インドネシアGP、ティソ・スプリントで優勝して以来、プレミアクラスのキャリアで2度目となるポイントリーダーに飛び出すことに成功。タイトル争いを繰り広げた昨年の反省から、心理学者と共に冬の間に鍛えた精神面の強さが発揮され、公式予選2への直接進出を確保するための初日が勝因だと強調。今週末はプレミアクラス1年目の2021年に5位、2022年8位、2023年転倒リタイアを喫した当地で、ポイントリーダーの確保、アドバンテージの拡大を目指す。
ドゥカティ
ホルヘ・マルティンの優勝により、昨年9月の第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPからドゥカティの新記録となる11レース連続優勝、2021年9月の第13戦アラゴンGPから47レース連続表彰台獲得を記録。今週末は、過去10回の開催で2022年に優勝を挙げた左回りトラックに挑戦。
ドゥカティが当地で優勝を挙げたのは、2年前のエネア・バスティアニーニ。前戦でプレミアクラス10度の表彰台を獲得して、21ポイント差の総合3位に浮上すれば、開幕戦カタールGPの優勝で好発進を決めたフランチェスコ・バグナイアは、接触転倒で23ポイント差の総合4位に後退。昨年トップ走行中に転倒を喫したトラックでポイント差の挽回を狙う。
マルク・マルケス
11年前の2013年に史上最年少の優勝を果たした後、6年連続を含む7度の優勝を挙げたマルク・マルケスが左回りトラックに戻り、再び『シェリフ』の称号を取り戻し、ドゥカティ機でどのようなパフォーマンスを見せ、どのようなリザルトを獲得するのかに注目。
キャリア通算250戦目を迎える元王者が誰よりも早くチェッカーフラッグを受ければ、2021年10月の第16戦エミリア・ロマーニャGP以来903日ぶりの優勝となる。
2023年型に乗り換えて、3戦目となるファビオ・ディ・ジャンアントニオ、アレックス・マルケス、マルコ・ベツェッキ、周回数不足のフランコ・モルビデリがどこまでパフォーマンスを向上させられるのかも注目。
KTM
2戦目で史上最年少3番目となる表彰台を獲得したペドロ・アコスタは、ホルヘ・マルティン、フランチェスコ・バグナイア、マルク・マルケスと並び注目の存在。サマーブレイク前の第10戦ドイツGPまで、史上最年少優勝の記録更新を果たせるかどうか関心が集まるが、今週末は、昨年中量級で優勝を挙げた舞台で再び上位進出を狙う。
総合2位ブラッド・ビンダーは、過去の最高位が2021年の9位。KTMの最高位は2019年の8位。昨年3番手を走行中に転倒を喫したジャック・ミラー、10位に進出したアウグスト・フェルナンデェスと共に、戦闘力が高まっているKTM機の戦闘力を確認する絶好の機会。
アプリリア
ティソ・スプリントで初優勝を挙げ、決勝レースで初表彰台まであと1ラップだった総合8位マーベリック・ビニャーレスと総合7位アレイシ・エスパルガロは、昨年の4位越え、初表彰台を目指す。
今週末の注目は、アメリカンチームのトラックハウス・レーシング。初めてのホームグランプリを迎え、ミゲール・オリベイラとラウール・フェルナンデェスがパフォーマンスとリザルトで期待に応えたいところ。
ヤマハ
ヤマハ発動機との間で2025年からの契約を延長したファビオ・クアルタラは、新たな決意を持って『YZR-M1』の戦闘力向上に集中。アレックス・リンスは、スズキ機と共に2019年、ホンダ機と共に2023年に優勝を挙げたトラックにヤマハ機と共に挑戦。ヤマハ機の当地初優勝、そして、ジャック・ミラー、マーベリック・ビニャーレスと共に、3メーカーのバイクでの優勝という歴史的快挙に挑む。
ホンダ
緒戦と2戦目で『RC213V』の戦闘力が各段に向上していることを証明したホンダは、過去10回の開催で8勝を挙げたトラックに挑む中、4月1日付で、オフロードで実績をあげていた本田太一が二輪レース部レース運営室室長に就任。新たな指揮官の下、ジョアン・ミルを中心にヨハン・ザルコ、中上貴晶、ルカ・マリーニのホンダ勢が最後に優勝を挙げたトラックで現状の戦闘力を確認する共に、上位陣とのギャップを詰めに行く。
天気予報
月曜日と火曜日は雨が降るが、水曜日から晴れ。週末は雨の心配はなく、最高気温は25度。ドライコンディションが予報されている。
Moto2™
緒戦と2戦目でトップ4の顔触れが変わり、傑出する存在がまだ不在の中、中量級70戦で初優勝を挙げたアロン・カネトがサーキット・オブ・ジ・アメリカズにポイントリーダーとして乗り込み、中量級最多参戦(114戦)を誇るジョー・ロバーツは総合2位としてホームグランプリを迎える。
唯一2戦連続してトップ5入りを果たした総合3位マヌエル・ゴンザレスと総合6位小椋藍、開幕戦カタールGP勝者のアロンソ・ロペス、来季プレミアクラスに昇格するフェルミン・アルデグエと共に注目を集めるのは総合14位トニー・アルボリーノ。理想的なシーズンスタートを切れなかったが、2年前に優勝、1年目にコンマ1秒差の2位を獲得したトラックから仕切り直す。
前戦後に腕上がり症状を解消するために両前腕を手術した佐々木歩夢は、開催前日にメディカルチェックを受け、出走の許可が得られれば、最初のセッションで回復具合を確認。
右前腕を手術したフィリップ・サラッチと開幕戦で転倒したジェイク・ディクソンも回復の時間があり、復帰を予定。
Moto3™
開幕戦で2位、2戦目で優勝を挙げたダニエル・オルガドがポイントリーダーとして昨年コンマ6秒差の5位に進出した当地に乗り込み、7ポイント差の総合2位ダビド・アロンソが追う。
注目は総合3位イバン・オルトラ。昨年1ラップ目に18番手まで後退した後に逆転優勝を挙げた思い出のトラックに戻り、総合8位古里太陽と総合11位鈴木竜生は上位進出を狙い、2戦連続転倒の山中琉聖はリスタートを図る。
Next stop, Austin, Texas! 🤠
— MotoGP™🏁 (@MotoGP) April 7, 2024
And that means one thing, it's rodeo time at the #AmericasGP 🇺🇸#MotoGP pic.twitter.com/J6Oi8VsUq9