第7戦イギリスGPの決勝レース(周回数20ラップ)は、5月25日現地時間13時00分からシルバーストン・サーキットで行われ、ティソ・スプリントで今季最高位となる4位を獲得し、ウォームアップ走行で4番手に進出した10番グリッドのマルコ・ベツェッキがフロントにソフトタイヤを選択。
1ラップ目8番手、3ラップ目5番手、4ラップ目3番手、6ラップ目2番手に浮上し、5.3秒差のトップを追走すると、9ラップ目にファステストラップをマーク。12ラップ目には1番手に飛び出し、2023年9月の第13戦インドGP以来34戦ぶりとなる優勝。アプリリアに2024年4月の第3戦アメリカズGP以来となる勝利をもたらし、総合10位から7位に浮上した。
赤旗クリックスタート
気温16度、路面温度30度のドライコンディションの中、13番グリッドのフランコ・モルビデリと21番グリッドのアレイシ・エスパルガロが1ラップ目の17コーナーで接触転倒。トップを走行中していた4番グリッドのマルク・マルケスが2ラップ目の13コーナーで突風が原因で転倒した直後、レースディレクションは赤旗を提示。
トラックオフィシャルたちにより、転倒が原因で16コーナーに散乱されたオイルが拭き取られ、周回数が20ラップから19ラップに変更され、3ラップ以下の赤旗だったことから、グリッドポジションはそのままにクリックスタートとなり、フロントにソフトタイヤを装着したポールポジションのファビオ・クアルタラロがアグレッシブな走りで1ラップ目2番手に1.2秒差、2ラップ目2.4秒差、3ラップ目3.0秒差、5ラップ目4.5秒差、6ラップ目には5.3秒差にリードを拡大。
2022年6月の第10戦ドイツGP以来3年ぶり、57戦ぶりとなる優勝に向けてレースをコントロールしたが、12ラップ目にリアのデバイスに問題が発生したことからリタイア。
2戦連続表彰台
9番グリッドのヨハン・ザルコはフロントにソフトタイヤを選び、1ラップ目5番手、3ラップ目3番手、12ラップ目2番手に浮上。4.088秒差の2位でチェッカーフラッグを受け、ウェットコンディションで優勝した前戦フランスGPに続き、2023年の第5戦フランスGPから3戦連続のトップ3を果たして以来2年ぶりに連続表彰台を獲得。
ホンダの連続表彰台は2021年の第15戦アメリカズGPと第16戦エミリア・ロマーニャGP以来4年ぶり。
転倒、コースアウト、表彰台
バイクを乗り換えた4番グリッドのマルク・マルケスは5番手走行中の3ラップ目にコースアウトで5.7秒差の9番手に後退したが、フロントにミディアムタイヤを装着した中で最高位となる5.929秒差の3位。
初日午後のプラクティスで他車の走行に影響を与える低速走行でグリッドポジションを3つ降格するペナルティが科せられたフランコ・モルビデリは、キャリア通算200戦目(プレミアクラス129戦目)となった決勝レースで転倒した後のリスタートで前に位置するグループを追走すると、最終ラップにはマルク・マルケスとのバトルを繰り広げ、0.017秒差で今季3度目の表彰台を逃したが、5.946秒差の4位まで挽回。
10ラップのショートレース、ティソ・スプリントで今季初優勝を挙げた2番グリッドのアレックス・マルケスは、スタート直後の1コーナーで転倒したが、リスタートすることができ、5位でゴール。
決勝レース日に21歳の誕生日を迎えた14番グリッドのペドロ・アコスタは6位。6番グリッドのジャック・ミラーはフロントにソフトタイヤを履いて2ラップ目2番手に浮上したが7位。8番グリッドのルカ・マリーニは今季の最高位タイとなる8位。5番グリッドのフェルミン・アルデグエは8位。
ティソ・スプリントで今季初表彰台を獲得した7番グリッドのファビオ・ディ・ジャンアントニオは9位。12番グリッドのジョアン・ミルは10位。18番グリッドのマーベリック・ビニャーレスは11位。ウォームアップ走行で今季初めて1番時計を刻んだ16番グリッドのラウール・フェルナンデェスは12位。11番グリッドのアレックス・リンスは13位。
タイヤプレッシャー
決勝レース後、スチュワードパネルは4人にタイヤプレッシャーの違反があったことを発表。16秒加算のペナルティが科せられ、8番グリッドのルカ・マリーニは8番手でチェッカーフラッグを受けたが15位に降格。
17番グリッドのエネア・バスティアニーニは前戦フランスGPの決勝レースで他車の転倒を引き起こす行為により、科せられたロングラップペナルティを3ラップ目に消化したが、順位に変動はなく17位。20番グリッドのロレンソォ・サバドーリと22番グリッドのソムキアット・チャントラも同じ順位の18位と19位。
2戦連続転倒
3番グリッドのフランチェスコ・バグナイアはリスタートでホールショットを決め、1ラップを2番手で通過したが、7番手走行中の3ラップ目にコースアウトを喫して10番手に後退した後、4ラップ目の7コーナーで今季6度目の転倒を喫してリタイア。前戦に続き転倒が原因でポイントを稼げなかった。
チャンピオンシップ
ポイントリーダーのマルク・マルケスは2戦連続5度目の表彰台を獲得して16ポイントを加算。総合2位アレックス・マルケスに対して24ポイント差、総合3位フランチェスコ・バグナイアには72ポイント差にアドバンテージを広げ、総合6位ヨハン・ザルコは総合5位に浮上。
初日の怪我により欠場を強いられ、週末にポイントを稼げなかった小椋藍は総合10位から13位に後退した。
アラゴンGP
次戦アラゴンGPは、2週間後の6月6日から8日にモーターランド・アラゴンで開催。6月9日にオフィシャルテストが予定されている。
RESULTS