リターン・トゥ・モーターランド~新たなデュエルが待っている!

今春にトラック全面が再舗装されたモーターランド・アラゴンで2年ぶりに開催

第12戦アラゴンGPは、今週末の8月30日から9月1日にモーターランド・アラゴンで開催。8月31日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、9月1日に決勝レースが催行される。

ドゥカティ

レッドブルリンク-シュピールベルクで2020年と2021年の連続開催を含め、開催日程に復帰した2016年から9年連続10度目の優勝を達成したことから、第4戦スペインGPから8戦連続の10勝目、プレミアクラスで97勝目に到達。

2021年9月の第13戦アラゴンGPから表彰台連続獲得記録を57戦に伸ばすと同時に、8戦連続のトップ3独占を果たしたことから、ホンダと並ぶ17度目の表彰台独占を達成。予選に着目すれば、2020年11月の第14戦バレンシアGPから71戦連続して1列目を獲得。

2年前にポールポジションと3番グリッドからワンツーフィニッシュを達成した当地でどこまで記録を伸ばせるか注目が集まる。

タイトル争い

今季3度目のダブルウィンを達成したフランチェスコ・バグナイアは、ポイントリーダーに返り咲き、3年前にプレミアクラス初優勝、2年前に0.042秒差の2位を獲得したトラックでアドバンテージの拡大を目指し、先週はフランコ・モルビデリマルコ・ベツェッキと一緒に次戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの開催地ミサノ・ワールド・サーキットに市販車を持ち込み、トレーニング走行を実施。オーバーシーズ前の3戦に向けて準備を整えれば、今季5度目のポールポジションから2戦連続3度目の連続2位を獲得したホルヘ・マルティンは、5ポイント差の総合2位に後退。当地では2年前の7位が最高位だが、昨年は後半戦に巻き返して最終戦までタイトル争いを繰り広げていたことから、どこまでライバルを追い込めるか関心が高まる。

2年前の勝者

後半戦の緒戦でダブルウィンを達成したエネア・バスティアニーニは、ティソ・スプリントで4戦連続のトップ4、決勝レースで5戦連続のトップ4入りを果たしたが、予選リザルトの安定性を追求。2年前に3番グリッドから優勝を挙げた舞台でフランチェスコ・バグナイアホルヘ・マルティンを上回り、ポイント差を詰めに行く。

マルク・マルケス

ティソ・スプリントで2戦連続3度目の転倒リタイアを喫し、決勝レースではスタート直後の接触コースアウトでポジションを大きく下げたが、第5戦フランスGPと第6戦カタルーニャGPを再現するように後方から挽回し、2戦連続4度目の4位。

グレシーニ・レーシングに移籍し、ドゥカティ機に乗り換えてから、まだ見未勝利だが、今週末はプレミアクラスで4連勝を含む5勝を挙げた左回りトラックに挑戦。2021年10月の第16戦エミリア・ロマーニャGP以来1043日ぶりに決勝レースで誰よりも早くチェッカーフラッグを受けることができるかどうかが週末最大の焦点になるかもしれない。

アプリリア

前戦ではアレイシ・エスパルガロがティソ・スプリントで3位に進出し、唯一ドゥカティ勢に割って入ったが、決勝レースではマーベリック・ビニャーレスの7位が最高位。レッドブルリンク-シュピールベルクでのベストリザルトを更新できなかったが、今週末は2021年に4位、2022年に3位表彰台を獲得したモーターランド・アラゴンに乗り込み、第3戦アメリカズGP以来となる今季2度目の表彰台を狙う。

KTM

前戦ではテストライダーのポル・エスパルガロをワイルドカードとして招集。開発中のプロトタイプマシン『RC16』のパフォーマンスが初披露されたが、期待されたホームグランプリで公式予選、ティソ・スプリント、グランプリレースとも最高位が5位。ドゥカティとのギャップを少しでも早く詰めるため、テストライダーのダニエル・ペドロサはミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで既に予定していたプライベートテストを継続すると、ペドロ・アコスタが同行。

モーターランド・アラゴンでの過去最高位は、2020年2戦目と2022年の4位。初の表彰台、そして第3戦アメリカズGP以来となる表彰台を獲得し、ドゥカティ勢の一角を崩すだけでなく、コンストラクター部門で14ポイント差の総合2位に位置するアプリリアに挑戦する。

ヤマハ

ファビオ・クアルタラロアレックス・リンスは、前戦後に次戦と第14戦の開催地ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリに移動。カル・クラッチローが負傷のため、今回特別に招集したアンドレア・ドビツィオーソと共にドライコンディションの中でプライベートテストを実行。トラックキャラクターが異なるモーターランド・アラゴンでテストの一部を再検証する。

ホンダ

後半戦緒戦に新型エンジンを中上貴晶に投入。2戦目にジョアン・ミルルカ・マリーニヨハン・ザルコにも供給し、エンジンのコンフィグレーションに取り組むと、レプソル・ホンダ・チームの2人は、ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリに移動してプライベートテストを実施。4人は今週末も継続的なテストプログラムを実行する。

天気予報

月曜日の時点で、週末は雨の心配が全くないドライコンディションが予報され、最高気温は32度まで上昇。

Moto2™

前戦オーストリアGPでは、プラクティスでライバルたちを圧倒する速さとペースを刻んでいた総合2位小椋藍が、2日目午前のプラクティス2で今季初転倒を喫した際に右手を骨折。集中的な治療とリハビリに取り組み、出場する場合には、開催前日にメディカルセンターを訪れ、メディカルチェックを受ける。

ポイントリーダーのセルジオ・ガルシアは、チームメイトであり、タイトル争いの最大のライバルでもある小椋藍の欠場を活かして、ポイント差の拡大を狙ったが、結果は今季のワーストリザルトとなる14位。2ポイントを加算させ、18ポイント差から20ポイント差のアドバンテージを拡大させた。

小椋藍の負傷状況と共に注目が集まるのは、1年ぶりに優勝を挙げた総合6位チェレスティーノ・ヴィエッティ、3戦連続4度目の表彰台を獲得した総合7位ジェイク・ディクソン、オフィシャルテストで総合1番手に進出した総合8位アロン・カネト。オフィシャルテストに参加して66ラップを周回した佐々木歩夢は今季の最高位、そしてポイント圏内の進出を目指す。

前戦の決勝レースで転倒した際に右足を骨折したアレイシ・エスクリチの出場は微妙。参戦する場合には、開催前日にメディカルチェックを受け、医師団から出走の許可を得る必要があり、地元スペインから2人がワイルドカード参戦。ホルヘ・ナバーロはバイク開発を目的に3戦連続6度目の参戦。ダニエル・ムニョスは来季のレギュラー参戦を視野に入れ、3戦ぶり6度目の参戦となる。

Moto3™

ポイントリーダーのダビド・アロンソは、前戦オーストリアGPで今季7勝目。2016年王者ブラッド・ビンダー、2018年王者ホルヘ・マルティン、2022年王者イサン・グエバラの年間優勝数に並び、所属するアスパル・チームのスポーティングディレクターを務める2011年王者ニコラス・テロールの年間8勝、チームマネージャーのホルヘ・マルティネス・アスパルの年間9勝に接近。年間最多優勝はバレンティーノ・ロッシの11勝。マルク・マルケスジョアン・ミルは10勝。

71ポイント差の総合2位イバン・オルトラ、75ポイント差の総合3位ダニエル・オルガド、82ポイント差の総合4位コリン・ベイヤーらはタイトル争いよりも、1戦1戦勝利を目指すことに照準を切り替え、日本勢の最高位に進出する総合6位山中琉聖、負傷からの復帰戦でロングラップペナルティとタイムペナルティを科せられながらポイント圏内に進出した総合11位古里太陽、前戦でファステストラップを記録した総合13位鈴木竜生も優勝、そして表彰台を狙う。

ワイルドカードはアルビ・アディタマ。ホンダ・チーム・アジアがイデミツ・アジア・タレント・カップ出身でジュニア・タレント・チームに所属してジュニアGP™世界選手権にレギュラー参戦する19歳のインドネシア人ライダーを昨年10月の第15戦インドネシアGP、今年5月の第6戦カタルーニャGPに続き起用する。

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