プレミアクラスは、チャンピオンシップ77年目のシーズンに向け、2月5日から3日間、第20戦マレーシアGPの開催地ペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで今年最初、プレシーズン2度目のオフィシャルテストを実施。2025シーズンにフルエントリーするレギュラーライダーたちが本格的な準備に取り組む。
ドゥカティ
5年連続6度目のコンストラクター部門を連覇したドゥカティは、2年ぶり4度目のチーム部門を制したファクトリーチーム、ドゥカティ・レノボ・チームで起用する2人のチャンピオン、前王者フランチェスコ・バグナイアと元王者マルク・マルケスにチャンピオンマシンを改良したファクトリーマシンを供給。タイトル争いの中心的存在となる2人がどのように共同作業に取り組み、シェイクダウンテストに参加したテストライダーのミケーレ・ピロのサポートを受けながら、テストプログラムを進めるのか関心が高まる。
ドゥカティからファクトリーマシンが供給されるファビオ・ディ・ジャンアントニオは、昨年11月に手術を受けた左肩の回復具合を確認。
2024シーズンの決勝レースで19勝、ティソ・スプリントで17勝を挙げたチャンピオンマシンが供給されるのは、自己最高位の総合8位を獲得し、11月のオフィシャルテストで1番手に進出したアレックス・マルケスと昨年5日間のプレシーズンテストを欠場しながら総合9位まで挽回したフランコ・モルビデリ。実証された高い戦闘力を誇る2024年型を徹底的に磨き上げることに専念する。
KTM
コンストラクター部門で2年連続の総合2位に進出したKTMは、総合4位エネア・バスティアニーニ、総合5位ブラッド・ビンダー、総合6位ペドロ・アコスタ、総合7位マーベリック・ビニャーレスを起用。KTMの歴史上最強の布陣と評価されたラインナップでドゥカティに対抗するため、テストを開始したテストライダー、ダニエル・ペドロサとポル・エスパルガロのサポートを受け、テストプログラムに着手する。
アプリリア
史上初めてチャンピオンナンバーをプロトタイプマシンに搭載するアプリリアは、史上初めて4台のファクトリーマシンを準備。現王者ホルヘ・マルティンとマルコ・ベツェッキはドゥカティ機からの乗り換え作業を続けることから、より重要な存在として注目が集まるのは、唯一アプリリア機を継続使用するラウール・フェルナンデェス。前回のオフィシャルテストでは5番手に進出していた。
ヤマハ
2022年以来2年間の空白を経て、3年ぶりにサテライトチームを起用。実際には、セカンドファクトリーチームとして、チーム部門で総合2位、インディペンデントチーム部門で4年連続5度目のタイトル獲得に成功したプリマ・プラマックとのコラボを開始し、4台のファクトリーマシンを準備。
コンセッションの優遇措置を利用して、シェイクダウンテストの2日目から参加すると、非公式ながら1番時計を刻んだファビオ・クアルタラロは108ラップ、アレックス・リンスは76ラップを周回。テストプログラムを開始すれば、KTM機とアプリリア機から乗り換えるジャック・ミラーとミゲール・オリベイラは78ラップと96ラップを周回。カテゴリーで唯一直列4気筒のエンジンを搭載するヤマハ機に対して、どのように適応するのか関心が高まる。
ホンダ
昨年のオフィシャルテスト終了後、レギュラーライダーのジョアン・ミル、ルカ・マリーニ、ヨハン・ザルコはヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトでプライベートテストを実施。強化されたテストチームは、12月に当地、1月にはチャーン・インターナショナル・サーキットでプライベートテストを実行。
シェイクダウンテストでは、フルエントリーライダーからテストライダーに転向したアレイシ・エスパルガロと中上貴晶がテストプログラムを続けたことから、どこまで競争力が高まり、反撃の兆しを見せるのかに注目が集まる。
ルーキーライダー
新人に与えられる特権を利用して、中量級から昇格する小椋藍、フェルミン・アルデグエ、ソムキアット・チャントラはシェイクダウンテストに参加。アプリリア機に乗り込んだチャンピオンの小椋藍は3日間で最多の167ラップを周回すれば、ドゥカティからチャンピオンマシンが供給されるフェルミン・アルデグエは3日間で126ラップ。タイ人として史上初めてプレミアクラスに挑戦するソムキアット・チャントラは2日間で123ラップを周回。これからの3日間を利用して、周回数を重ね、適応プログラムを加速させる。
エンジン
2027年に技術規則が大幅に変更されることに伴い、2026年はエンジンが凍結され、2025年に使用するエンジンを継続使用することから、今回の3日間と次回チャーン・インターナショナル・サーキットで開催される2日間のオフィシャルテストは、ドゥカティ、KTM、アプリリアにとって非常に重要となる。ランク『D』に位置するヤマハとホンダはシーズン中にエンジンの開発が可能。
タイムスケジュール
セッション時間は現地時間10時00分から18時00分、日本時間11時00分から19時00分まで。セッション終了後には15分間のスタート練習時間が設けられている。
ライブタイミング
オフィシャルウェブは現地から国際中継班によるプログラム『アフター・ザ・フラッグ』の生中継を配信。テスト終了後にはハイライトとインタビューを提供。
既にビデオパスのサブスクを購入しているファン、フリートライアルを利用するファンは、トラックアクションをセッションスタートと同時にリアルタイムで表示するライブタイミングの視聴も可能。