『FIM MotoE™ World Championship(MotoE™世界選手権)』は、今週末の5月9月から10日に『MotoGP™』第6戦フランスGPの併催として、ルマンのブガッティ・サーキットで開幕戦フランス大会が開催。開催7年目のシーズンが始まる。
エントリーリスト
開催7年目も初年度から引き続き、9チームから18人がフルエントリーライダーとして参戦を計画。イタリア・モンテラッバーテに拠点を構え、50年以上の歴史を誇るスナイパーズ・チームがテック3に替わって初参戦。
継続組は、2024年王者エクトル・ガルソを筆頭に総合2位マッティア・カサデイ、総合3位オスカル・グティエレス、総合4位ケビン・ザンノーニ、総合5位アレッサンドロ・ザッコーネ、総合6位ジョルディ・トーレス、総合7位ニコラス・スピネッリ、総合8位マッテオ・フェラーリ、総合9位アンドレア・マントヴァーニ、総合10位エリック・グラナド、総合14位アレッシオ・フィネッロ、総合16位マリア・エレーラの12人。
2019年王者マッティア・カサデイ、2023年王者マッテオ・フェラーリ、エリック・グラナド、マリア・エレーラの4人は開催初年度から7年連続の参戦。
新規参戦は、中量級に8年間参戦経験があり、2023年にスーパーバイク世界選手権、2022年と2024年にスーパースポーツ世界選手権に参戦したロレンソォ・バルダッサーリをはじめ、スーパースポーツ300世界選手権、スーパースポーツ世界選手権、スーパーバイク世界選手権に参戦した経験があり、昨年のイタリア選手権スーパーバイククラスで総合4位に進出したルカ・ベルナルディ、イタリア選手権出身のトンマーゾ・オッキオとラファエレ・フスコ。
ノーザン・タレント・カップに参戦経験があり、昨年のスペイン選手権スーパーストック600で総合3位に進出したハンガリー人ライダー、ティボル・エリック・ヴァルガとノーザン・タレント・カップとヨーロピアン・タレント・カップに参戦経験があり、昨年はMoto2™欧州選手権に参戦したイタリア国籍を所有する19歳のルーマニア人ライダー、ヤコポ・ホシュークが初参戦。
開催日程
『MotoGP™』の併催として欧州の7ヶ国で全7戦を開催。1戦ごとに2レース、計14レースが行われ、開幕戦はフランス。ルマンのブガッティ・サーキットが2023年以来2度目のオープニングラウンドに指名され、ハンガリーのバラトンパーク・サーキットが第4戦として初開催を予定。最終戦はポルトガル。
エレクトリックバイク
ドゥカティ・コルセは、供給3年目に向けて最新技術の粋を集めた技術的改善により、プロトタイプマシン『V21L』の車両総重量の軽量化に成功し、以前の225キロから216.2キロ、8.8キロ減量。
世界で最も要求の厳しいテストベンチで内燃機関に代わる技術を研究するために開発された『V21L』は、正真正銘のロードレース版エレクトリックバイクであり、ドゥカティにとって、ボルゴ・パニガーレを拠点とする企業の価値観に合致する電動二輪車の開発を可能にするバッテリー技術の進歩に備え、基礎となるノウハウの蓄積に投資し、国際モーターサイクリズム連盟とドルナスポーツとの合意に基づき、計23台(18台+予備5台)を準備。
供給3年目に向けて準備を進めてきた2025年型『V21L』は、シャーシを含め、パワートレインから電子制御まで、バイクのあらゆる分野を開発。バッテリーパックは、より高度な化学反応を備えたセルを搭載し、以前の『4.2Ah』と比較して『5Ah』へと高いエネルギー密度が特徴。これにより、バイクのパワーと走行性能はそのままに、ユニット数が1152個から960個へと192個削減。
質量とサイズに関しても最も制約の大きい要素であり、バイクの中央部分の自然な流れに沿うように特別に設計された形状が特徴。シミュレーションによると、この軽量化により、トラックに応じてコンマ3~4秒のラップタイム短縮が見込まれる。
オフィシャルテスト
開幕4週間前の4月11日から13日に第5戦カタルーニャ大会の開催地となるバルセロナ-カタルーニャ・サーキットでテストを実施。車両総重量の軽量化に成功した『V21L』を初試乗する機会となり、2日目に7ラップのレースシミュレーションが実施され、マッテオ・フェラーリが昨年5月の第3戦カタルーニャ大会で記録されたトータルタイム(レース1:12分44秒802/レース2:12分42秒300)を上回る12分39秒491を記録。マッティア・カサデイは2番手。エリック・グラナドは3番手。
3日目のラストセッションとして、公式予選のシミュレーションが実施され、アレッサンドロ・ザッコーネが非公式ながら昨年のレース1で樹立されたオールタイムラップレコード(1分48秒025)を0.221秒更新する1分47秒804の1番時計を記録。エリック・グラナドは2番手、アンドレア・マントヴァーニは3番手。
3日間の総合では、マッテオ・フェラーリが3日目2度目のセッションで非公式ながらオールタイムラップレコードを0.660秒更新する1分47秒365の総合1番時計を記録。マッティア・カサデイ、アレッサンドロ・ザッコーネ、エリック・グラナド、ニコラス・スピネッリが1分47秒台に進出してトップ5入り。初参戦組の最高位はロレンソォ・バルダッサーリの8番手だった。
テストセッション
開幕前日の5月8日に3度のセッションを実施。オフィシャルテストの際にチャンピオンナンバーのゼッケン『1』を選択した現王者エクトル・ガルソは、初日最初のセッション、フリープラクティス1の2ラップ目に転倒。左手を強打したことから、その後のテストをキャンセル。このテストセッションを利用して回復具合を確認すれば、『Women’s Circuit Racing World Championship(女子世界選手権)』の開幕戦と開催日程が重なったことからオフィシャルテストを不参加したポイントリーダーのマリア・エレーラが『V21L』を初試乗する。
タイムスケジュール
5月8日(木)
13時45分(20時45分): テスト(15分間)
15時45分(22時45分): テスト(15分間)
18時00分(01時00分): テスト(15分間)
5月9日(金)
08時30分(15時30分): プラクティス1(15分間)
12時45分(19時45分): プラクティス2(15分間)
17時05分(24時05分): 公式予選1(10分間)
17時25分(24時25分): 公式予選2(10分間)
5月10日(土)
12時15分(19時15分): レース1(8ラップ)
16時10分(23時10分): レース2(8ラップ)