第7戦イギリスGPの決勝レースは、4列目11番グリッドからスタートしたアプリリア・レーシングのマルコ・ベツェッキが優勝。2012年に2年連続3度目の優勝を挙げたレジェンド、ホルヘ・ロレンソから11度目の開催で11人目の優勝者が誕生し、まさに、世界で最もエキサイティングなスポーツに相応しく、今年も予測不可能な展開となり、記録が書き換えられた。
11人目の優勝者
赤旗後のリスタートでポールポジションからスタートしたファビオ・クアルタラロは、アグレッシブな走りで一気にアドバンテージを広げ、2022年6月の第10戦ドイツGP以来、当地では2021年以来となる優勝に向けて疾走。
2012年から続いていた異なるライダーの連続優勝記録に終止符が打たれ、マルコ・ベツェッキとヨハン・ザルコが続いていたことから、ドゥカティの連続表彰台記録が止まるかと思われたとき、ヤマハ機に技術問題が発生。
替わってトップに飛び出したマルコ・ベツェッキは、アプリリアが2015年に最高峰クラス、プレミアクラスに復帰してから2021年に初表彰台、2023年に初優勝を挙げた舞台で、誰よりも早くチェッカーフラッグを受けたことから、連続優勝者の誕生というチャンピオンシップの記録が更新。
同時に、ヨハン・ザルコが2位。2週間前の前戦フランスGPで優勝を挙げたことから、ホンダに2021年10月の第15戦アメリカズGPと第16戦エミリア・ロマーニャGP以来となる連続表彰台をもたらすことに成功。
73戦連続表彰台
転倒を喫したがリスタートすることができたマルク・マルケスは、キャリア通算200戦目となったフランコ・モルビデリとの3位争いに競り勝ち、ドゥカティは2021年9月の第13戦アラゴンGPから73戦連続の表彰台を獲得。ホンダが1999年9月の第11戦イモラGPで樹立した83戦連続の表彰台獲得記録にまた一歩近づいたが、2022年10月の第17戦タイGPと第18戦オーストラリアGP以来となる2戦連続の優勝なしとなった。
25度目の開催となったシルバーストン・サーキットは、2018年に天候の影響を受けて決勝レースが中止となり、2020年はパンデミックの影響を受けたことから開催が見送られていた。
6人目の優勝者が誕生するか?
次戦アラゴンGPの開催地、モーターランド・アラゴンは2021年に初めて開催されてから、ケーシー・ストーナー、ダニエル・ペドロサ、マルク・マルケス、ホルヘ・ロレンソ、アレックス・リンス、フランチェスコ・バグナイア、エネア・バスティアニーニの7人が優勝。2020年に当地で開催されたテルエルGPで優勝を挙げたフランコ・モルビデリを含めれば、優勝者は8人。
第3戦アメリカズGPから優勝を挙げたフランチェスコ・バグナイア、マルク・マルケス、アレックス・マルケス、ヨハン・ザルコ、マルコ・ベツェッキ以外が優勝を挙げれば、2020年11月の第13戦ヨーロッパGP以来となる6人目の優勝者誕生となる。5年前は9月の第8戦エミリア・ロマーニャGPからマーベリック・ビニャーレス、ファビオ・クアルタラロ、ダニロ・ペトルッチ、アレックス・リンス、フランコ・モルビデリ、ジョアン・ミルが優勝を挙げていた。