『MotoGP™』クラス23年目の2024年シーズンは、序盤5戦が終了した時点で、優勝者と2位のタイム差の平均が初めて1秒を切る0.951秒差となり、正に、世界で最もエキサイティングなスポーツであることを数字で証明した。
開幕戦カタールGPは1ラップ目からトップを快走したフランチェスコ・バグナイアが優勝。第3戦アメリカズGPはスタートで出遅れて9番手まで後退したが、13ラップ目にトップの座を奪い返したマーベリック・ビニャーレスが後続を引き離したが、第4戦スペインGPと第5戦フランスGPでは接戦の展開となった。
トップ2のタイム差
QAT: 1.329
POR: 0.882
AME: 1.728
SPA: 0.372
FRA: 0.446
トップ2が最も接近したシーズン
過去、序盤5戦の平均タイム差が2秒以下だったのは4回。技術規則が大幅に変更され、プレミアクラスが『500cc』から『MotoGP™』に変更された元年の2002年は、バレンティーノ・ロッシが4度の優勝と1度の2位を獲得して圧倒的な強さを誇示したが、タイムギャップは1.259秒差。
バレンティーノ・ロッシがホンダからヤマハに移籍し『RC211V』から『YZR-M1』に乗り換えた2003年は、レジェンドがコンマ2秒、3秒、1秒の僅少さで3勝を挙げたが、2戦目のスペインGPでセテ・ジベルナウがマックス・ビアッジに対して5.452秒差で優勝したことから、平均のタイム差が1.5秒差以上となった。
バレンティーノ・ロッシの6連覇を阻止したニッキー・ヘイデンがチャンピオンに輝いた2006年は開幕からロリス・カピロッシ、バレンティーノ・ロッシ、マルコ・メランドリ、ダニエル・ペドロサ、マルコ・メランドリが優勝。最終戦までタイトル争いが繰り広げたように、序盤から熾烈なレース展開となった。
プレミアクラス初参戦に史上最年少のタイトル獲得に成功したマルク・マルケスは、参戦2年目の2014年に開幕から10戦連続優勝を達成したが、シーズンを通じて、全ての周回で1番手通過したのは第2戦アメリカズGPと第4戦スペインGPだけ。序盤からライバルたちとのバトルを繰り広げていた。
2024: 0.951
2002: 1.259
2004: 1.571
2006: 1.782
2014: 1.827
トップ2が最も離れたシーズン
ケーシー・ストーナーがドゥカティからホンダに移籍した2011年は、第4戦フランスGPでチームメイトを追走していたダニエル・ペドロサが中盤に転倒し、2番手に浮上したマルコ・シモンチェリも終盤に転倒したことから、2位でフィニッシュしたアンドレア・ドビツィオーソとのギャップが14.214秒差まで拡大。ウェットレースとなった第2戦スペインGPではホルヘ・ロレンソが19.339秒差の独走優勝。2戦のタイム差が大きく反映され、最も大きなタイムギャップとなった。
2009年も2戦のタイム差が影響。開幕戦カタールGPでケーシー・ストーナーがポールポジションから7.771秒差の独走優勝を挙げ、第4戦フランスGPではホルヘ・ロレンソがフラッグ・トゥ・フラッグとなったレースで33秒差にアドバンテージを広げた後、最後にバイクを交換して17.710秒差で優勝を飾っていた。
2011: 8.489
2009: 6.097
2016: 5.769
2007: 5.185
2013: 4.055
2002年以降のタイム差
2024: 0.951
2023: 2.549
2022: 2.165
2021: 2.648
2020: 3.211
2019: 2.788
2018: 2.278
2017: 3.143
2016: 5.769
2015: 3.522
2014: 1.827
2013: 4.055
2012: 3.626
2011: 8.489
2010: 3.599
2009: 6.097
2008: 3.782
2007: 5.185
2006: 1.782
2005: 2.769
2004: 1.571
2003: 2.944
2002: 1.259