地元イタリア勢が覇権を取り戻せるか?

ドゥカティがプレミアクラス100勝目、5年連続6度目のコンストラクター部門のタイトルを狙う

第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPは、今週末の9月6日から8日にミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催。9月7日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、8日に決勝レースが催行される。

ドゥカティ

2週間前に当地で開催された第13戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPでプレミアクラス99勝目に到達。地元で100勝目に王手をかけただけでなく、コンストラクター部門において、残り7戦259ポイントのタイトル争いで、総合2位KTMに229ポイント差。ティソ・スプリントで8戦連続11勝目、決勝レースで11戦連続13勝目、つまり8戦連続11度目のダブルウィンを達成すれば、ライバルメーカーの成績に関係なく、2020年から5年連続6度目のタイトル獲得が決定する。

ホルヘ・マルティン対フランチェスコ・バグナイア

ティソ・スプリントで今季5勝目を挙げ、決勝レースでの判断ミスを反省したポイントリーダーのホルヘ・マルティンは、オフィシャルテストを利用して、ドゥカティ勢最多72ラップを周回してセットアップとタイムアタックの改善に着手。

ポールポジションから連続2位を獲得して、7ポイント差に接近した総合2位フランチェスコ・バグナイアは、ドゥカティ勢で唯一来季を視野に入れた作業にも取り組んで1番時計を記録。オーバーシーズを直前に控え、地元でプレミアクラス100戦目というマイルストーンを迎え、ポイントリーダーの座の奪回を目指す。

5年ぶりのハットトリックへ

2021年10月の第16戦エミリア・ロマーニャGP以来となる優勝、2戦連続の優勝を達成した総合3位マルク・マルケスは、オフィシャルテストを利用して2023年型の理解度を高め、徹底的に調整する機会となり、最後にタイトルを獲得した2019年以来となる3戦連続の優勝を果たせば、5年ぶりとなるタイトル争いが現実味を帯びて来るだろう。

主役の座を狙うフランコ・モルビデリ

決勝レースでは転倒を喫したが、ティソ・スプリントで初めて表彰台を獲得した総合12位フランコ・モルビデリにとって、シーズン前のテストを欠場したことから、オフィシャルテストを利用して、来季も使用する2024年型のセットアップと電子制御の作業に取り組みながら2番手に進出。トップ4と並び、週末の有力候補に挙げられ、両肩を痛めている総合8位ファビオ・ディ・ジャンアントニオは、オフィシャルテストをキャンセル。初日に回復具合を確認する。

KTM

コンストラクター部門で総合2位に返り咲いた後、ドゥカティ勢に対抗する2人、総合5位ブラッド・ビンダーと総合6位ペドロ・アコスタは、来季を視野に入れたテストプログラムにも着手したが、今週末はドゥカティの地元で表彰台独占を阻止し、2020年9月の第8戦エミリア・ロマーニャGP以来となる当地での表彰台獲得を狙い、総合15位ジャック・ミラーと総合19位アウグスト・フェルナンデェスは来季の計画を近々に発表する予定。

アプリリア

前戦は今季初めて4人がティソ・スプリントと決勝レースで1桁台に進出できず、厳しい週末を過ごしたが、総合7位マーベリック・ビニャーレス、総合9位アレイシ・エスパルガロ、総合13位ミゲール・オリベイラ、総合16位ラウール・フェルナンデェスはオフィシャルテストを利用して徹底的にパフォーマンスの向上を図り、好感触を掴んでいたことから、週末にどこまでドゥカティ勢に接近でき、対抗できるのか注目が集まる。

ヤマハ

グランプリの週末とオフィシャルテストを通じて、前進したパフォーマンスを見せたファビオ・クアルタラロは今週末にさらなる1歩を目指し、確かな手応えを得たアレックス・リンスは、フィーリングをパフォーマンスとリザルトに反映させたいところ。

ホンダ

レプソル・ホンダ・チームの両雄、ジョアン・ミルルカ・マリーニは、体調不良が原因で前戦の決勝レースを欠場したが、翌日のオフィシャルテストに参加。ヨハン・ザルコ中上貴晶と共に、空力を中心としたテストプログラムを分業で進め、意見が分かれたが、週末を通じて作業を継続する。

天気予報

月曜日の時点で、月曜日の夜から金曜日の朝まで雨、その後は晴れが予報されているが、最高気温は22度、最低気温は15度と低い。

Moto2™

総合2位小椋藍が今季3度目の1列目から第6戦カタルーニャGP、第8戦TTアッセンに続き今季3勝目を挙げ、2022年10月の第18戦オーストラリアGP以来となるポイントリーダーに躍り出ることに成功。

日本に中量級通算79勝目をもたらし、優勝ランキングにおいて、原田哲也加藤大治郎の17勝、青山博一の9勝に続き、中野真矢の6勝に並び、原田哲也(1993年)、加藤大治郎(2001)、青山博一(2009年)以来となるタイトル獲得を目指して3連戦の緒戦に挑む。

ポイントリーダーに挑戦するのは、9ポイント差の総合2位に後退したセルジオ・ガルシア。第12戦アラゴンGP前に自宅で右肩を痛め、前戦のフリープラクティスで左肩を負傷したが、決勝レースでは24番グリッドから12位まで挽回。両肩がどの程度回復しているか注目。

前戦2位のアロン・カネト、3位のトニー・アルボリーノ、4番手を走行中に転倒を喫したチェレスティーノ・ヴィエッティらが小椋と共に優勝候補に挙げられるが、来季プレミアクラスに昇格するフェルミン・アルデグエソムキアット・チャントラ、新人勢の中で最も際立つ活躍を見せるディオゴ・モレイラ、パフォーマンスが右肩上がりで向上する佐々木歩夢らに注目。

Moto3™

ポイントリーダーのダビド・アロンソは、プラクティスと公式予選で特筆する速さを見せたが、決勝レースではライバルたちとのバトルに競り負けて7位。失われた3レースに相当するアドバンテージを取り戻しに行く。

70ポイント差の総合2位ダニエル・オルガド、73ポイント差の総合3位イバン・オルトラ、73ポイント差の総合4位コリン・ベイヤーは、ギャップを挽回するために、優勝、表彰台、最低でもダビド・アロンソの前でゴールすることを目指す。

注目は、ダブルロングラップペナルティを消化したにも関わらず、逆転で初優勝を挙げた新人部門総合1位アンヘル・ピケラス。ジュニアGP™世界選手権とレッドブル・ルーキーズ・カップのダブルチャンピオンとして速さと強さを見せ、地元勢のルカ・ルネッタフィリッポ・ファリオーリ、日本勢の古里太陽山中琉聖鈴木竜生と共に優勝、表彰台を狙う。

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