プレミアクラスは２９日、第４戦スペインＧＰが開催されたヘレス・サーキット－アンヘル・ニエトでオフィシャルテストを実施。天候に恵まれたドライコンディションの中、週末に２列目５番グリッドからティソ・スプリントで１３位、決勝レースで７位だったファビオ・ディ・ジャンアントニオが７０ラップを周回してトップタイムをマーク。プレミアクラス３年目で初めてテスト１番手に進出した。
ドゥカティ
２００３年から参戦するドゥカティは、第４戦スペインＧＰで９０勝目に到達しただけでなく、昨年６月の第７戦ドイツＧＰ以来となるトップ５独占を達成。２０２４年型と２０２３年型の高い戦闘力を改めて証明した後、プレシーズンのオフィシャルテストを欠場して、乗り換え作業と走り込みが必要なフランコ・モルビデリが８２ラップを周回して３番手に進出。形状が異なるタンクなど、より快適で自然に乗れるように、エルゴノミクスに基づいたテストプログラムに取り組んで、２０２０年に総合２位を獲得した本来のパフォーマンスを取り戻しつつあることを証明した。
ヘレスで３年連続の優勝を果たしたフランチェスコ・バグナイアとポイントリーダーのホルヘ・マルティンは、課題に挙げていたチャタリングの改善策に着手。バグナイアは最少周回数の４３ラップを周回して４番手に進出すれば、マルティンは７１ラップ目の９コーナーで転倒を喫して１０番手。
ドゥカティ機に乗り換えて初めて表彰台を獲得したマルク・マルケスは、２０２３年型を走らせることから、新しいパーツが供給されることがなかったが、ライディングの改善とバイクのアジャストに取り組んで７１ラップを周回。５番手に進出すれば、２０２３年型に適応してきたことを証明したマルコ・ベツェッキは７８ラップを周回して１３番手。
アプリリア
第４戦スペインＧＰにワイルドカード参戦したロレンソォ・サバドーリがテストプログラムを継続。そのバイクに搭載された新型のライドハイトデバイスをアレイシ・エスパルガロが検証すれば、アプリリア勢の最高位となる総合５位に進出するマーベリック・ビニャーレスは、８０ラップを周回。最後のランで１分３６秒台を連発して２番手に浮上した。
アプリリアからシーズン開始前に２０２４年型の供給が約束されたラウール・フェルナンデェスが予定通りに今年型を初試乗。
ＫＴＭ
改訂されたコンセッションの優遇措置において、『C』ランクのＫＴＭにとっては重要なテストの機会となり、プライベートテストが許可されていないレギュラーライダーたちにとっては、貴重な走行時間となったことから、ブラッド・ビンダーとジャック・ミラーは６４ラップと７３ラップを周回。６番手と１７番手。
参戦１年目のペドロ・アコスタは、『RC16』の理解度を高める機会となり、７５ラップを周回して１１番手。２０２３年型から２０２４年型への乗り換えに苦労しているアウグスト・フェルナンデェスにとっては、適応速度を速める絶好の機会となるはずだったが、６５ラップ目の７コーナーで転倒を喫して、テストが終了。
週末にワイルドカード参戦したテストライダーのダニエル・ペドロサは、２０２５年に向けた開発中のプロトタイプマシンを実戦で試乗。オフィシャルテストでは、もう１人のテストライダー、ポル・エスパルガロが参加。ワイルドカードが計画されている第７戦イタリアＧＰを視野に入れ、６８ラップを周回。ムジェロ・サーキットはトラックキャラクターが異なるが、昨年はブラッド・ビンダーがチャンピオンシップ史上最速のトップスピードを記録したことから、エスパルガロ弟が走らせるプロトタイプマシンに注目が集まる。
ホンダ
第４戦スペインＧＰにワイルドカード参戦したステファン・ブラドルが週末に使用したバイク、シャーシやエアロボディ、テールユニットなどが大幅に変更されたプロトタイプマシンを中上貴晶とヨハン・ザルコが検証。８３ラップと最多周回数８８ラップを周回してデータを収集し、フィードバックをエンジニアに提供すれば、ルカ・マリーニは新しいシャーシを試乗。
ヤマハ
新しい大型のエアロボディを投入。現行型と同じトリプルエレメントフロントウイングであり、基本的にはＫＴＭ機と似たサイドフェアリング。新型シャーシも準備され、アレックス・リンスが７３ラップ、ファビオ・クアルタラロが８４ラップを周回した。
次回のオフィシャルテスト
２０２４年はシーズン中に３回のオフィシャルテストが計画され、２回目は６月の第７戦イタリアＧＰ後にムジェロ・サーキットで開催。３回目は９月の第１４戦サンマリノ＆リビエラ・ディ・リミニＧＰ後にミサノ・ワールド・サーキット－マルコ・シモンチェリで予定されている。
フランスＧＰ
シーズン５戦目は、２週間後の６月１０日から１２日にルマンのブガッティ・サーキットで開催。