2024年シーズンにアプリリアのファクトリーチーム、アプリリア・レーシングから参戦したマーベリック・ビニャーレスは、プレミアクラス163戦目となった4月の第3戦アメリカズGP決勝レースで57戦ぶりに10勝目となる優勝。
スズキのファクトリーチーム、チーム・スズキ・エクスターからプレミアクラスへの参戦を開始し、スズキ機を駆けて30戦目となった2016年8月の第12戦イギリスGPで初優勝を挙げ、ヤマハのファクトリーチーム、モビスター・ヤマハに移籍してヤマハ機に乗り換えたデビュー戦、2017年3月の開幕戦カタールGPで優勝を挙げていたことから、2002年に始まった『MotoGP™』の歴史において、異なる3メーカーのバイク(スズキ、ヤマハ、アプリリア)を駆けて勝利を成し遂げることに成功。
史上5人目
1949年に始まったチャンピオンシップのプレミアクラスにおいて、2002年以前に異なる3メーカーのバイクを駆けて勝利を挙げたのは、僅か4人。
マイク・ヘイルウッド: 37勝(ノートン1勝/MVアグスタ28勝/ホンダ8勝)
エディ・ローソン: 31勝(ヤマハ26/ホンダ4/カジバ1)
ランディ・マモラ: 13勝(スズキ5/ホンダ4/ヤマハ4)
ロリス・カピロッシ: 9勝(ヤマハ1/ホンダ1/ドゥカティ7)
2002年以降、異なる2メーカーのバイクを駆けて優勝を挙げたのは、マックス・ビアッジ(ヤマハ/ホンダ)、バレンティーノ・ロッシ(ホンダ/ヤマハ)、ケーシー・ストーナー(ドゥカティ/ホンダ)、アンドレア・ドビツィオーソ(ホンダ/ドゥカティ)、マーベリック・ビニャーレス(スズキ/ヤマハ)、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ/ドゥカティ)、ジャック・ミラー(ホンダ/ドゥカティ)、アレックス・リンス(スズキ/ホンダ)、マルク・マルケス(ホンダ/ドゥカティ)の9人。
2023年からKTM機を2年間走らせたジャック・ミラーは、優勝を挙げることができなかったが、2025年はヤマハ機に乗り換えることから再び記録に挑戦する機会を得ることになり、ヤマハ機に乗り換えたアレックス・リンスは、契約期間を延長したことから、ジャック・ミラーと共に史上6人目の偉業に挑戦。
史上初となる異なる4メーカーでの優勝
来年1月12日に30歳の誕生日を迎えるスペイン人ライダー、マーベリック・ビニャーレスは、2024年6月にKTMとの間で複数年契約を締結し、レッドブル・KTM・テック3から参戦。プレミアクラス11年目に4メーカー目となるKTM機を走らせることから、77年目を迎えるチャンピオンシップの歴史において、史上初となる異なる4メーカーのバイクでの優勝を狙う。
KTM機初試乗
最終戦ソリダリティGP後、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで開催されたオフィシャルテストに新天地から参加したマーベリック・ビニャーレスは74ラップを周回し、KTM勢の1番手だったブラッド・ビンダーから0.379秒差の12番手。
「テスト初日は良かった。とてもクリーンな1日だった。バイクを理解したかっただけ。フィーリングについては、特に期待はしていなかったけど、正直なところ、最初の数ラップから得たバイクからのフィードバックは非常にポジティブで、タイヤと限界を理解した。グッドなタイムアタックで1日を終えたかったけど、非常に早い時間帯から寒くなってしまったので、リスクを冒したくなかった。」
「なんと言うか、今日のフィーリングは本当に自然だった。それは素晴らしい。僕のライディングスタイルは、このマシンに良く合っているように感じ、直ぐに快適さを感じることができた。もちろん、どれだけプッシュできるか、どれだけブレーキを遅らせることができるかを理解するには、もっとトラックで過ごす時間が必要だけど、それらを見つけることが楽しみ」とKTM機初試乗の感想を語った。
レッドブル・KTM・テック3のマーベリック・ビニャーレスは、2月5日からマレーシアのペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで開催されるオフィシャルテストからプレミアクラス参戦11年目、キャリア通算15年目となるシーズンに向けて本格的な準備に取り組む。